ビジネスダイアグラムの例

Zoom社のSWOT分析

大きな成功を引き起こした要素を明らかに
edraw編集者
編集者: Edraw

SWOT分析は、ビジネスが、企業とその成長に影響を与える多様な要因に関して分析を行う経営ツールです。この分析は、導入したビジネスモデルがうまくいっているかどうかを理解するのに特に効果があります。市場調査とは別に、企業は長期的な可能性を測るために、自社の強みと弱みを認識しておく必要があります。また、外部からの脅威はビジネスを崩壊させる可能性がありますが、逆に、機会はビジネス機能を強化することができます。したがって、Zoom社のSWOT分析は、持続可能なビジネスを構築するために、ブランドに影響を与えた強み、弱み、機会、脅威を評価する上で非常に重要な分析なのです。つまり、SWOT分析を通して、Zoom社をより深く理解することができるようになるということです。Zoom社は近年、デジタル産業のブームにより、その成功の絶頂期を迎えています。さらに、Covid-19により高まったストリーミングプラットフォームの需要にも後押しされています。Zoom社のSWOT分析は、デジタルプラットフォームの急激な成長の要因も理解することができるのです。

Zoom社のSWOT分析を通して、Zoomという企業と、その事業を大成功させた戦略について研究し、同社の創業初期段階での貧弱なパフォーマンスと、その後大きな成功を引き起こした要素を明らかにしていきます。そして今回は、EdrawMaxを使ってSWOT分析図を作成してみました。

Zoom社について

Zoom社の紹介

2011年に設立されたZoomは、元CISCOの副社長であったEric Yuanによって設立されました。当初、彼はSaasbeeというブランド名で自分の会社を立ち上げ、その後Zoomと改名しました。Zoomはビデオコミュニケーションアプリです。オンライン上で運営され、主にシームレスなオンラインコラボレーションやミーティングを実現するデジタルサービスを提供しています。Zoomは、Covid-19の大流行時に、デジタルプラットフォームを通じて日常活動を継続することが必要とされた中で、その分野の頂点にまで上り詰めました。

在宅勤務やリモート授業も、Zoomのようなプラットフォームがあればこそ可能になるのです。今回は、Zoom社のSWOT分析を通じて、同社のビジネスモデルを研究することで、世の中に大きなインパクトを与えるのに有効だった戦略と、見込みのないオペレーションの要因を分析することができます。それでは、同社の背景と、Zoom社の戦略についてご紹介します。

Zoom社の概要

会社名 Zoom Video Communications, Inc.
設立年 2011年
事業分野 デジタル
サービス提供地域 全世界
本社所在地 カリフォルニア州サンノゼ市
創業者 Eric Yuan
売上高(米ドル) 6億2,266万ドル
主な競合他社 Skye Meet Now, Cisco Webex, Google Hangouts Mee, GoToMeeting, Messenger Rooms, Microsoft Teams, Slack, など
従業員数 6,787人

Zoom社の歴史

2011年 Cisco社の副社長であったEric YuanがCisco社を退職し、40人のエンジニアと共にSaasbeeという社名で独立。6月にWebExから300万ドルのシード資金を調達。
2012年 社名をZoomに変更し、ベータ版の提供を開始。最初の顧客としてスタンフォード大学と契約。
2013年 シリーズAラウンドで、Qualcomm ventures社、Yahoo社創業者、WebEx社創業者、元Cisco社 SVP兼法律顧問から600万ドルの資金を調達。Teambox社、Logitech社、Vaddio社、InFocus社といった名だたる企業とのパートナーシップを確立。Horizon ventures社などから650万ドルのシリーズB資金を調達。
2015年- 2016年 Slack社、salesforce社、Skype社とソフトウェア統合。バージョン2.5で最大参加者数を50人に、その後1000人に増やした。RingCentral社の元社長David BermanがZoom社の社長に、Veeva Systems社の創業者、CEOであるPeter Gassnerが取締役に就任した。
2017年 1億米ドルのシリーズD資金を調達し、ユニコーンに認定される。Polycom社、Microsoft Outlook社、Google Calendar社、iCal社との統合を発表。Zoomtopiaが初の年次カンファレンスを開催。Meta社との提携を発表。
2019年 上場企業となる。
2020年代 222万人のユーザーを獲得し、213万回ダウンロードされ、毎日のミーティングは1日3億回まで増加。
2021年 Kites社を買収。

Zoom社のSWOT分析

ZOOM社のSWOT分析の主な目的は、デジタル企業の様々な機能に影響を与える内部要因を引き出すことです。この記事では、同社の強み、弱み、機会、脅威を含む重要なSWOT要因を分析していきます。

Strengths(強み)
  1. ユーザーフレンドリー: Zoomのオンラインコミュニケーションアプリは、その使いやすい機能で人気を博しました。様々な場所で簡単に接続することができるだけでなく、複数の人が異なるデバイスから、アカウント無しでもオンラインミーティングに参加できます。
  2. ニッチな製品: Zoomが登場した当時にも、多数の類似のサービスが市場に出回っていました。しかし、Zoomは、基本的な機能だけでなく、高度な機能も提供したことにより、Zoomサービスをニッチ製品にすることに成功しました。また、Zoom社は、競合サービス・製品の弱点を明確にすることで、その弱点を克服したサービスを提供し、他社との差別化に成功しました。
  3. ユニークな機能: Zoomは、既存の技術を改善し、包括的なソリューションを提供することで顧客からの人気を獲得しました。また、競合他社よりも顧客を惹きつけるような独自の機能や特化した機能を打ち出したこともポイントとなりました。
  4. ブランド名: ZoomがCovid-19の流行時に大きな人気を得ることができたのは、「Zoom」という広く認知されたブランド名だったのが大きな要因でしょう。Zoomに続いて、他社でも多くのオンライン会議アプリが開発されましたが、「Zoom」という有名すぎるブランド名には打ち勝つことはできませんでした。
Weakness(弱み)
  1. 効果のない暗号化: 専門家によると、Zoomがユーザーに提供するエンドツーエンドの暗号化機能は、実際はちゃんと機能していなかったそうです。この事実は、競合他社にとってのOpportunities(機会)となりました。そこでZoom社はこの問題に対処するべく、新しいサービスを導入しました。
  2. 洗練されていない機能: 新機能やユニークな機能を提供することはZoom社の得意とするところですが、より顧客が使いやすいように最適化されたサービスの提供ができていません。例えば、Zoomルームの管理機能がなく、カスタマーエクスペリエンスが低下しています。
  3. セキュリティの問題: 同社は中国のサーバーを使用していますが、中国では、ユーザーデータを追跡されてしまうため、多くの顧客がZoomの使用を止めてしまいました。その結果、競合他社にユーザーを奪われてしまいました。
  4. 動画ダウンロードオプションがない: Zoomでは動画ダウンロードができないので、ユーザーから不満の声が上がっています。
Opportunities(機会)
  1. 需要への対応: 技術の進歩に対応する必要性とは別に、Covid-19のパンデミックは、同社にとって大きなチャンスとなりました。在宅勤務の普及やリモート授業の導入に伴い、オンラインミーティングアプリに対する膨大なニーズが高まり、そのニーズに対して完璧なサービスを提供することができました。
  2. 技術の進歩: Zoom社は、常に革新と改善を繰り返しており、技術の進歩にいつでも対応して成長するための機会として活用してきました。
  3. 多角化: Zoom社はオンラインミーティングサービスのみで大きな収益をあげていますが、ソーシャルメディア市場のような他の分野を開拓する必要があります。
  4. SNSの活用: 現在、ユーザーはTwitterやFacebookなどのSNSアカウントとZoomのアカウントを統合することができます。そのため、Zoom社はこれを、ユーザーベースを拡大する機会として利用することができます。
Threats(脅威)
  1. 高い競争率: Zoom社のオンラインミーティングサービスは、簡単に真似ができてしまうビジネスモデルであるため、多くの競合他社が存在します。すでに、MicrosoftやGoogleのような大企業が運営する類似のサービスが市場に出回っています。競争が激しく、近いうちに収益性を失ってしまう可能性があります。
  2. データ漏洩: 誰もがライブストリームを見ることができるため、ハッキングによるデータ漏洩の可能性があります。自分のプライベートなコンテンツを、多くのユーザーが、許可なくオンラインで見ることができてしまいます。
  3. 有料化に対する抵抗感: Zoomは、ライブストリームの機能を有料で提供しています。多くのSNSフォーマットでは無料で利用できるのに、ライブストリームだけのためにお金を使うことに抵抗があるユーザーは多いかもしれません。
  4. 代替品: 市場には、SkypeやDiscordのような代替アプリがあふれており、Zoomにとって脅威となっています。

ZoomについてのSWOT分析を通して、同社の戦略・立ち位置を理解することができました。最後に、重要なポイントについてご説明します。

Zoom社の SWOT分析図

この記事でご紹介したように、SWOT分析は、企業の強みと弱みを詳細に分析するだけでなく、直面している機会と脅威をも示すため、あらゆる組織の進歩に不可欠な分析メソッドです。この分析を可視化するために、EdrawMaxが提供する描画ツールを利用して、Zoom社SWOT分析図を作成してみましょう。

Zoom社の SWOT分析図

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  • オンラインで接続できるので、どこからでもアクセス可能です。
  • パソコンの容量も取らないので、非常にユーザーフレンドリーなアプリです。
  • 便利な機能を利用するのに、追加料金などは必要ありません。
  • 様々なファイル形式のエクスポートに対応しています。

最後に

Zoomアプリは、デジタルコラボレーションやオンラインミーティングのためのアプリとして、世の中に広く普及しています。この記事では、主にZoom社のSWOT分析を中心に、同社の歴史と概要をご紹介しました。SWOT分析とは、会社の経営状況を知るには最適な経営戦略メソッドです。このSWOT分析を行うことで、Zoom社の成長に影響を与える様々な要因を知ることが出来ました。

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