デジタル変革や働き方改革など、企業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。経営者や戦略部門の担当者は、変化に対応しながら明確な経営戦略を打ち出すことが今や欠かせません。優れた経営戦略は、的確な状況分析と精確なマーケティング、そして閃きによって打ち出されます。
当記事では優れた経営戦略の土台として欠かせない、経営戦略フレームワークの使い方を詳しく解説します!
- 目次 -
Part 1: 経営戦略・マーケティング分析とは?
「経営戦略とは何か?」と尋ねられ、正しく回答することはできますか?
経営戦略を策定したり、マーケティング分析をするためにはそれぞれの言葉の意味を正しく理解することが極めて重要です。
1.1 経営戦略とは
上図:EdrawMaxで作成した経営ピラミッド図
経営戦略とは、企業理念や経営ビジョンを達成するための中長期的な戦略方針のことです。
例えば、市場の選択やターゲットの選定を通じたビジネスモデルの構築が経営戦略にあたります。経営戦略は企業によって様々ですが、共通点は企業理念や経営ビジョンに沿った内容であること。理念やビジョンは企業の理想像であり、目指すべき姿です。
当然ですが、どの企業にも理想と現実にギャップは存在しています。
経営戦略を策定することで企業の理想と現実を埋め、あるべき・ありたい姿へと成長していくことができるのです。
経営方針を策定する際は、マーケティング・現状把握・目標設定を通じて精度の高い方針を打ち出しましょう!
1.2 マーケティング分析とは
マーケティング分析とは、さまざまなデータから顧客や市場の状況・ニーズを管理・運用していくことです。
企業の利益を最大化するためには、顧客が「いつ」「何を」「なぜ」求めているかを的確に把握しなければなりません。
的確なニーズ把握には、市場における自社商品の優位性や立ち位置、競合他社の状況、顧客動向などをデータ化し分析していくことがポイントです。
マーケティング分析ができれば、集客・販売・プロモーションを効果的かつ効率的に実践可能で、より多くの利益を生み出すことができるようになります。
経営方針の策定にも、マーケティング分析は欠かせません。
的確なマーケティング分析を行い、効果的な経営方針を策定しましょう!
Part 2: 経営戦略フレームワークを利用する3つのメリット
ビジネスにおけるフレームワークとは、特定の事案の課題を解決するためのボックスです。フレームワークを利用するメリットについてお伝えしていきます!
経営戦略フレームワークのメリット1.現状分析ができる
課題解決には現状分析が欠かせません。
しかし、市場動向や顧客調査など、多くの情報が整理できていなければ正しく現状分析をすることは困難です。
そんな時には、是非フレームワークを利用してください!
フレームワークは様々な事柄を整理しながら網羅的にアウトプットができるため、多くの情報を過不足なく抽出することができます。
情報のアウトプットと分析を分けることにより、精度の高い現状分析が行えることがフレームワークの大きなメリットです。
経営戦略フレームワークのメリット2.行動指針に方向性が生まれる
精度の高い現状分析ができれば、おのずと行動指針も見えてきます。
とは言え、行動指針は複数策定されることがほとんどであり、きちんと整理をしなければ指針の重複や矛盾が生まれがちです。
せっかく行動指針を策定しても、それぞれの指針の方向性が違えば社員は混乱してしまいます。そんな時にもフレームワークの出番。
フレームワークを利用して、複数の行動指針をまとめることで矛盾や重複にも気づくことができます。
それにより、一貫した方向性を持って効果的な行動指針が策定できるでしょう。
経営戦略フレームワークのメリット3.客観的な視点が得られる
経営戦略やマーケティング分析でフレームワークを利用する最も大きなメリットが、客観的な視点が得られることです。
無理がありすぎる目標や現実とかけ離れた指針を出しても、現場の社員や管理者には何も響きませんよね。
無謀な経営戦略の影には、現状分析や行動指針において主観や願望などの感情が入りすぎていることが極めて多いです。
フレームワークを使えば事実やデータから客観的に自社を取り巻く状況を認識できるため、実現性が高く理解が得られやすい経営戦略を打ち出すことが可能です。
EdrawMaxは経営フレームワークを簡単に書けるためのオールインワンのソフトウェアです。EdrawMaxは無料体験可能なので、ぜひ一度ご体感ください!
Part 3: 代表的な経営戦略フレームワークと使い方
それでは、各フレームワークについて詳しく紹介していきます!
各フレームワークには役割や特徴があり、適切なタイミングで使用することで効果を発揮します。
分析•思考:ロジックツリー•3C•4C•SWOT•PEST
意見集約•会議:SWOT•PEST•PPM•バリューチェーン
周知•展開:PDCA•PPM•SWOT
実行:5W1H•PDCA
3.1 5W1H
多くの新入社員が入社後に学ぶ5W1H。
基礎の基礎として広く認知されていますが、経営戦略の策定においても非常に有用です。
5W1Hは上記6つを指し示す言葉であり、活用することで伝えたい情報の趣旨が明確かつ過不足なく伝えられます。
5W1Hはマーケティング分析から経営戦略の策定まで、あらゆる場面で利用できる超高性能フレームワーク。
「経営戦略フレームワーク」と言うにはあまりに基礎的だと思われましたか? 少し極端な例ですが、よくある事例で5W1Hの有用性をご紹介します。
上図:EdrawMaxで作成した5W1Hビジネスプロセス
こちらはとある会社の中期営業戦略です。
書かれている内容は理解できますが、「いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように」実行していくのか、全く伝わってきません。
この資料に、5W1Hを少し書き加えてみます。
上図:EdrawMaxで作成した5W1Hビジネスプロセス
1枚資料ですから、上記でもまだまだ5W1Hは欠けていますが・・・少し具体性が増したように思われませんか?
経営戦略や経営戦術は、計画した本人の頭には入っていても現場で働く従業員には伝わっていないケースを良く目にします。
その多くは、5W1Hが抜けているからです。
上記のような展開資料だけでなく、あらゆるビジネスシーンで5W1Hを再度徹底してみましょう!
3.2 PDCA
上図:EdrawMaxで作成したPDCA分析
PDCAは課題解決や業務遂行力を上げる時、特に役立つフレームワークです。
「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」という4つの基本項目で成り立っており、Act(改善)の後には再びPlan(計画)を行います。
PDCAは正しく実践できれば非常に効果的である一方、継続してPDCAを回し続けるには大きな労力と強い意志が必要。
近年では「社会人の基礎」として若手・中堅社員にPDCAを実践させるケースがよく見受けられますが、PDCAはそんなに簡単なものではありません。
本当にPDCAをうまく回せるビジネスパーソンはほんの一握りであり、PDCAを身につけているならビジネスリーダーとして活躍ができることでしょう。
フレームワークとしては非常にわかりやすく、経営戦略方針では計画実行の道具として利用すれば高い効果が期待できます。(正しく継続できれば、と添えておきます。)
3.3 ロジックツリー
上図:EdrawMaxで作成したロジックツリー
ロジックツリーは課題をツリー上に分解し、論理的に要因分析をしたい時にぴったりのフレームワーク。
一見難しく思える課題や問題も、1つづつ紐解けば簡単な問題の集合体であることは非常に多いです。
ロジックツリーを効果的に使う時には「重複せず、漏れなく各項目を洗い出す」ことが重要な要素になります。
そのため、経営戦略のフレームワークとして利用するなら意見集約を交えながら課題解決に利用することをおすすめします!
3.4 SWOT(スワット)分析
上図:EdrawMaxで作成したSWOT分析
SWOT(スワット)分析は、企業の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)から経営戦略を立案するフレームワーク。
SWOTには、社内・社外のプラスマイナス要素を客観的に把握することができ、現状の理解を深めることができるというメリットがあります。
それぞれのマトリクスを埋めたら、「強み×機会」「弱み×脅威」と掛け合わせることで自ずと取るべき対策や事業戦略が見えてくることでしょう。
SWOT分析が特に有用なシーンとして、戦略方針会議などの資料で利用する方法があります。
現状分析に優れたSWOTを共有することで、参加者の認識を合わせて議論をすることが可能になり、新たなビジネスチャンスや脅威の備えができるでしょう。
3.5 PEST分析
上図:EdrawMaxで作成したPEST分析
PEST分析は、上記の4つの情報から自社の経営戦略・事業戦略を分析します。
PESTは外部環境要因にフォーカスした分析であり、いずれの要因も自社だけで解決できる項目ではありません。
情勢には常に気を配っておかなければ周囲に取り残されてしまい、機会を逃したり大きな問題に発展することが多くありますよね。
その点、PEST分析は現在と未来を比較し、将来を予測することに優れるため新たな機会や課題への気づきに非常に有用な分析手法です。
経営方針では中長期的な視野に基づいた計画が求められるため、計画策定時に利用することで特に大きな効果が見込めます。
PESTで導き出した将来はあくまでも予測であるため、定期的に分析を継続するようにしておきましょう!
3.6 バリューチェーン分析
上図:EdrawMaxで作成したバリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業の付加価値や競争優位の源泉を分析する方法です。
事業活動を9つのカテゴリーに分け、どの役割がどんな付加価値を生み出しているのかを分析します。カテゴリーは主活動・支援活動にさらに分けられ、利益とは「企業が生み出した価値」を表します。
主活動:付加価値を主に生み出しているカテゴリー
支援活動:付加価値へ間接的に寄与するカテゴリー
バリューチェーンを利用すれば「どの役割がどんな付加価値をもたらしているか」を把握することが可能で、自社の持つ付加価値に気づけたり、強化するべきカテゴリーの選定が可能です。
「企業のリソースをどこに注ぐべきか」「付加価値を活かしたターゲティング」などのヒントがバリューチェーンは詰まっており、自社製品の分析から戦略立案まで幅広く利用ができます。
3.7 PPM分析
上図:EdrawMaxで作成したPPM分析
PPMは自社製品や部門を4つの市場ポートフォリオに分け、今後の戦略を分析するフレームワークです。
マーケットの成長率と自社のシェアから、各製品や部門ごとの立ち位置を把握し大まかな方針を決定することに役立ちます。
ポートフォリオごとに、上記のような方針を定めて活用することができます。PPMは不採算部門の整理や、今後の積極投資をしていく事業の見極めに特に有用。
経営戦略方針の策定には、マーケティング分析が終わった後の方針決定で高い効果が見込めるでしょう。
3.8 3C分析
上図:EdrawMaxで作成した3C分析
3Cは「自社(Company)」「競合(Competitor)」「顧客(Customer)」の立場から市場分析をするフレームワークです。
マーケティングでは担当者レベルから部長・役員クラスまで特に有用なフレームワークで、様々な企業において日常的に用いられます。
Company(自社):売上•業績、価値を産む機能などの強み•弱みを把握する
Competitor(競合):競争相手の数や戦略、強み•弱みを把握する
Customer(市場•顧客):市場希望や顧客ニーズ、購買プロセスから市場や潜在顧客を把握する
3C分析で自社を取り巻く状況を整理し、競合への対抗策や潜在的な顧客へアプローチする機会を創出することができます。
3Cで重要な点は、必ず「市場・顧客→競合→自社」の順番で分析を行うことです。
市場・顧客に対する競合の戦略を見極め、それに対する自社の立ち位置や戦略を分析することでより深い理解が得られることでしょう。
3C分析はマーケティングの基本であり、経営戦略方針の策定ではマーケティング分析で高い効果を発揮します。
3.9 4P分析
上図:EdrawMaxで作成した4P分析
4P分析とは、以下の4点に注目して販売戦略の課題を洗い出すツールです。
製品(Prouct):製品の特徴やブランド構築、アフターサービス
価格(Price):販売価格や定価、コスト
流通(Place):流通地域や納期、販売チャネル
販促(Promotion):広告宣伝、人的販売や各種施策
製品の販売に特に重要な4項目に着目することで商品の立ち位置やターゲット層が明確になり、製品販売のストーリーを描くことができます。
4P分析では、4Cも合わせて分析することによってより高い効果を発揮します。
4Cとは、顧客観点で特に重要な4項目に着目し、製品の課題を洗い出すツールです。
顧客が得る価値(Customer Value):顧客のニーズを捉え、価値ある製品になっているか?
顧客が支払うコスト(Customer Cost):価格、顧客側の手間は妥当であるか?
顧客の利便性(Convenience):買いやすい商品であるか?
コミュニケーション(Communication):顧客のニーズに沿った宣伝になっているか?
4Pと4Cは、セットで用いることで更に高い効果を発揮します。
現代のマーケティングは「顧客視点」が欠かせず、企業側の視点である4Pのみで分析をすることは企業本位の製品になる危険性も孕んでいます。
さらに、今後は顧客視点のみならず、社会貢献まで含めた製品開発・販売手法も意識していく動きになりつつあります。
Part 4: 経営戦略•マーケティング分析で重要なフレームワークの効率的な活用術
経営戦略方針の策定やマーケティング分析では、フレームワークが有用であることをご紹介してきました。
ところで、フレームワークそのものを効率的に利用するためにはどうすればいいのでしょうか?
4.1 フレームワークの使用時に注意するべきポイントは?
フレームワークは今やビジネスには欠かせないツールとして、実務レベルで広く活用されています。 便利な反面、フレームワークには以下のような共通の注意点が存在します。
フレームワークを作ることが目的化してしまう
資料がわかりづらく、浸透しない
フレームワーク作りに時間がかかり、作業効率が悪くなる
重要な点は「フレームワークは単なる道具に過ぎない」ということです。
つまり、フレームワークを作ることが目的ではなく、フレームワークを活用して正確なマーケティング分析を行い的確な経営戦略を打ち出すことが本来の目的であることを忘れてはなりません。
しかし、フレームワークの作成に時間がかかってしまうあまり業務負担が増え、結果的に無駄なフレームワークだけが残る・・・というのは非常によくある光景です。
そのため、ビジネスにおけるフレームワークの活用は以下のポイントを重視するべきです。
フレームワーク作成にかける時間は徹底的に削減する
読み手視点でフレームワークを作成する
とは言え、パワーポイントなどのツールではテンプレートの種類も少なく、どうしても作業に時間がかかったり手抜きになってしまうことが実情ですよね。
4.2 作業効率と可視化に優れたエドラマックス(EdrawMax)
そこで、オススメしたい活用方法が作画専門のツールを利用することです。
特にEdrawMax(エドラマックス)は当記事で紹介した経営戦略フレームワークのテンプレートを含め、250以上のビジネス用テンプレートが最初から用意されています。
上記画像のように、同じ分析手法でも様々なテンプレートが用意されているため、それぞれの企業・部署にあったテンプレートを瞬時に作成することが可能です。
実際に、当記事で紹介した分析手法の画像部分は全てEdraw Maxの基礎テンプレートで作成し、それぞれの所要時間は全て3分以下。
Power Pointなどの一般ソフトを利用した場合・・・
•フレームワーク自体の作成に時間がかかり、実際の分析に時間を割けない
•労力がかかった結果見づらい資料になり、効果的なプレゼンや周知展開ができない
•新しい手法を利用する場合、自分で作成すると抜け漏れや誤解を招く資料になる
ビジネス作画ツール「エドラマックス」を利用した場合・・・
•テンプレートが充実しているため、短時間でフレームワーク作成ができる
•分析や方針決定に割ける時間が多く確保でき、効果的な方針が出しやすい
•見やすい資料が作成できるため、周知や展開•プレゼンにもぴったり
Part 5: まとめ
当記事では、経営戦略やマーケティング分析に欠かせない代表的なフレームワークをご紹介しました。
最後に重要な点をまとめます。
経営戦略•マーケティング分析の言葉の意味を理解しよう!
フレームワークはそれぞれの特徴に合った使い方をしよう!
フレームワークの作成にはEdrawMax(エドラマックス)がおすすめ!
効果的にフレームワークを使い、優れたマーケティング分析から他社に差をつける経営戦略を打ち出しましょう!