- 目次 -
Part 1: はじめに
EPC図(イベントフロー図)は業務のプロセスを図に表し可視化し業務フローを分かりやすく示したものです。実際の業務にどのようなメリットがあるのか実際の利用シーンはどのようなものかをご紹介したいと思います。またEPC図の作成ステップやポイントも合わせて実際にEdrawMaxを使いご説明します。
Part 2: EPCについて
① 定義:
EPCとはEngineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の頭文字を取った略称になります。様々な分野で用いられてきたもので、これら3つの業務を一貫して引き受ける業務を表します。
② エレメント:
まずはEngineering(設計)から業務がスタートします。企画を基本に、基本的なシステムの構成を提案しコストの算出をします。詳細設計では 具体的なプロセスや必要な設備の設計などを決定します。
次にProcurement(調達)では予算に合わせてベストな資材や機器を調達し、納期に間に合うよう納入する作業です。調達に関わる資材などの輸送計画など細かい業務も含まれます。
最後にConstruction(建設)でいよいよ施工へと移ります。顧客のニーズに適う品質のもの、また納期までに建設を終了させる能力が求められます。また分野によってはここで試作や試運転など顧客に引き渡す前に試験を行い評価もして最終チェックを行います。
③ メリット:
EPCは設計・調達・建設の全行程を一手に引き受けることです。分離発注に比べると、業務を効率よく進めていくことができます。もし全て別の業者だった場合には、スケジュールの調整などさらに複雑さを増すでしょう。EPCでは同一の業者の中で連携を取り業務を行っていくので、業者間の伝達業務の手間が省けることになり円滑に業務を行うことが期待できるのです。
④ 利用シーン:
様々な分野でこのEPCが利用されていますが、特に最近では「太陽光発電」に導入されていることが多くなってきました。太陽光発電の設置(建設)に業者を利用しない会社もあるようですが、自身で安く資材調達し設置した結果うまくいかずに余計なコストがかかってしまうケースも珍しくありません。実際の使用事例としては2014年に運転を開始した千葉県の日立東金第一・第二太陽光発電所では、日立がEPCを担当し日立キャピタルが運営を手がけました。
Part 3: EPCの作成方法
3.1 作成ステップ
ここからはEdrawMaxを実際に使いEPC作成を説明していきます。
EdrawMaxを起動して「フローチャート」を選択します。白紙のテンプレートを開きます。
左側の「基本フローチャート」からエレメントを選択しドラッグドロップで取り込みます。各エレメントには意味がありますが、カーソルを合わせると名称が表示されるので参考にしてみて下さい。テキストを入れる場合はダブルクリックで追加や変更が可能です。
各エレメントをコネクタでつなぐ方法は2種類あります。下図のようにエレメントをクリックしてカーソルをあてると4方向に矢印が出てきますので、次のエレメントに自動的にコネクタをつなげることができます。
または上部のツールよりコネクタをクリックして、ターゲットのエレメントの赤い十字のマークが出ている部分にあてながら次のエレメントへとつなぎます。
エレメントの追加もツールからだけでなく、エレメントをクリックした後の矢印から選択し追加も可能となっています。またエレメント自体を色分けしても分かりやすい図形になるでしょう。
3.2 作成ポイント
エレメントとなる記号などを使い分けすることがポイントとなります。またその1つ1つのエレメントをフローでつなぐことで、業務全体の流れを可視化できることです。
こちらの例はかなりシンプルなものなので、3つのエレメントを使い分けしてあります。イベントはファンクションが実行されるきっかけとなる事象であり、また実行された後の状態を表します。ファンクションはイベントから発生するタスクやアクションを表します。論理結合子とは記号になりますがイベント及びファンクション、あるいはプロセス間の論理関係を示しています(XOR/AND/OR)。
Part 4: EPC作成ソフトEdrawMaxをお勧め
EdrawMaxでは手間のかかるEPC業務フローを簡単に図形にしてくれるソフトウェアです。エレメントも豊富で分かりやすく、選べる記号も多種多様です。エクセルなどで作成する際に煩わしい作業もサクッと簡単にできるのもポイントです。必要に応じていくらでもカスタマイズできるのはEdrawMaxだけです。
Part 5: おわりに
EPCの基本はあるイベントが発生することによりタスクが課され実行され、さらにまたイベントが発生するというフローが成り立っています。文字にすると難しく聞こえてしまいますが、そのような業務フローを図にすることによりひと目で全体像が把握できます。現在様々な分野でEPCが導入されていますのでEPC図の需要も増えるかと思います。すでに用意されている素材(エレメント)を使い簡単にイベントフロー図を作成できるEdrawMaxを一度是非お試し下さい。