建築デザイン、間取り図 知識

配置図とは?見方・書き方を説明

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編集者: Edraw

建築図面には多くの図面があります。それぞれに目的や用途に合わせて多種多様な種類が存在します。その中で使用頻度が高く、基本図面とされる配置図という建築図面があります。

建築物の工事を始める際に重要な役割を果たすのが配置図です。配置図のミスは取り返しのつかない問題となる場合が多いため、重要な図面のひとつです。

今回の記事では、配置図はどのような図面であり、その読み方や書き方について詳しく解説していきます。

テンプレートから配置図をかんたんに作成できる作図ツールEdrawMax

1.配置図とは?

配置図とは、敷地に対して建築物の配置を上から見た状態を表した図面です。

配置図とは

配置図では、建築物の敷地境界線からの寸法や方位などの情報を表記します。

これにより、建築物の配置から敷地の空きスペースなどが明確になり、敷地計画の設計にも利用されます。

具体的な配置図に表記される必要な情報は以下のとおりです。

・敷地の形状

敷地の大きさや形状がどのようになっているかを示す必要があります。

測量図などを利用して敷地の形状を作成していきます。

・道路との位置関係

敷地のどの面に接道がくるのかを示します。

これにより駐車場や建築物の入口の計画に利用されます。

・建築物の位置

建築物のどの位置に配置されるかを示します。

敷地境界線や敷地境界点などからの寸法を示し、建築物の正確な位置を決定します。

・方位

建築物どの方角を向いているかを示すため、北を基準に方位を表記します。

建築物では日当たりは重要な要素となるため、方位の表記は重要となってきます。

・隣地との関係

隣地との境界線部分がどのようになっているかなどの情報を示します。

ブロック塀などの構造物があるのか、水路があるのかなどの情報を表記する必要があります。

・外構計画

接道からのアプローチや駐車場の位置などの外構計画についても表記します。

これにより、敷地の使用用途が明確になってきます。

・給排水の配管経路など

水道メーター、止水栓、給排水管の経路などの情報も示していきます。

設置位置が変更出来ないものあるため、正確な位置に表記する必要があります。

上記が配置図に必要となってくる情報です。建築物の計画は、敷地状況や周辺環境との関係を考慮して計画する必要があるため、配置図は建築設計においても重要な図面であるといえます。

2.配置図の読み方:符号、凡例と専門用語

建築物の正確な位置や、敷地の利用計画などを示す配置図ですが、さまざまな情報をわかりやすく表現するために、符号や凡例、専門用語を使用して図面を表現していきます。

それらを理解しておくことで、配置図の作成の際や正確な配置図の理解につながります。

そんな配置図で使用する符号や凡例、専門用語をいくつか紹介していきます。

・方位記号

配置図において方位は非常に重要な要素であり、それを表現するための記号があります。

北を矢印の基準として十字の形で表記します。

・駐車場スペースや車両

駐車スペースや車両のサイズを表現するために、点線で駐車場1台分のサイズの長方形で表現していきます。

一般的な車1台分の駐車スペースは2.5m×5.0m程度とされています。

・外構計画の記号

配置図では、外構計画の表現も行っていくため、外構計画の記号も使用します。

土間コンクリートの範囲部分はハッチングにより、斜線を入れて表現して、植栽などは上から見下ろした木の表現などを行います。

・GL(グランドライン)、BM(ベンチマーク)

配置図では、敷地の高さや建築物を建てる際の高さを図面に示します。建築物の高さは設計GLとも呼ばれ、その高さをもとに建築物の工事が進みます。その設計GLの基準となる部分の高さのポイントをBMと呼ばれます。

これらの高さは正確でなければいけないため、レベルなどの高さを測る器具を用いてその高さを計測します。

上記のような符号や専門用語や凡例を用いて配置図をよりわかりやすい図面に仕上げていきます。

さらに配置図では、敷地の広さや、建築物の建築面積、容積率、延べ床面積などの情報を表に示していきます。これらの情報を理解していくことで、正しく配置図が読めることにつながっていきます。

3.配置図の書き方

ここまで、配置図の読み方などについて解説していきましたが、次に配置図の書き方について解説していきます。配置図を含む建築図面では、図面作成おけるルールがいくつかあります。

特に線の種類については注意が必要です。実線、鎖線、点線を使い分けることで、配置図の表現を豊かにしていきます。

そんな配置図の書き方の手順を紹介してきます。

・現場調査、現場寸法取り

はじめに敷地の情報を収集し、必要なところの寸法計測をしていきます。配置図を作成のベースとなる、敷地図を作成するためには、現地の既存情報が重要です。敷地の高低差や、工作物などがないかなどの情報を調査していきます。

これらの情報は、建築物の配置決定に影響を与えるため正確な情報を図面に落とし込むことが重要です。

・図面の縮尺を決定

敷地の大きさや、配置図に表す内容によって図面の縮尺を決定します。敷地が大きければ縮尺は大きなものとなり、小さい場合は縮尺も小さくなってきます。配置図が見やすく必要な情報が落とし込める最適なサイズの縮尺で図面作成を行いましょう。

・建築物の配置

建築物の配置

敷地図や縮尺が決定したら、建築物の配置を行います。

基準となる敷地境界線や敷地境界点から指定された寸法離れた位置に建築物の配置を示していきます。建築物の壁の中心を基準線として、建築物の外形を表現し配置図に落とし込みます。

ここでの寸法の間違いは建築工事が始まってしまうと変更ができないので、ミスがないように寸法の確認はしっかりと行いましょう。

・その他の構造物、工作物の配置

その他の構造物、工作物の配置

建築物の配置が完了したら、敷地内に設置されている工作物や、設置予定の構造物を配置していきます。敷地境界にブロックや、水路や樹木などの植栽といった部分を新設するものを示します。

その他にも既存で設置している工作物や構造物についても表記しておきます。撤去予定もの、残すものを明記しておくとよりわかりやすい配置図となってきます。

・方位記号、凡例などを表記

方位記号、凡例などを表記

敷地図や建築物の配置などが決まったら、方位記号や凡例を表記していきます。

方位記号は北がなるべく図面の上に向くように配置図の向きを調整しましょう。凡例については、敷地の大きさや建築物の大きさを項目ごとに記載していき、表にまとめて示していきます。

上記が配置図の書き方の流れの一例です。

配置図に必要となってくる情報にミスや見落としがないように注意して配置図作成を行っていきましょう。

4.おススメの配置図作成ツールEdrawMax

ここからは配置図作成におススメの図面作成ツールEdrawMaxについて紹介します。

EdrawMax(エドラマックス)はWondershare(ワンダーシェアー)が提供している作図や製図業務に特化したソフトウェアです。

EdrawMaxは配置図作成に適した多くの機能が搭載されており、その中のいくつかを紹介していきます。

まずはじめにEdrawMaxでは、他のCADソフトのデータをインポートが可能となっています。

他のCADソフトのデータをインポートが可能

配置図は敷地図や測量図といった図面に対して、建築物の図面を落とし込むため、他者が作成した図面データを取り込む機会が多くあります。

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そのため、CADソフトの違いによるストレスがなくなります。

さらに基本図形が豊富に登録されているため、配置図の表現を豊かにすることが可能です。

基本図形が豊富に登録されているため、配置図の表現を豊かにする

配置図では、外構計画の情報についても落とし込むことが必要であるため、植栽や駐車スペース、アプローチ計画などを示す必要があります。

それらが基本図形で登録されているものを使用出来れば作図時間の短縮が期待できます。

さらにハッチングなどの表現についても簡単にサイズを変更したり、アプローチの細かい表現を可能としています。

簡単にサイズを変更したり、アプローチの細かい表現を可能としています

配置図としての機能だけでなく、外構図面としてそのまま使用できるほどの精度を持たせることも可能となるでしょう。

配置計画は位置の変更や施工範囲の変更などが起こりやすいので、その変更も簡単に行えるため非常に便利な機能であるといえます。

このように、配置図の作成だけでなく、その他の図面作成についても役立つ機能が多く搭載されているおすすめの図面作成ソフトであるといえます。

まとめ

今回の記事では、配置図とはどのような図面で、その読み方、書き方について詳しく解説していきました。

配置図は建築図面のひとつであり、建築物の配置を決める重要な役割を果たす図面です。建築物の配置は工事が進んでしまうと変更ができないものであるため、配置図で表記される情報は非常に重要なものです。寸法のちょっとしたミスも大きな問題となってしまいます。

そんな配置図を今回の記事を参考に理解を深めて精度の高い配置図作成を行っていきましょう。

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