「5W1H」は時々聞く単語だと思いますが、有効に使えていますか?早い人は中学生や高校生の頃から聞き馴染んだものだと思います。しかし、これがどのようなもので、どのようなときに使うのか、というのを適切に理解している方はあまり多くないかもしれません。
この記事では、5W1Hとは何か、その意味や順番、使い方について、考え方や例文を交えて解説してまいります。5W1Hについてよく理解し、有効に使えるようになりましょう。
- 目次 -
Part 1: 5W1Hとは
まず5W1Hとは何かを解説いたします。意味をきちんと理解していなかったり、意味は知っているけど適切な場面で使えていなかったりする方もいらっしゃるようです。その意味や目的を理解して、適切な場面で適切に使用できるようになりましょう。
1.1 5W1Hの意味
5W1Hは、次の5つの「W」から始まる英単語と1つの「H」から始まる英単語を集めたフレームワークの一つとして有名で、早ければ中学校から学校で習うようなこともあります。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
もしかすると、学校で5W1Hを習ったことがある方も多いかもしれませんね。さらに、多くのビジネスマンにとっては、この6つの要素に沿って情報を整理することが最も基本的なフレームワークとなるかと思います。
多くの方が知っていると言っても過言ではないため、もし5W1Hを知らなかったりその使い方を十分に把握していなかったりしていれば、この機会にしっかり理解して周囲との差が広がらないようにしましょう。
1.2 5W1Hの目的
この5W1Hのフレームワークを利用する目的は様々ありますが、元々はニュース記事を書くときの習わしのようなものであることから、主に「他人とのコミュニケーションの際に相手に良く伝わるように情報を整理する目的」があります。例えば、上司への報告や同僚への相談のとき、報告書などの文書を書くとき、取引先や顧客へのメール作成のとき、などの場面で5W1Hは力を発揮します。その他にも、次のような場面でも活用が可能です。
- 企画書を作成する前に自分自身の考えを整理するとき
- 会議や研修で話す内容をあらかじめ整理するとき
- ミスやトラブルの原因を整理するとき
Part 2: 5W1Hの要素と順番
次に、5W1Hの各要素の詳細と要素の順序について解説いたします。5W1Hのフレームワークで情報整理するときに、各要素をどの順序で・どのような内容で考えればいいか押さえておきましょう。
2.1 5W1Hの要素
5W1Hの各要素の意味はパート1で触れましたが、もう少し詳細に各要素でどのような内容を当てはめていけばいいのか説明いたします。
元が「いつ」という意味の日時・時間を問う疑問詞のため、時間的な情報を当てはめて考えます。例えば、過去のどの時点か、未来のどの時点か、どの期間か、どのくらいの時間の経過か、どの時期・季節・イベントなどのタイミングか、といったことを考えると良いでしょう。
こちらは「どこで」という意味の場所・地点を問う疑問詞のため、位置的な情報を当てはめて考えます。例えば、どの国・地域か、どの施設・建物・階・部屋か、どの範囲か、どのあたり・どんなところか、といったことを当てはめてみるようなイメージです。
元々が「誰が」という意味の人を問う疑問詞のため、人物や役割・関係を表す情報を当てはめて考えます。例えば、〇〇さんといった具体的な人物名、クライアントやプロデューサーなどの特定の役割・役職、協力会社や競合会社などの会社名、といったことを考えて当てはめていきます。
元は「何」という意味の物事を問う疑問詞のため、この要素には物や概念など幅広い対象が当てはまります。例えば、商品や部品などの物、サービスや工程などの事、テーマやコンセプトなどの概念、などの物事全般が対象となります。5W1Hのメインとなる要素と言えるでしょう。
元の意味は「なぜ」という理由や原因を問う疑問詞のため、理由・原因のほか目的などを当てはめて考えます。例えば、ミスやトラブルが発生した原因、企画やプロジェクトを行う理由や目的、といったものを考える良いでしょう。欠落しがちな要素ですが、5W1Hで考えればそのようなこともありません。
最後の要素は「どのように」という方法・手段を問う疑問詞で、そのまま方法・手段などを当てはめてみます。例えば、企画をどう進めるか、商品をどう作るか、トラブルをどう解決するか、といった具合に考えていきます。
2.2 5W1Hの順番
続いて、5W1Hの順番について考えてみましょう。通常は、When→Where→Who→What→Why→Howの順に考えることが多くあります。情報を整理しやすく、また伝える相手も情報を理解しやすいためです。
状況によっては、あえて順番を変えると効果的に伝わることがあります。つまり、要素の中で重要な情報がある場合は、その要素を最初に伝えるというものです。理由や目的が重要なのであればWhyを最初に、物事自体が重要なのであればWhatを最初に、といった具合です。
Part 3: 5W1Hの使い方
要素や順番などがわかったところで、5W1Hの使い方について押さえていきましょう。とはいっても、使い方を制限する必要はなく、どのような事案、どのような場面で用いても構いません。自由に使ってみてください。ここでは、オーソドックスな使い方について説明していきます。
3.1 5W1Hの要素を書き出す
最初に、早速5W1Hの要素を書き出していきます。ノートやメモ帳などの紙を用意しても良いですし、移動中ならスマートフォンのメモ帳などに書き出しても良いでしょう。書き出した後にメールや企画書などの文書を作るならパソコンに書き出しても良いかと思います。
もしパソコンを使うなら「EdrawMax」というソフトがおすすめです。作図・製図に向いているドローイングソフトで、5W1Hのようなフレームワークに沿ってアイデアを書き出すのにも向いています。また、ただ文字で書き出すよりビジュアル的に整理する方が効果的に整理できるので、おすすめです。
ここでは、EdrawMaxで5W1Hを書き出す手順も紹介いたします。なお、必ずしもこの方法でなくても構いません。やりやすい方法で書き出してください。以下のボタンからEdrawMaxを無料ダウンロードできます。
3.2 5W1Hの順番を調整
パート2.2でも触れましたが、伝える相手や内容、状況によって5W1Hの順序を変えても構いません。そのため、一度書き出したあとは5W1Hを振り返り、伝え方を考えて順番を調整します。
そのままが一番効果的かもしれませんし、理由を最初にするのが最も良いかもしれません。その時の状況に合わせて調整してください。
Part 4: ビジネスで活躍する5W1Hの例文
さて、ここで5W1Hに沿った例文を2つご覧いただこうと思います。ビジネスシーンを想定した例文となっているので、参考にしていただけるのではないでしょうか。
ケース①上司に商談結果を報告する場合
例えば、5W1Hで報告内容を整理したときに次のようになったとしましょう。
- When:今日の11時から12時に
- Where:A社の会議室で
- Who:A社のB部長から
- What:案件Cのプレゼン内容が
- Why:A社の成長戦略に合致していたため
- How:来月から商品DをA社で取り扱いたい
これを上司に報告する場合、次のような例文が考えられます。
「本日11時からのA社での案件Cのプレゼンで、先方のB部長から、早速来月から商品Dを取り扱いたいとの言質をいただきました。決め手はA社の成長戦略に合っていたからだそうです。」
5W1Hの順番と少し変えてみましたが、こちらの方が自然に聞こえますよね。
ケース②取引先にトラブルを報告する場合
続いても、まずは5W1Hで整理してみましょう。
- When:30分前に
- Where:A工場で
- Who:従業員Bが
- What:製造ラインCが遅延していることを発見
- Why:製造機械Dのシステムに異常が出たため
- How:製造ラインEでの生産を多くしてカバー
これを報告する場合は、次の例文が考えられます。
「今から30分前にA工場の製造ラインCが、機械Dのシステム異常が原因で遅延しているのを弊社の従業員が発見しました。しかし、すぐに製造ラインEの生産を増産しましたので、納期に問題はありません。」
このような感じでしょうか。ここでも5W1Hの順番を変えてみました。より自然な内容になるようにすると、より良く伝わります。
Part 5: 5W2Hや7W2Hとの違い
5W1Hにはバリエーションがあることをご存知でしょうか。WやHを追加して、整理する項目を増やすのです。こうすることで、アイデアをより詳細に書き出すことが可能となるのです。例えば、次のようなものがあります。
5W1Hに「How much/many」を加えたものが5W2Hです。「いくら」という金額や数量を問う要素を追加して、より客観的に整理できるようになります。
7W2Hは、上の5W2Hにさらに「Which」と「Whom」を加えたものとなります。「Which」は「どちら」という意味で、選択肢がある場合に選び出す要素を追加できます。また、「Whom」は「誰に」などの意味があり、対象を具体的に示すのに使えます。
まとめ
今回は5W1Hについて、その意味や使い方をメインに紹介してまいりました。このフレームワークに沿って情報を整理すれば、コミュニケーションが円滑になるはずです。特にビジネスの場に非常に有効ですので、ぜひ積極的に使えるようになりましょう。
5W1H、5W2H、7W2Hなど、目に見えないものをよりよく理解するための可視化には、5W1Hに加え、社会人に必要な各種フレームや資料、図表の作成をサポートするEdrawMaxがおすすめです。