1.ヒューズとは?
ヒューズとは、電気回路を保護するための安全装置です。過電流が流れた際に回路を遮断する役割を果たします。
基本的には細い金属線が電流を通す構造になっており、設定された電流以上が流れるとその部分が溶断します。これにより、電気機器や配線に過剰な電流が流れて過熱・損傷するのを防ぎつつ、それに伴う火災や機器故障を予防します。
ヒューズは家電製品から産業機器までさまざまな場所で使用されます。特に電気機器の内部回路に取り付けることが多いです。
ヒューズは一度切れると交換が必要ですが、過電流を検出した時点で即座に回路を遮断するため、迅速に電気回路を保護できます。ヒューズの交換は簡単で安価なため、使い捨ての安全装置として非常に実用的です。
2.ヒューズの種類
ヒューズは形状などによって、様々な種類が存在します。以下はその一例です。
2.1 ガラス管ヒューズ
ガラス管ヒューズは細長いガラス管の中に金属のヒューズ線が通されたヒューズです。ガラス管には内部のヒューズ線が切れた際の確認を容易にする役割があり、視覚的にヒューズが切れたかどうかを確認することができます。主に家電製品や小型電子機器などで広く使用され、比較的低電圧・低電流の回路で利用されることが多いです。種類によっては取り付け方法にスリーブを使ったり、はんだ付けで接続されることもあります。
2.2 ブレードヒューズ
ブレードヒューズは平らな形状をしたヒューズです。平型ヒューズとも呼ばれます。
自動車や産業機器及び家電製品などで広く使用されます。金属端子が平面で広がっているため、差し込み式やクリンチ式の接続方法が一般的です。取り付けが簡便で、取り外しや交換も容易に行えます。また、平型ヒューズには、小型でコンパクトなサイズが特徴で、車両や機器内で省スペースを確保したい場合に有効です。車の電装系統ではこのタイプのヒューズがほとんどです。
2.3 爪付きヒューズ
爪付ヒューズは両端に爪部分がついたヒューズです。
爪を差し込んでネジなどで締め込むことで回路に接続します。主に工業機器や高電流を扱う回路に使用されることが多く、しっかりとした接続と高い信頼性が求められる場面に適しています。
爪部分がしっかりと接続されるため、振動が多い環境や負荷が大きい回路でも安定した動作を維持することが可能です。
以下に表にまとめます。
ガラス管ヒューズ |
ブレードヒューズ |
爪付きヒューズ |
|
形状 |
ガラス管内に金属線が内蔵されている |
平型で両端に端子がある。 |
両端に爪が付いている |
利点 |
・汎用性が高い ・ヒューズ断が視覚的に確認でき、安全性も高い |
・省スペース ・取替が容易 ・ |
・しっかりと接続することが可能で、信頼性が高い。 ・大電流も取扱い可能 |
3.ヒューズ記号一覧
リレー記号は規格や機能に応じていくつかの種類が存在します。本記事では多くの回路図面で使用されるリレー記号を、下記にて一覧として紹介します。
4.ヒューズ記号の使い方
電気機器の内部にはヒューズを使用する機械も多いです。特に省スペースが求められる小型機器などでは、ヒューズを使用することが多くあります。これらの回路を描く際にはAutoCADやjWCADなどのCADソフトを使用する技術者も多いですが、EdrawMaxは初心者から習熟者まで、幅広いユーザーにお勧めできる製品です。本記事ではヒューズ記号の使い方について、EdrawMaxを使用して説明します。
4.1 素材をダウンロードする
EdrawMaxでは、様々な種類の図面素材をインポートして使用することが可能です。ヒューズ記号だけでなく、電気回路で使用する回路記号を様々な形式でインポートすることができます。dxfなどのCADデータだけでなく、pdfなどの画像データにも対応しています。インターネット上でダウンロードしたファイルをインポートして簡単に貼り付けることが可能です。
4.2 EdrawMaxで素材を開く
EdrawMaxは電気回路で使用可能な図形記号や、テンプレートとなる回路例が豊富に用意されている点も特徴の一つです。ダウンロードしたり、他ソフトで作成した素材だけでなく、プリセットされている図形からも有用な記号を配置することができます。左側のタブの『図形』や『テンプレート』を選択すると検索窓が表示されるため、簡単に検索して記号などを配置することが可能です。
4.3 EdrawMaxでヒューズ記号を配置する
プリセットされているヒューズ記号を配置したい場合は、使用したい記号をクリックするだけで簡単に作業領域にドロップすることが可能です。必要に応じて、記号の位置を調整したり、回路内で配線を接続したりします。配線接続にはコネクタツールが便利です。
また、ヒューズについての情報を記載したい場合は文字入力ツールで簡単に情報を追記することが可能です。
4.4 特定の記号を描画機能で作成し、ライブラリに保存して次回使う
特殊な記号を使用する電気回路を作成する場合は、EdrawMaxにプリセットされていない可能性もあります。EdrawMaxではこれらをライブラリーに保存し、次回の使用を簡単にすることもできます。
上部の図形セッションから新規ライブラリを選択することで、新たにライブラリを作成することができます。ここに図形をドラックすることで、簡単にライブラリに保存することが可能です。また、他のCADソフトなどで作成した記号も、インポートすることでライブラリ保存することができます。
5.ヒューズ記号に関するよくある質問
5.1 ヒューズの色の規格は?
ガラス管ヒューズは一般的に色による規格は存在しません。透明なガラスが使用されることが多く、定格電流は金属部分に明記されています。金属部分は塗装等を施さない金属光沢をそのまま使用されます。
ただし、ブレードヒューズには定格電流に合わせてカラーコードを適用する場合が多いです。以下が一般的なブレードヒューズのカラーコードです。
5A:黄褐色
7.5A:茶色
10A:赤
15A:青
20A:黄
ただし、カラーコードは国や規格によって異なる場合も多くあります。使用されているヒューズの適用規格を確認することが重要です。
5.2 ヒューズ記号とヒューズホルダー記号はどう違いますか?
一般的にヒューズ記号とヒューズホルダー記号は区別せずに使用されることが多いです。ホルダーに内蔵されたヒューズも、はんだ等で取り付けられたヒューズも共にヒューズ記号で表記されます。ただし、はんだでヒューズを取り付ける場合も、ヒューズホルダーを基盤等にはんだ付けして使用することが多いため、ヒューズホルダーとヒューズは一体の製品として記載されることがほとんどです。
5.3 海外規格(IECやUL)のヒューズ記号とJIS記号の違いは何ですか?
上述したように、JIS規格のヒューズ記号はIEC規格に基づきながらも、細部のデザインに違いはあります。ヒューズの動作や定格をさらに明確に記入する場合も多く、補助記号を使うこともあります。JIS記号では回路図における正確な情報を提供し、技術者がすぐに理解できるように設計されていることが多いです。