電気回路図 知識

ラダー図とは?読み方と書き方を紹介

「ラダー図」は勉強を始めたばかりの方にとっては、聞き慣れない言葉です。そのため、概念や使い方に戸惑うことがあります。ラダー図はPLCプログラムを視覚的に表現するための図で、多くの業界で使用されています。

本記事では、ラダー図の基本的な定義から、具体的な読み方や書き方までを詳しく解説します。理解を深めることで、シーケンス制御の設計やトラブルシューティングがスムーズに行えるようになります。ラダー図の基礎を学んで正しく理解し、勉強や実務に役立てましょう。

1.  ラダー図とは?

ラダー図は、電気制御を学習するには欠かせない図面です。ここでは、基本的な概念とどのような場面で使用されるかについて、詳しく説明します。

1.1 ラダー図とはシーケンス制御を表した図

ラダー図とは、主にPLCのプログラムを視覚的に表現するための図です。電気回路図に似た形式で描かれ左右の垂直線が電源を示し、その間に挟まれた水平線がリレーやスイッチ、その他の制御要素を表します。ラダー図により、シーケンス制御のロジックを理解しやすくなります。

ラダー図の特徴は、電気回路図のような見た目とその中に含まれる要素が実際の機械やプロセスの動作を反映していることです。たとえばスイッチがオンになると、ラダー図上のリレーが作動し次のステップに進むという流れです。

ラダー図はシーケンス制御の設計や解析において非常に有用であり、電気回路図と同様に直感的に理解できます。

1.2 PLCを用いたシーケンス制御が多い

PLCは機械の制御に使われる制御装置であり、ラダー図を使って制御プロセスの動作を表します。ラダー図は電気回路図に似た直感的な図面であり、エンジニアが複雑な制御システムを効率的に設計・修正可能です。

たとえば、生産ラインの自動化や設備の運転管理がラダー図を用いることで容易に把握でき、トラブルシューティングやメンテナンスも迅速に行えます。

1.3 ラダー図で制御の流れを把握できる

ラダー図は、制御システムの動作を視覚的に表現するためのツールであり、特にシーケンス制御の理解に優れた方法です。電源から出発し、各種の入力・出力デバイスを通じて動作を順次追っていく形で描かれます。これにより、エンジニアや技術者はシステムの動作フローを直感的に把握しやすくなります。

たとえばラダー図上の各ステップを追うことで、どのタイミングでスイッチが入るか、リレーが作動するかなど制御の流れを明確に理解できます。視覚的に理解しやすく、システムの設計やトラブルシューティングを効率的に行うための強力なツールです。

ラダー図を使用することで異なる工程や装置間の相互作用も容易に確認できるため、複雑なシーケンス制御の全体像を把握するのに役立ちます。

2.  ラダー図の読み方

ラダー図では、良く使用する記号があります。ラダー図を正しく読んで把握するには、記号や注意点を知る必要があります。詳しく見ていきましょう。

2.1 よく使う記号や凡例

ここではよく使う、以下の記号を説明します。

  • a接点
  • b接点
  • コイル
  • END命令
  • リセットコイル
  • セットコイル

a接点は、以下の記号で表します。

a接点

a接点は、通常時に開いている接点です。スイッチがオンになると閉じて電流が流れます。ノーマルオープンやメーク接点などと呼ばれることがあります。

b接点は、以下の記号で表します。

b接点

b接点は、通常時に閉じている接点です。スイッチがオンになると開いて電流を遮断します。ノーマルクローズやブレイク接点などと呼ばれることがあります。

コイルは、以下の記号で表します。

コイル

コイルは、リレーを作動させるための部品です。通電するとリレーを動かし、リレー接点を開閉します。

END命令は、以下の記号で表します。

END命令

END命令はシーケンスの終了を示すため、図面の最後の行に使用されます。END命令があることで、ラダー図はプログラムであることがわかります。

リセットコイルは、以下の記号で表します。

リセットコイル

リセットコイルは、特定の状態をリセットするために使用されます。通電すると、リセットされる回路の状態を初期化します。

セットコイルは、以下の記号で表します。

セットコイル

セットコイルは、特定の状態をセットするために使用されます。通電すると、回路の特定の状態を維持します。

2.2 ラダー図の読み方

ラダー図を読む基本は、上から下、左から右に向かって進むことです。電源ラインが左側に配置され、右側には機器や出力デバイスが描かれます。ラダー図で使われる主要な記号とその役割を説明します。

Xはスイッチやセンサなどの入力デバイスです。外部の物理的な状態を検出してPLCに信号を送ります。「X001」などと表記します。

Yはランプやモーターなどの出力デバイスです。PLCが制御信号を送ることで動作します。「Y001」などと表記します。

Tはタイマーを表し、一定時間が経過した後に動作する機能です。遅延動作やタイミング制御に使用されます。「T1」などと表記します。

その他、ラダー図にはキープ(K)やカウンター(C)などの多くの記号が存在します。キープは入力があったら状態を継続し、カウンターは特定の回数に達した時に動作する機能を持ちます。

2.3 ラダー図を読む際に注意すること

ラダー図を正確に読み解くためには、以下のポイントに注意することが重要です。

  • 接点の状態
  • シーケンスの流れ
  • 全体の文脈

接点の状態は、ノーマルオープン(NO)やノーマルクローズ(NC)などの状態です。各接点がどの状態にあるかを理解することで、回路がどのように動作するかを予測できます。

ラダー図のフローがどのような順序で進んでいるか、シーケンスの流れを確認します。接点やコイルの接続を見直し、誤った接続がないように注意しましょう。

全体の文脈として、ラダー図全体を俯瞰し各部分がどのように連携して動作するかが重要です。部分的な動作だけでなく、全体のシステムとしての機能を把握しなくてはいけません。

3.  ラダー図の書き方とルール

技術者を目指す方や電気系の資格を目指す方は、ラダー図を正しく書けることが求められます。ここでは、書き方のルールや注意する点を解説します。

3.1 ラダー図の書き方

具体的にラダー図を書く手順を解説します。

左端に垂直なラインを2本引き、電源線を書きます

左端に垂直なラインを2本引き、電源線を書きます。

接点やスイッチなどの入力デバイスを左側に配置します

次に、接点やスイッチなどの入力デバイスを左側に配置します。

動作するリレーやランプなどの出力デバイスを配置します

入力に対して動作するリレーやランプなどの出力デバイスを配置します。

入力に対する出力が作動する条件を、入力デバイスと出力デバイスの間に配置します

入力に対する出力が作動する条件を、入力デバイスと出力デバイスの間に配置します。

機能や番号を明示します

入力デバイスと出力デバイスを水平線で接続し、制御の流れの接線を記入します。各デバイスにラベルを付け、機能や番号を明示します。

3.2 ラダー図を書く際に注意すること

ラダー図を書く際には、いくつかの重要なポイントに注意しましょう。まず、図が複雑になりすぎないようにシンプルさを保つことが大切です。誰にでもわかりやすくするために、業界標準の記号を使用しましょう。

作成したラダー図は、制御の流れが論理的で不整合がないことを確認します。必要なコメントや説明を追加し、全体の制御を明確に伝えます。

4.  ラダー図作成フリーソフト——EdrawMax

読みやすいラダー図を作成するには、操作性に優れた扱いやすい図面作成ソフトを利用しましょう。ここでは、EdrawMaxについて解説します。

4.1 Edrawmaxの特徴

EdrawMaxには、以下の特徴があります。

  • 豊富なテンプレートとシンボル
  • 直感的に操作できる
  • 高いカスタマイズ性

EdrawMaxは、初期状態からラダー図に必要なシンボルやテンプレートが豊富に用意されています。ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、複雑な回路図もスムーズに作成できます。カラーやフォント、レイアウトなどを自由に変更し、誰でも見やすくカスタマイズ可能です。

4.2 Edrawmaxでラダー図を作成するメリット

EdrawMaxは図面作成に特化しており、ラダー図を作成する時間効率のメリットがあります。

直感的な操作により迅速にラダー図を作成できるため、作業効率が大幅に向上します。テンプレートやプレインストールのシンボルは高品質の図面を簡単に作成できます。さらに、クラウド機能を活用して、チームメンバーとリアルタイムで共同作業が可能です。操作はマウスのみで行えるため、初心者でも簡単に使い始められます。

4.3 Edrawmaxをおすすめする人

EdrawMaxはエンジニアや技術者、学生に特におすすめです。

エンジニアや技術者は、複雑な制御のラダー図を取り扱うことが多く、作成に時間がかからないように操作性に優れたソフトを使用しなくてはいけません。学生は、学習用のラダー図を簡単に作成する必要があります。

EdrawMaxはラダー図作成の時間を短縮でき、操作に慣れていない人からプロフェッショナルまで使いやすい図面作成ソフトです。

5.  ラダー図の活用事例まとめ

ラダー図の参考にしたサイト:https://blog.rittal.jp/1284/

ここでは、先程作成したラダー図の動作を確認します。

ラダー図の活用事例

このラダー図はインターロック回路であり、同時に動作しないように制御されたプログラムです。たとえば、昇降装置の上昇ボタンと下降ボタン、ラジコンの前進と後退のように同時に操作できないようにします。

X1スイッチを押した時にM1が作動し自己保持回路を開始します。その時の条件として、M2スイッチとX5ボタンがオフしていることです。X1ボタンを押すと、Y11赤ランプが点灯します。

X2スイッチを押すと、M2が作動し自己保持回路を開始します。この時の条件は、M1スイッチとX5スイッチがオフしていることです。X2ボタンを押すと、Y12の赤ランプが点灯します。

X5は停止ボタンの役割であり、X1またはX2がオンの状態をオフにしてランプを消灯します。

6.  まとめ

ラダー図は、主にPLCのプログラムを視覚的に表現するための図で、電気回路図に似た形式で描かれます。シーケンス制御の設計や解析において非常に有用であり、エンジニアや技術者が複雑な制御システムを効率的に理解しやすくなります。

ラダー図を読む際には、接点の状態やシーケンスの流れ、全体の文脈を注意深く確認することが重要です。ラダー図を書く際は、シンプルさを保ち、標準記号を使用し、論理的なフローを維持することが求められます。

EdrawMaxは、豊富なテンプレートとシンボル、直感的な操作、高いカスタマイズ性により、効率的に高品質なラダー図を作成できるツールです。エンジニアや学生に特におすすめで、共同作業も容易に行えます。ラダー図を作成するなら、無料で使えるEdrawMaxをダウンロードして、その使いやすさを体験してみてください。

関連記事