マインドマップ How-Tos

かんばん方式とは?タスク管理におけるカンバンのメリット、やり方を紹介

edraw編集者
編集者: Edraw

「かんばん方式」は製造業から生まれた管理手法ですが、その視覚的なわかりやすさと効率性から現在ではさまざまな業界のプロジェクト管理に広く活用されています。

本記事では、かんばん方式の基本とメリット・デメリット、プロジェクトのタスク管理におけるカンバンの具体的な使用方法について紹介します。

1.カンバンとは、メリットとデメリットは?

カンバンは、トヨタ生産方式で生まれた「可視化」の概念を基にした作業管理システムです。

カンバンとは

元々トヨタでは、組立ラインと部品倉庫の間で必要な部品が必要な時に必要な量だけ供給されるよう「かんばん」と呼ばれる情報カードを用いて指示が行われていました。この手法がその後製造業全体に広がり、現在ではプロジェクト管理全般で広く採用されています。

カンバンの核心は、作業の流れを視覚化し効率を最適化することです。プロジェクト管理においては、タスクをカードとして表現し、「To Do」「進行中」「完了」などの列がある板(ボード)上で管理します。

カンバンの使用には以下のメリットとデメリットがあります。

<メリット>

  • 作業の進捗状況が一目でわかる
  • 優先順位の変更や新たなタスクの追加が容易
  • 情報共有しやすい
  • 作業の流れが最適化され、生産性が向上する
  • 必要な作業量の把握が容易になり、効率的な管理が可能

<デメリット>

  • 大規模プロジェクトでは管理が難しい
  • 作業間のつながりがわかりにくい
  • 全体日程と各作業の関連がわかりにくい

2.かんばん方式の流れと種類

トヨタ生産システムにおいて開発された生産管理手法「かんばん方式」の主な目的は、Just-In-Time(JIT)生産を実現するための在庫管理システムとして機能することです。

かんばん方式は以下のような流れで行われます。

  1. 後工程が生産や組立に必要な部品を前工程から引き取り、使用する
  2. 使用した部品の分だけ、後工程が前工程に対してかんばん(生産指示)を送る
  3. 前工程は受け取ったかんばんに基づいて、指示された数量の部品を生産する

各部品には「かんばん」と呼ばれる部品情報が記載された情報カードが付いており、部品使用時に外されたかんばんの数で必要な部品の種類と数量がわかります。これにより「必要な時に必要な量だけ」の部品が供給され、過剰在庫を防ぐ効率的な生産管理が実現します。

この方式では、大きく分けて3種類のかんばんが使用されます:

2.1 仕掛け(生産指示)かんばん

  • 工程内かんばん:後工程から前工程への生産指示
  • 信号かんばん(三角かんばん):ロット生産に使用、在庫が一定数以下で生産開始

2.2 引き取りかんばん

  • 工程内引き取りかんばん:社内・工場内で使用
  • 外注部品引き取りかんばん:外注先への納入指示に使用

2.3 その他のかんばん

  • 特殊カンバン(臨時かんばん):仕掛けかんばん・引き取りかんばん以外で製造が必要な場合に使用
  • プールかんばん:まとまった数量をあらかじめ生産

このかんばん方式の「タスクの可視化と作業の効率化」の考え方を応用したものがプロジェクト管理のカンバンボードであり、以下の流れで進んでいきます。

  • タスクをカードとして作成
  • カードを「To Do」列に配置
  • 作業開始時に「進行中」列に移動
  • 完了時に「完了」列に移動

3.タスク管理におけるかんばんの使用例

実際のタスク管理でかんばんをどのように使用するかについて、マインドマップ作成ツール「EdrawMind」のカンバン機能を使用して見てみましょう。今回は「自社商品販売サイトのリニューアルプロジェクト」を管理する例で解説します。

3.1. タスクをカードとして作成

タスクをカードとして作成

まずは「ワークベンチ」の「タスクカンバン」をクリックし、カンバンモード画面に遷移します。

タスクをカードとして作成

チームメンバーは、ウェブサイトリニューアルに必要な具体的なタスクを「やるべきこと」の欄に入力し、カードとして作成します。各カードには下位タスクのほかに「優先度」「作業期限」などの情報が指定可能です。


3.2.作業開始時に「処理中」列に移動

作業開始時に「処理中」列に移動

各タスクはドラッグで簡単に移動できます。プロジェクトが開始され、例えばデザイナーが「ホームページのデザイン案作成」に着手したら、そのカードを「処理中」列に移動します。

カードを「処理中」列に移動

カードの色は変更可能で大まかに進捗状況を見やすくできるほか、「進捗状況」を設定するとカードにカラーバーで表示されるため一目で具体的な状態がわかります。

3.3.完了時に「完了」列に移動

完了時に「完了」列に移動

ワイヤーフレームが完成したら、「ホームページのデザイン案作成」のカードを「完了」列に移動します。

また、カンバンの初期状態では「やるべきこと」「処理中」「完了」の3つが設定されていますが、グループは自由に追加可能です。サンプルでは新たに「承認待ち」の欄を設けています。

カンバン機能を使用するとカード(=カンバン)が移動していくことでチーム全体がプロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握可能です。例えば「『コンテンツ更新』のカードがずっと移動していなければその工程に何か問題が発生している可能性がある」といったボトルネックの早期発見やリソースの適正配分にも役立ち、プロジェクト全体の効率アップに役立ちます。

5. おススメのカンバンツールEdrawMind

カンバンツールでおすすめしたいのが、先ほどの具体例で使用した「EdrawMind」です。

カンバンモードではカードの色、優先度、進捗状況などを自由に設定できわかりやすいカンバンボードが作成可能なだけでなく、検索、並べ替え、フィルター機能により必要な情報にすぐにアクセスできます。さらに画像、タグ、ハイパーリンク、添付ファイルなどを各カードに追加できるため、デザイン案や関連資料などを直接カンバンから確認でき情報の一元化が可能です。

画像、タグ、ハイパーリンク、添付ファイルなどを各カードに追加できるため、デザイン案や関連資料などを直接カンバンから確認でき情報の一元化が可能

また、EdrawMindの大きな特徴であるドラッグ&ドロップによる簡単な操作性に加え、テンプレート機能を活用すれば、プロジェクト立ち上げに伴うタスクの設定もスムーズです。

カンバンテンプレートの一例

(EdrawMindカンバンテンプレートの一例:プロジェクト管理プロセス)

EdrawMindでカンバン機能を活用するもう一つのメリットがマインドマップとカンバンのシームレスな融合です。マインドマップで整理したアイデアを直接カンバンに変換してメンバー間の運用に役立てたり、逆にカンバンをマインドマップ化して資料作成に役立てたりとプロジェクト管理の柔軟性が上がります。

マインドマップとカンバンのシームレスな融合

EdrawMindではカンバンに設定した期限を基にガントチャートが作成でき、カンバンのデメリットである他の作業との関連性や全体日程と各作業の関連を視覚的に把握できます。ガントチャートとカンバンの組み合わせで、プロジェクト全体の進捗と個別タスクが同時に管理可能です。

ガントチャートとカンバンの組み合わせ

まとめ

カンバンツールの活用で具体的なタスクの視覚化、進捗管理、優先順位の調整が容易になりチームの協力体制が強化されます。多機能でありながら直感的な操作性を持つEdrawMindは、効率的なプロジェクト管理を実現する強力なツールとして、幅広い業種や規模のプロジェクトに対応できます。

新機能「カンバン機能」の追加で柔軟なタスク管理が可能になったEdrawMindをぜひ一度お試しください。

関連記事