組織図 How-Tos

プロジェクト体制図とは?書き方を説明【テンプレート付き】

失敗例に合わせてプロジェクト体制図作成のポイント
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編集者: Edraw

あなたはプロジェクト体制図について知っていますか?プロジェクト体制図は、プロジェクトの成功に欠かせない組織構造を明示化するための強力な手段です。この記事では、体制図の作成方法やその有益な側面に焦点を当て、プロジェクトマネージャーがチームを効果的に組織し、調整するための戦略的アプローチを提供します。プロジェクト体制図を理解し、利用することで、プロジェクトの進捗とチームの協力が向上し、成功に寄与することが期待されます。

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1.プロジェクト体制図とは?

プロジェクト体制図は、プロジェクトの 組織構造を視覚的かつ明確に表現するための図表です。この図は、プロジェクト内での異なる役割や責任、関与するチームメンバーの位置づけを示し、組織全体の構造を理解しやすくします。

(注:CはA機能開発とB機能開発のチームリーダーを兼務する)

1.1プロジェクト体制図の目的

プロジェクト体制図の主な目的は、プロジェクト内での組織構造と関連する情報を視覚的かつ分かりやすく表現することです。以下は、プロジェクト体制図の主な目的です:

組織構造の可視化: プロジェクト体制図は、プロジェクト内の異なる部門やポジション、チームメンバーの配置を一目で把握できるようにします。これにより、組織全体の構造が理解しやすくなります。

役割と責任の明確化: 各メンバーの担当範囲や責任が明示されるため、誰が何を担当しているのかが明確になります。これにより、仕事の重複や誤解を減少させ、効率的な業務遂行が可能となります。

チーム協力の促進: チームメンバーが相互に連携しやすくなります。プロジェクト体制図を通じて、コミュニケーションのフローが明確になり、協力関係が強化されます。

プロジェクト透明性の向上: プロジェクト体制図はプロジェクト全体の進捗や課題を理解しやすくし、関係者に透明性を提供します。これにより、プロジェクトの健全性を把握しやすくなります。

意思疎通の改善: チームメンバー、管理層、関係者間での意思疎通が円滑に行われるようになります。プロジェクト体制図は共通の言語を提供し、情報伝達の障害を低減させます。

これらの目的を達成することで、プロジェクト体制図はプロジェクトの成功に寄与し、効果的なプロジェクトマネジメントを支援します。

1.2 プロジェクト体制図の活用シーン

プロジェクト体制図は、さまざまなプロジェクトの段階や状況で活用できます。以下は、その主な活用シーンです:

プロジェクト立ち上げフェーズ:

プロジェクトが始まる初期の段階で、プロジェクト体制図はチームメンバーの配置やリーダーシップの明確な定義を提供し、プロジェクトの基本的な方針を確立します。

新メンバーの導入:

チームに新しいメンバーが参加する際、プロジェクト体制図は組織構造とメンバーの役割を素早く理解させ、スムーズな統合を支援します。

プロジェクト進捗レビュー:

プロジェクトが進行する中で、体制図は進捗や成果の可視化に利用されます。これにより、プロジェクトの健全性や課題の特定が容易になります。

意思決定プロセス:

上級管理層や関係者がプロジェクトに関わる際、体制図は役割や責任を明確に示し、意思決定プロセスをスムーズかつ迅速に進めるのに役立ちます。

リソース管理:

プロジェクト体制図はリソースの配置や活用状況を視覚的に表現するため、リーダーが必要なリソースを適切に配置し、プロジェクトの効率を最適化するのに役立ちます。

チームトレーニング:

チームの新しい構造や変更がある場合、プロジェクト体制図はトレーニングセッションで使用され、メンバーに変更点を理解させます。

プロジェクト終結:

プロジェクト完了時には、最終的なプロジェクト体制図を作成して、プロジェクトの成功と成果を振り返ります。これは次のプロジェクトに向けての学びとなります。

これらの活用シーンにおいて、プロジェクト体制図は効果的なツールとなり、プロジェクトマネージメントの支援に寄与します。

2.プロジェクト体制図の失敗例から学ぶポイント

プロジェクト体制図の作成においては、注意深い計画と正確な情報が必要です。以下は、プロジェクト体制図の失敗例から学ぶべきポイントです。ここでは、失敗例を例にして、正しいプロジェクト体制図を書くための注意点について考えていきましょう。以下のプロジェクト体制図を見てみてください。どの点が改善可能でしょうか?

プロジェクト体制図失敗例

図. プロジェクト体制図の失敗例

2.1 指揮命令系統を一本化すべき

プロジェクト体制図を作成する目的の1つに指揮命令系統の明確化があります。すなわち、誰が誰の命令に従うかが明確になっている必要があります。図2では、開発チーム1と開発チーム2からテストチームに対して線が伸びています。これでは指揮命令系統が2つのルートに分かれてしまいます。具体的な例としては、開発チーム1から「テストを今週いっぱいで終わらせてほしい」と依頼された状態で、開発チーム2からも同様に「テストを今週いっぱいで終わらせてほしい」と依頼を受けた場合、リソースに余裕がある場合を除き、どちらの開発チームからの依頼を優先すればよいか困ってしまいます。このようなことが起こらないように指揮命令系統については一本化されていることが望ましいです。

2.2 曖昧さを避け、役割を明確にする

失敗の一因は、メンバーの役割や責任が不明確なままであることです。プロジェクト体制図では、各メンバーの役割を具体的に定義し、重複や抜け漏れがないようにする必要があります。図2の例で言えば、3つのチームそれぞれについてメンバー名(開発チーム1でいえばB,C,D)しか書かれておらず、メンバーの役割や分担について何も書かれていません。これでは曖昧です。プロジェクト体制図の役割の1つは役割や責任の明確化であるので、体制図を見た場合にパッと、それらのことがわかるようにしておくことが望ましいです。

2.3 必要な記載は省略しないようにする

図2の例で言えば、3つのチームそれぞれについてメンバー名(開発チーム1でいえばB,C,D)しか書かれておらず、開発チーム内の指揮命令系統がどのようになるかが省略されています。これでは誰が誰の命令に従うのか(あるいは報告をするのか)が分かりません。これらの情報も必要な情報なので省略しないで記載しましょう。

2.4 常に最新の情報を反映させる

プロジェクト進行中に組織構造が変わる場合、これを適切に反映できていないと、体制図は実態と乖離し、混乱を招きます。変更があるたびに体制図をアップデートすることが必要です。

2.5 同じ人を複数配置する場合は注意書きをする

開発チーム1と開発チーム2のどちらにもメンバーとしてCがいます。図2のままだとメンバーCが兼務であるのか、体制図の誤記であるのかが分かりません。実際に兼務することはあり得ますので、もし兼務であるならばCは兼務であることを明記すべきです。

上記の注意点を反映したプロジェクト体制図について、次の項で実際にEdrawMaxを利用して作成してみます。

3.プロジェクト体制図の作り方

EdrawMaxは非常に多くの図の作成に対応しています。しかも機能に制限はついていますが、無料でダウンロードできるという点も非常に魅力的です。プロジェクト体制図にも対応しているので簡単につくることができます。

ためしに、作ってみましょう。メニューから新規作成->組織図を選択してください。

プロジェクト体制図の作り方

クリックすると、以下の画面が表示されます。デフォルトで3人が登場する体制図です。

プロジェクト体制図の作り方

メンバーの右側の「+」ボタン(以下の図の赤枠)を押すと、横にメンバーが追加されます。メンバーの下側の「+」ボタン(以下の図の青枠)を押すと下にメンバーが追加されます。

プロジェクト体制図の作り方

理想のプロジェクト体制図の形ができました。前述の修正点が反映されていることを確認して下さい。次に名前等の属性を記入していきます。デフォルトではメンバーには、「名前」「役職」「部門」について記入する欄がありますが、ダブルクリックすると任意の文字列に書き換えることができます(下の図の赤枠)。

プロジェクト体制図の作り方

以下が修正を完了したプロジェクト体制図になります。

プロジェクト体制図の作り方

図3.修正したプロジェクト体制図

作成したプロジェクト体制図は色々な形式でエクスポートしたり電子メールで送信したりすることもできます。以下の例ではメニューの[エクスポートと送信]で画像に変換しようとしているところです。またWeb版EdrawMaxではチーム機能やDropbox連携機能があるため作成済みのプロジェクト体制図をシェアすることがより簡単にできます。

プロジェクト体制図の作り方

まとめ

プロジェクト体制図は効果的なプロジェクトマネジメントを支援するために、不可欠なツールです。プロジェクト体制図は組織構造を視覚的に表現し、プロジェクトの成功に寄与します。プロジェクト体制図の主な目的は、組織構造可視化、役割明確化、チーム協力、透明性向上、意思疎通改善です。プロジェクト進行中の利用シーンも多くあります。失敗例からの学びとして、プロジェクト体制図作成時に注意する点としては、指揮命令系統の一本化、役割の明確化、情報の省略回避、最新情報の反映が挙げられます。

EdrawMaxを使ったプロジェクト体制図の作成手順も紹介しました。EdrawMaxは非常に多くの図の作成に対応しています。しかも機能に制限はついていますが無料でダウンロードできるという点も非常に魅力的です。プロジェクト体制図にも対応しているので簡単につくることができます。作成したプロジェクト体制図は色々な形式でエクスポートしたり電子メールで送信したりすることもできます。また Web版EdrawMaxではチーム機能やDropbox連携機能があるため作成済みのプロジェクト体制図をシェアすることがより簡単にできます。

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