電気回路図 知識

4路スイッチとは?結線方法、配線図の書き方を紹介

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編集者: Edraw

建築付帯の電気工事図面などで、4路スイッチという言葉が出てくることがあります。照明回路等に広く使用されるスイッチで、電気回路を理解するうえで必須となる回路素子です。本記事では、4路スイッチの基本構造の説明に加え、記載方法などのポイントについてわかりやすく解説します。

1.4路スイッチとは?基本概念を解説

4路スイッチを図面に反映する方法(記号)

1.1 4路スイッチの定義と使用場面

4路スイッチは、複数の場所から同じ照明をON・OFFできるようにするスイッチです。

3路スイッチと組み合わせて使用します。照明のオン・オフを2箇所から操作するために使う3路スイッチにもう1つのスイッチを加え、3つ以上の場所から照明をON・OFFできるようにするのが4路スイッチです。広い部屋や長い廊下、階段の両端にスイッチを設置して、どこからでも照明を操作できるようにするために利用されます。

1.1 4路スイッチの仕組み

4路スイッチは接点とバネなどから構成される仕組みです。

電気の経路には接点部品が設置されます。接点は抵抗の低い金や銀などの材質で構成され、物理的に接触することで電気の導通・遮断を制御します。4路スイッチの内部には4つの接点があり、これらの接点がスイッチ操作されることで切り替わり、電流の経路を変更します。

接点切り替えはスイッチ内部のスプリングの力で実施されます。スプリングはスイッチが一定位置に戻るための力を加え、接点がきっちりと接触するようにします。

スイッチを押すとバネが圧縮され、接点が切り替わって電流の流れを変更します。スイッチを離すとバネが元の位置に戻り、接点も再び元に戻ります。このように、バネと接点が連動して照明制御します。

2.4路スイッチと3路スイッチの違い

4路スイッチと3路スイッチの違い

3路スイッチと4路スイッチは、照明などを複数場所から操作するためのスイッチであり、どちらも建屋設備で使用されることが多いですが、その役割と構造には明確な違いがあります。

まず、3路スイッチは、2箇所から1つの照明をオン・オフするために使われるスイッチです。基本的には2つのスイッチが1つの照明を操作する仕組みになっており、これを使うことで、例えば階段の上と下、廊下の両端など、異なる場所から同一の照明を操作できます。3路スイッチには2端子あり、これを利用して照明の電源を切り替えます。

一方、4路スイッチは、3路スイッチをさらに拡張したもので、3路スイッチの間に設置する必要があります。複数の場所から照明を操作できるようにする中継スイッチです。4路スイッチは、基本的には3路スイッチの中間に位置し、3路スイッチ同士をつなげる役割を持つスイッチ素子です。4路スイッチを追加することで、3つ以上の場所から照明を操作することができるようになります。長い廊下や広い部屋、複数の階にわたる照明を操作するために使用されます。

  3路スイッチ 4路スイッチ
構造 2つのスイッチが1つの照明を操作する 3路スイッチをさらに拡張したもので、3路スイッチの間に設置する必要があります。
役割 階段の上と下、廊下の両端など、異なる場所から同一の照明を操作できます。 長い廊下や広い部屋、複数の階にわたる照明を操作するために使用されます。

3.4路スイッチの結線方法

4路スイッチを結線する際は、配線の被覆を剥いて接続します。その際、スイッチの種類に応じて結線方法が異なります。以下は代表的な結線方法の種類です。

3.1 スクリューレス端子

スクリューレス端子の例

スクリューレス端子の例(AI生成)

スクリューレス端子は配線を端子に差し込むだけで接続する端子です。一般的な4路スイッチにはスクリューレス端子が使用されます。特に建屋の照明回路用のケーブルにはVVFケーブル(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable)を使用されることが多いため、被覆を剥くとそのまま差し込んで使用できます。

内部にスプリング機構が組み込まれており、配線を差し込むとスプリングが圧力をかけて固定します。このため、作業が非常に簡単で、配線作業のスピードも速い点が特徴です。特に、配線を繰り返し行う必要がある照明回路で、圧着工具などを使用せずに迅速に接続を行うことができます。

また、スクリューレス端子は、ねじで締め付ける必要がないため、締め過ぎや緩みを気にすることなく接続が可能です。ただし、配線の太さや材質によっては固定力が不足する場合もあるため注意が必要です。

3.2 ネジ式端子

ネジ式端子の例

ネジ式端子の例(AI生成)

ねじ式端子は配線端末に端子処理を施し、ねじを使って固定する端子です。ネジを締めることで配線をしっかりと固定できるため、接続の堅牢性が非常に高いという特徴があります。したがって、アメリカンスイッチや大容量スイッチなど、高い電流が流れる配線で使用されることが多いです。また、振動や衝撃が加わる環境においても、ねじ式端子の方が安定して接続できます。配線の取り外しや交換も容易で、接続が緩んだ場合でも再調整が容易に行えるため、メンテナンスが比較的簡単な点も特徴の一つです。

ただし、ねじ式端子を接続する際には、端末を整える必要があります。一般的なより配線の場合は圧着端子で配線端末を処理します。VVFなどの場合は端末をかぎ状に曲げて加工することが多いです。

作業には工具が必要となり、ねじを締める際には適切な締め付け力で実施することが重要です。締めすぎると配線や端子が損傷する可能性があり、緩めすぎると接続が不安定となり危険です。また、作業速度もスクリューレス端子の場合と比べて長くなる傾向があります。

4.4路スイッチの配線図を描く方法

電気工事や建屋設計を実施する際は、4路スイッチを用いた回路図を設計・作図する必要があります。特に建築設計ではあらかじめ図面を作成し、受注者へ承認を得る場合が多いため、プロジェクトの律速となってしまう可能性もあります。

作図の際には、作図ソフトを使用することで作成効率を向上させることができます。作図ソフトには多くの種類が存在しますが、今回は配線図の描き方を、EdrawMaxを使用して説明します。

4.1 電源の設置

電源の設置

まずは電源を選定します。建屋付帯電灯の電源は、単相3線式などが使用されます。したがって、照明回路の電源にはAC100VとAC200Vを使用することが多いです。

電源の選定が完了した後に、電源記号を設置します。4路スイッチを使用する場面は照明回路の作図であることが多いため、AC電源を多く使用します。ただし、非常電源などの限られた場面では、DC電源が使用されることもあります。電気回路図専用ツールではどちらの場合でも、プリセットとして記号が準備されているため便利です。

4.2 3路スイッチの設置

次に、電源に3路スイッチを設置します。電源から伸びる配線の両端に、3路スイッチを挟みこむように設置する必要があります。専用ツールを使用する場合にはコネクタを使用すると、簡単に配線をスイッチや電源記号に接続することができます。これにより、回路の作業性が向上し、作図速度をより迅速にすることが可能です。

3路スイッチの設置

4.3 4路スイッチの設置

3路スイッチの設置が完了した後に、4路スイッチを設置します。4路スイッチは使用場所のレイアウトや広さに応じて設置する数を選定する必要があります。建屋図面等からスイッチの数を拾い上げ、必要な数だけ記号を付与します。4路スイッチを設置した後に、配線を接続します。配線は上記同様にコネクタを使用すると便利です。

4路スイッチの設置

上記手順により、4路スイッチを含む配線図を作図することができます。詳細図面を作成する場合は、電源の種別やスイッチの型式・仕様及び配線の種類を記載することが多いです。

5.おすすめの配線図作成ツールEdrawMax

配線図を描くことができるソフトには多くの種類が存在します。その中でも特に注目したいのがEdrawMaxという図面作成ソフトです。EdrawMaxは効率性に図面を作成できる強力なツールであり、配線図も簡単に作成することが可能です。

まず、EdrawMaxは使いやすいインターフェースであり、初心者からプロフェッショナルまで誰でも簡単に操作できます。豊富な図形ライブラリがあり、ドラッグ&ドロップで配線図を迅速に作成することが可能です。

おすすめの配線図作成ツール

ライブラリの中には、多くの電気回路・制御回路に使用される記号のテンプレートが含まれています。スイッチ記号のみでなく、電源記号や抵抗・ブレーカ記号など、様々な記号のテンプレートが内蔵されています。選択することで簡単に図面に配置することができ、必要に応じて微修正を加えることも可能です。

さらに、完成した配線図をPDF、JPEG、PNG、SVG、Visioなど様々な形式でエクスポートできるため、異なるプラットフォームで共有したり、印刷したりするのが簡単です。また、クラウドベースで作業できるため、チームメンバーとリアルタイムで共同作業が可能です。これにより、プロジェクトの進行中に、すぐにフィードバックや修正を行うことができます。

VSD\DXF\DWG\SVGのインポートをサポートする

最後に、EdrawMaxにはAI機能を内蔵されています。EdrawMaxのAI機能は人工知能を活用して図表作成の効率と精度を向上させる先進的なツールです。

AI機能でイラスト生成

図表のデザインを自動的に美化し、魅力的な外観に整えることもできます。ビジネススタイルやテーマを選択することで、ブランドや個人の好みに合わせたデザインを実現できます。これにより、従来の手動での作図に比べて、分かりやすい図面を作成することができます。ぜひダウンロードして試してみてください。

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