アイデアや情報を視覚的に整理するイメージマップは、自由に想像を広げたり関連情報の全容を把握したりするのに役立つツールです。
本記事では、イメージマップの概要から3つの作成方法まで解説します。
1.イメージマップとは?
イメージマップとは、情報やアイデアを視覚的に整理し表現するための図です。あるキーワードから連想するイメージや知識をつないで図式化するもので、思考・知識を整理するツールとして主に教育現場でよく使用されます。
イメージマップの長所と短所は、主に以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
長所 |
①空間的な配置と線でつながりを表現するため、関係性が一目で分かる。 ②自由な配置と連想が可能なため、新しいアイデアが生まれやすい。 ③視覚的要素と空間的配置が記憶を助けるため、情報が頭に残りやすい。 ④図形やイラストを使用し、階層構造で表現できるため、複雑な情報も分かりやすく整理できる。 ⑤自由な形式で表現できるため、固定観念にとらわれない発想が生まれやすい。 |
短所 |
①大規模なマップになるとバランスのよい配置が難しい。 ②情報量が増えると全体の把握が難しくなる。 ③作成者の主観に基づいて作成されているため、他者が見たときに情報が正確に伝わらない場合がある。 |
ここまでの解説で、「マインドマップとどう違うのか?」と思った方もいるのではないでしょうか。マインドマップとイメージマップには多くの共通点があり、明確な境界線があるわけではありません。
しかしイメージマップはマインドマップと比較して以下の特徴を持ちます。
- 必ずしも中心から放射状である必要はなく、マインドマップの放射状構造よりも自由度が高い
- マインドマップより直感的な情報の配置が可能で、子どもでも活用しやすい
- マインドマップは情報整理や記憶力向上に重点を置く一方、イメージマップはアイデアの拡散や思考の広がりを主な目的として使用される
両者は「キーワードを用いて視覚的に情報を整理するツール」という点で共通していますが、その構造や主な使用目的に細かい違いがあります。
2.使われる目的と場面
イメージマップは以下のような目的や場面でよく活用されます。
- ブレインストーミング:アイデアの発想と整理
- 学習と教育:複雑な概念の理解と記憶、授業・講義の内容整理
- プレゼンテーション:情報を視覚的に提示
- 問題解決:問題を解決に導くための構造化と整理
- 戦略立案:ビジネス戦略や計画の立案と共有
- 個人の行動目標の設定:ライフプランニングや自己分析
このように、イメージマップは直感的に理解しやすい形で表現し、複雑な情報を整理・伝達したい場面で有効です。
3.イメージマップの作り方
次に、イメージマップを作成する基本的なステップについて紹介します。
ステップ | 詳細内容 |
---|---|
1. テーマの設定 |
①紙の中央または画面上に、主要なテーマを配置する。 ②必ずしも中心である必要はなく、自由に配置してよい。 |
2. 関連要素の追加 |
①テーマに関連する要素を自由な位置に配置する。 ②マインドマップのような放射状構造にこだわる必要はない。 |
3. 視覚的表現の活用 |
①テキストだけでなく、イラスト、写真、図形などを積極的に使用する。 ②色彩や大きさを変えて、情報の重要度や関連性を表現する。 |
4. 関係性の表現 |
①要素間の関係を、線や矢印、グループ化などで自由に表現する。 ②階層構造にこだわらず、複数の要素が相互に結びついたネットワーク状など自由な形で関係性を示す。 |
5. 自由な発想 |
①固定的な規則にとらわれず、直感的にイメージを広げていく。 ②必要に応じてメモや注釈を加える。 |
6. 全体の調整 |
①作成したイメージマップを見直し、全体のバランスを整える。 ②必要に応じて要素の追加・配置変更を行う。 |
これらの手順は、紙と筆記用具を使用する場合でも、デジタルツールを使用する場合でも同じです。手書きなら誰でも自由にイメージマップを作成できますが、デジタルツールを使用すれば紙の制限もなく、要素の追加や変更も容易に行えます。
4.イメージマップの事例・テンプレート2選
次に、実際のイメージマップの使用例についてテンプレートを元に見てみましょう。
<タイムカプセル-PC-1695660777>
このテンプレートは、タイムカプセルに関連するさまざまな要素を書き出した情報整理を目的としたイメージマップです。主に自分の思考や情報を自由に書き出し整理するために使用されています。
<中学物理>
このテンプレートは、中学物理で学ぶ項目と主要なポイント・キーワードをまとめたイメージマップです。教える側の概要整理とともに、関連した図も多く使用され教わる側にも概要を把握しやすいイメージマップです。
5.イメージマップの作成ツール3選
イメージマップを作成できるツールは数多くあります。最後に専用ツール、汎用ソフト、コードベースをそれぞれ使ったイメージマップの簡単な作成方法について解説します。
5.1 専用ツール:EdrawMind
「EdrawMind」は、世界で2,500万以上のユーザーに利用されているマインドマップやイメージマップの作成に特化したソフトウェアです。直感的なインターフェースと豊富な機能で誰でも簡単に作図できます。
<作成方法>
①「作成」から「ローカルマインドマップ」を選択
②中心テーマを入力
③Enterキー(同階層)・Tabキー(下位階層)で要素を追加
④レイアウトを変更
EdrawMindでは、豊富なパターンからワンクリックでレイアウトを変更できます。
⑤テーマやクリップアートで装飾
EdrawMindの「ページスタイル」メニューからは背景やテーマのデザインも簡単に変更できます。
5.2 汎用ソフト:OfficeソフトのSmartArt機能
Microsoft OfficeのSmartArt機能を使用すると、ExcelやPowerPointなどの馴染みのあるソフトでイメージマップのような用途の階層構造を作成できます。
<作成方法>
①「挿入」タブ→「SmartArt」→「階層構造」から適切なレイアウトを選択
②中心テーマとサブトピックを入力
SmartArtでは、図形の横から「テキストウィンドウ」を開いて入力すると簡単です。
③「SmartArtのデザイン」タブからスタイルやカラーを調整
SmartArtは普段使っているOfficeソフトで作成できるメリットがあります。しかしマインドマップやイメージマップにあたるテンプレートはないため、自由度が少なく自由な発想で作成する図にはあまり向いていません。
5.3 コードから作成:NotionでMermaid記法
文章や情報を管理できるツール「Notion」でマインドマップを作成し、図を追加してイメージマップとして表現する方法もあります。「Mermaid記法」を使用するとコードベースでイメージマップを作成できるため、テキストエディタの感覚で視覚的な図を生成可能です。
<作成方法>
①Notionの新規作成ページに「/mermaid」と入力し、Mermaid記法のコードブロックを設定
②イメージマップを作成する以下のコードを入力
コードを入力すると即座にイメージマップが作図されます。コードの記入方法が独特ですが、わからなくても「ChatGPT」のようなAIに「Mermaid記法で書いて」とプロンプトで追加指示すればコードが自動生成されるので、コピー&ペーストで作成できます。
Notionを使用するとほかのドキュメントやタスクと一元管理できる点は便利ですが、画像やイラストの追加が難しいのと、作成した図の編集ができないのが難点です。
まとめ
イメージマップは、情報整理やアイデア創出に効果的なビジュアルツールです。本文では3つの作成方法を紹介しましたが、ExcelのSmartArtやNotionのMermaid記法では、自由度の高さが特徴のイメージマップの作成には制限があります。
一方、EdrawMindは「編集しやすさ」「デザインの自由度の高さ」「イラストや画像追加の容易さ」の3つの要素により手軽にイメージマップが作れます。
イメージマップで柔軟なアイデアや情報を自由に視覚化し活用したい方は、EdrawMindを無料でダウンロードしてその多彩な機能をぜひお試しください。