スケジュール管理と聞けば、遠くの目標に向かって重たい体をなんとか動かすというイメージはありませんか。PERT図はそのような先の見えないように感じるイメージを覆すツールです。新しいイメージに変えるには綿密な洗い出しの作業を必要としますが、自分では気づけなかった余暇の時間を発見できる可能性も秘めているのです。自分のスケジュール管理を共有することで順序と関係性を知り重要なプロジェクトであっても仕事に追われることはなくなります。今回は、管理と評価を同時にできるPERT図の書き方についてご紹介いたします。
- 目次 -
1: PERT図とは
1.1 定義
PERT図とはProgram Evaluation and Review Techniqueの頭文字を表したものでプログラム・マネジメントのモデルツールの一つになります。業務の流れや所要時間を図式化し業務を完遂するまでを図式化する進捗管理方法です。
1.2 メリット
【最遅完了時間設定による優先順位把握】
PERT図で進捗管理を行うメリットには大きく3点の長所があります。1つ目は、複数の作業を同時進行しなければならない時、制約のある中で業務全体のプロジェクトを遅れなく遂行する必要があります。そのため、遅れが生じないようにそれぞれの業務の最遅完了時刻を設定することにあります。この最遅完了時刻を設定することで、どの業務あるいはその工程が重要であるのかを知ることができるのもPERT図を作成する上で1つ目のメリットになります。
【全体スケジュールを俯瞰しながら評価できる】
この1つ目メリットである最遅完了時刻を設定することに合わせて、どのような業務・工程があるのかを詳細にしながらプロジェクト全体を俯瞰することができかつ、評価することができるのが2つ目の長所に上げられます。評価を同時にできることで時間の可動域を改めて考えることができるのです。
【共有による役割・立場把握】
3つ目としては、プロオジェクトメンバー内でPERT図を共有することにより、自分役割を理解することができます。そのことにより、問題が生じた場合そのプロジェクト内のどの人に何を聞けばいいのかを明確にすることもでき、メンバー間でスムーズにプロジェクト進行をすることができるのもメリットになります。
1.3 要素
【ネットワーク(PERT図)】
メットワークとは下記する要素を組み合わせらプロジェクト全体の工程を表した図のことを指します。PERT図と言えばこのネットワークを指しているのがほとんどです。
【イベント】
イベントとは上図ネットワークの中で赤丸の中に数字を記したオブジェクトのことを指します。始まりには「組立開始」終わりには「設計完了」と記す場合もあります。
【アクティビティ】
アクティビティとは実際の作業内容を表記する矢印のことを指します。通常であれば、矢印の近くに作業名と必要な時間(と工数)が記されています。
【ダミー】
ダミーとはイベントやアクティビティの相互関係を指します。矢印元のイベントの状態にならなければ矢印先の作業をすすめられないことを示します。上図の例でいえば、イベント6の状態になるまではイベント7が次の作業に移れないことを意味しています。以上の3要素がPERT図を構成する要素になっています。
この要素をプロジェクト間で共有する時にPERT図特有の単語が出てきます。その単語4つをご紹介いたします。それは、「最早開始時刻」「最遅完了時刻」「余裕時間」「クリティカルパス」です。詳細は上図をご覧ください。
1.4 種類
PERT図には大きく2種類の図式があります。どちらも必要な要素は同じですが、作業順序に重きを置く場合はアロー型を使用しますが作業内容の詳細が多い場合はフロー型で表しましょう。
2: PERT図作成ステップ
STEP1 PERT図に起こすプロセス粒度を合わせよう
最初に、PERT図に起こすプロセスの粒度をイベント毎に合わせましょう。プロジェクトに関わる部門毎の大目標なのかそれとも工程レベルなのかを決めておきましょう。
STEP2 工程を洗い出そう
STEP1で決定した粒度に対する工程を把握します。工程とそれにかかる時間を書き出しましょう。
STEP3 工程の流れを整理しよう
それぞれのイベントの流れを整理します。発生するイベントの流れを矢印やダミーで結びましょう。アロー型であればその矢印部分に作業内容とそれにかかる時間を書き込みます。
STEP4 最早開始早時刻を出そう
次に、イベントに取り組むことのできる時間を計算します。基本的には左のイベントから右のイベントの時間を足していきます。
STEP5 最遅完了時刻を出そう
そして、基本的に右のイベントから左のイベントの時間を引くことで最遅完了時刻を出しましょう。それによって、その工程にかけることのできる時間がわかります。
STEP6 余裕時間を出そう
最遅完了時刻から最早開始時刻を引くことで余裕時間を知ることができます。余裕時間を知ることでその時間の使い方の幅が広がります。つまり、その時間待つこともできますし、他工程に合わせて適せつな作業開始時刻を求めたり、他の作業時間に充てることもできるということです。
STEP7 クリティカルパスを知ろう
以上でPERT図が作成できたことになります。そこで図をみると余裕時間が0の経路ができていることに注目します。この経路は遅れることのできないつまり、この経路が遅れるとネッワーク全体の遅延につながる重要な経路になります。これをクリティカルパスと呼びます。
3: PERT図のポイント
POINT1 業務可視化と評価を同時にできる
PERT図の重要なポイントは進捗の共有による順序と関係の把握だけでなく評価も同時にできる部分です。つまり、余裕時間を出すことで今までできなかったことができる可能性がでてきます。具体的に言えば、余裕時間0経路のクリティカルパスを知ることでそれが軸になることを理解し、その時間の中での工程について余裕時間を把握し、自分の知れなかった時間があることを発見することもできるのです。
POINT2 工程の見落としと時間の見積もりは正確に
POINT1の時間把握改善を行うためにも工程の見落としと時間の見積もりは丁寧にしなければなりません。そしてその工程同氏の順序と関係性も誤りがないことを確認しましょう。
4: まとめ
今回はEdrawMaxの豊富なテンプレートを例にあげながらPERT図の書き方ついてご紹介してまいりました。PERT図の長所はスケジュール管理を自分だけでなくチームで行いその順序と関係性を知れるだけでなく、自分が関わる時間と関係性を知ることで自分時間の可動域が広げられるとい改善の余地を評価できる優れたスケジュール管理方法です。EdrawMaxではデザインが豊富なテンプレートが多く用意されており、PERT図の長所と書き方さえ理解すれば高度な時間管理をハイセンスなデザインで可視化することができるツールになっています。ぜひ、PERT図を作成にはEdrawMaxをお使い下さい。