1. 屋根伏せ図とは
屋根伏図は、建物の屋根面を上空から見下ろした状態を表した図面のことをいいます。
屋根伏図で表される情報として以下のとおりです。
・屋根の形状や種類
屋根には、切妻、寄棟、片流れなどの種類があり、施工者が屋根形状を理解するために必要です。
・屋根の棟の位置
屋根の最も高い位置を表す棟の位置を正しく示します。
図面によって正しく施工者に理解してもらうために必要な要素です。
・屋根勾配と勾配方向
屋根には雨を流したりするために、一定の勾配がついており、その流れる方向についても屋根伏図で示します。
屋根勾配が違えば、外観にも影響が出るためしっかり確認する必要がある要素です。
・太陽光パネルの割付など
屋根に設置する付属物である太陽光パネルなどを示していきます。太陽光パネルであれば、正確な割付を行うために必要ですし、屋根の情報を正確にて示すために必要です。
上記のように施工にあたって重要な情報が落とし込まれている図面であるといえます。
基本的な屋根の情報以外にも、最近では太陽光パネルをの設置を行う場合も多いため、太陽光パネルの割付などでも使用されます。屋根に使用される材料には、瓦、ガルバリウム鋼板、カラーベストなどがあります。屋根材の種類によって適正勾配や可能な屋根形状などもあるため、屋根材にも注意しておくことが必要です。構造図のひとつである屋根伏図は、屋根に関するさまざまな情報を示す、施工にあたって必要不可欠な図面です。
建物の主要構造部である屋根を表す重要な役割を果たす図面といえます。
2.屋根伏せ図の読み方:符号、凡例と専門用語
ここからは屋根伏図の読み方や使用する符号などについて詳しく解説していきます。
屋根伏図では、屋根の形状や種類、屋根勾配、勾配方向、屋根に設置される設備(太陽光パネルなど)を示す必要があります。
屋根の形状については、平面図などから軒の出、妻の出を反映させて、屋根の外形が出来上がります。形状については、線によって表現されますが、屋根の種類については記号や符号など用いて表現していきます。
例としてガルバリウム鋼板は材料のジョイント部分を実線で表し、ガルバリウム鋼板が何枚も並んで設置されていることを表現します。
瓦の場合は、瓦1枚のサイズと同じ四角で表現し、それらを並べて図面上に配置して瓦であることを表現していきます。
瓦には、平板瓦、和形、洋風など形状に種類があるため、より詳しく屋根伏図を表現する場合には、注意しましょう。
屋根勾配については、三角や矢印を用いて、勾配の向きと合わせて表現していきます。
勾配の向き高い方から低いに向かって矢印の先を示し、どちらに対して勾配がついているかを明確にしていきます。
さらに勾配の角度についても合わせて示す必要があります。屋根勾配「〇〇寸勾配」という専門的に呼ばれるため、その呼び方に適した勾配の数値を示しましょう。
屋根伏図は、平面図や他の伏図と同様に寸法も記入しておく必要があります。特に重要となるのが、軒の出寸法や妻の出寸法です。こちらの寸法が違うと屋根形状も変わり、申請上の問題も発生します。
寸法は寸法値、寸法補助線など他の図面と同様の形式で表現されます。その他に屋根伏図で出てくるのものとしては太陽光パネルなどの設備です。
こちらについても屋根材同様に四角などで表現されるため注意しておきましょう。
他の伏図のように、構造材のサイズの表記などの細かい表記は少ないのが屋根伏図ではありますが、屋根工事を行う際には非常に重要な図面であるため、読み方をしっかりと理解おきましょう。
3.屋根伏せ図の書き方
ここでは屋根伏図の書き方について解説していきます。
屋根伏図は建物を上空から見下ろした状態を表した図面であり、屋根に関するさまざまな情報を落とし込むことが必要です。
まず屋根の外形を書いていきます。
屋根の外形を書くためには、屋根の種類を決めておかなければいけません。今回は切妻の場合を想定して解説していきます。
切妻の屋根は最も一般的な屋根の形で、2方向に勾配をつけて、三角形の形となる屋根です。シンプルな構造で雨漏りになりにくく、和風洋風どちらとも相性のよい屋根となっています。
太陽光パネルの設置にもおすすめの屋根形状といえます。屋根の外形が書けたら次に棟の位置を書いていきます。
棟は屋根の最高高さであり、棟を位置から屋根の勾配がスタートするため重要な部分となってきます。
棟の位置が決まったら、屋根材の形状を示していきます。
同じ屋根であっても、屋根材によって形状が異なり、適正な屋根勾配についても材料ごとに変わってきます。屋根材に何を使用しているのか明確になるように書いていきましょう。
屋根材の表記が完了したら、屋根勾配と勾配方向を図示しましょう。
屋根勾配は施工者が必要な屋根材などの数量の拾い出しに使用したり、勾配方向は雨などが流れる方向を示すため、雨樋の設置箇所の検討などにも使用されます。
数値の間違いは工事に直接影響を与えるため、間違いがないよう注意しましょう。
屋根勾配、勾配方向が書けたら、太陽光パネルなどの屋根に設置される設備などを書いていきます。
主に太陽光パネルになってくるため、太陽光パネル1枚ごとのサイズや施工に当たって、ちゃんと指定枚数が屋根に設置可能であるかなどの検討も行いましょう。
屋根に関する情報を屋根伏図落とし込みが完了したら、必要な部分に寸法を記入していきます。寸法がなければ、屋根のボリュームや数量の拾い出しが正確に行うことができません。
そのため、寸法は必要な箇所に適切に記入していきましょう。
このような流れで屋根伏図は作成されていきます。
屋根伏図に表される情報はどれも工事を進めたり、積算において非常に重要な部分となってきます。屋根伏図の書き方を正確に理解して、施工者などに伝わる図面が書けるようにしていきましょう。
4.おススメの割付図作成ソフトEdrawMax
ここからは屋根の施工に重要な屋根伏図の作成におススメの図面作成ツール:EdrawMaxについて紹介します。
EdrawMax(エドラマックス)はWondershare(ワンダーシェアー)が提供している作図や製図業務に特化したソフトウェアです。ここからは、施工の際に重要な屋根伏図作成に適したEdrawMaxの機能についていくつか紹介していきます。
EdrawMaxでは、他のCADソフトのデータをインポートが可能となっている点は非常に便利です。
屋根伏図は、屋根工事や材料屋など他の業者と図面のやりとりを行っていきます。取引先が使用しているCADソフトが必ずしも同じとは限りません。同じCADソフトであれば互換性があり、図面のやりとりがスムーズに行えますが、違う場合は図面が見れない場合もあります。
そのため、他のCADデータをインポートでき、図面の修正や追加、閲覧が可能という点は、図面作成とは別な機能ですが、非常に活躍する機能といえます。
さらにテンプレートで豊富な基本図形が使用可能であるため、屋根勾配の矢印であったり、屋根材の表現に使用する記号や図形が容易に作成可能です。
細かな表現によって、より精度の高い屋根伏図の作成が期待できます。
さらに基本図面としてテンプレートが豊富にあるため、屋根伏図作成のための参考図面や図形を利用することで効率的な図面作成が行えます。このように屋根工事を行うために重要な屋根伏図の作成に役立つ機能がEdrawMaxには多く搭載されているソフトであるといえます。
試用版は無料で利用可能であるため、一度図面作成に利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の記事では、屋根伏図とはどのような図面で、その読み方や書き方について詳しく解説していきました。
屋根伏図は構造図のひとつで、屋根のさまざまな情報を示した図面です。特に屋根工事を行う施工者にとっては非常に重要な図面です。
雨漏りの原因になることが多い屋根部分の構造を示す屋根伏図を正確に理解して、図面の作成を行い、施工者に正しく伝わる図面を描くことが必要な図面です。
今回の記事を参考に屋根伏図の理解を深め、設計や施工において重要な屋根伏図を正しく理解していきましょう。