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おススメのUML図作成サイト6選

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編集者: Edraw

昨今のシステム開発において、UML(Unified Modeling Language)は、システムの構造や動作を視覚的に表現するために広く利用されています。UMLのメリットは、開発者だけでなくプロジェクト関係者全体がシステムの内容を正確に理解できることです。しかし、UML図を作成するためのツール選びは、その多様さゆえに一筋縄ではいきません。

そこで今回は、インストール不要で利用できる「UML図作成サイト6選」をご紹介します。オープンソースのエディタから、商用のオンラインソフトまで、さまざまなタイプのツールを取り上げますので、ご自身のニーズに合ったツールを見つける手助けになるはずです。初心者から上級者まで、幅広いユーザーに適した選択肢を提供しますので、ぜひご参考にしてください。

1.UML図を書くツール:デスクトップ版 V.S. オンライン版

UML図を書くには、デスクトップ版ツールとオンライン版ツールのどちらかを選ぶことが一般的です。それぞれの利点と適切な使用シナリオを考慮すると、自分にとって最適なツールがわかるでしょう。デスクトップ版は従来から人気のある方法で、一度インストールすればオフライン環境でも利用できるというメリットがあります。一方、オンライン版ツールはクラウド上で動作し、インストール不要でいつでもどこでも使用することが可能です。

それぞれのメリットとデメリット

デスクトップ版 オンライン版
代表的なツール Microsoft VisioやUMLエディタ EdrawMax Online、diagrams.net
メリット
  • オフライン環境でも利用できる
  • 高度なカスタマイズ機能を持つ
  • 大規模なプロジェクトや複雑なUML図の作成においては、強力なコンピューティングリソースを活用できる
  • インストール不要で手軽に始められる
  • 常に最新の機能やバージョンが利用できる
  • ブラウザさえあればどこからでもアクセス可能で、チームメンバーとの共有やコラボレーションが容易
デメリット
  • インストール作業が必要
  • バージョン管理が面倒
  • 複数のデバイスで作業を行う場合、各デバイスに同じソフトウェアをインストールする手間がかかる
  • インターネット接続が必要
  • クラウドベースのツールは、大規模なプロジェクトにおけるパフォーマンスが十分でない

このように、UML図作成のためのツール選びには、作業環境やプロジェクトの特性に応じた判断が求められます。オフラインでも作業したい場合や、高度なカスタマイズが必要な場合はデスクトップ版を、手軽さや共有機能が重要な場合はオンライン版を選ぶと良いでしょう。

2.UML図作成サイト6選

システム開発者やプロジェクト関係者全体がシステム内容を理解するために役立つUML図を作成するためには、さまざまなオンラインツールが利用できます。ここでは、インストール不要で利用できるUML図作成サイトを6つご紹介します。それぞれのツールの特色や使い方、そして無料機能の範囲について詳しく解説します。

2.1 EdrawMax Online

公式サイト:https://www.edrawmax.com/online/jp/

EdrawMax Onlineは、ブラウザベースで動作し、インストールが不要なオンライン図作成ツールです。ユーザーインターフェースが直感的で操作しやすいため、初心者にも優しいです。

以下は、EdrawMax Onlineを使って簡単なUMLクラス図を作成する手順です。

  1. EdrawMax Onlineの公式サイト(https://www.edrawmax.com/online/jp/)にアクセスし、アカウントを作成またはログインします。
  1. ダッシュボードから「新規作成」ボタンをクリックし、「UML」カテゴリを選択します。

  1. 「UMLクラス図」テンプレートを選択し、編集画面が表示されます。

「UMLクラス図」テンプレートを選択

  1. 画面左側の図形ライブラリからクラス図要素(クラス、属性、メソッドなど)をドラッグ&ドロップで配置します。

クラス図要素(クラス、属性、メソッドなど)をドラッグ&ドロップで配置

  1. 要素を選択して名称やプロパティを設定し、必要に応じて関連性(継承、関連、依存など)を線で繋ぎます。
  1. 完成したUMLクラス図をエクスポート(PDF、PNG、SVGなど)したり、共有リンクを使ってコラボレーションすることもできます。

完成したUMLクラス図をエクスポート

EdrawMaxはデスクトップ版のソフトもありますので、オフライン作業もしたい方は以下のボタンから無料ダウンロードすることができます。

2.2 Lucidchart

UML図作成サイト:Lucidchart

公式サイト: https://www.lucidchart.com/pages/

特徴: Lucidchartは、直感的なドラッグアンドドロップインターフェースを持ち、簡単にUML図を作成できます。リアルタイムコラボレーション機能を備え、複数のユーザーが同時に作業できます。

無料機能: 無料プランでは、3つのドキュメントと60個のオブジェクトまで使用可能です。

UML図作成以外の機能: フローチャート、ネットワーク図、ER図、オーガニゼーションチャートなど多様な図を作成可能です。

おススメの人: チームでのコラボレーションが必要なユーザー、初心者から上級者まで幅広く対応。

2.3 Draw.io (diagrams.net)

UML図作成サイト:Draw.io

公式サイト: https://www.drawio.com/

特徴: 無料で使えるオープンソースのツールで、シンプルなインターフェースが特徴。クラウドストレージやローカルファイルへの保存が可能。

無料機能: 完全無料で全ての機能が利用可能。

UML図作成以外の機能: フローチャート、ネットワーク図、ビジネスプロセスモデリング、マインドマップの作成などが可能。

おススメの人: コストを抑えたい個人ユーザーや小規模なチーム。

2.4 Creately

UML図作成サイトCreately

公式サイト: https://creately.com/

特徴: ビジュアルに優れたインターフェースで、使いやすさが強調されています。リアルタイムコラボレーションとさまざまなテンプレートが利用可能。

無料機能: 無料プランでは、5つのドキュメントと60個のオブジェクトまで使用可能。

UML図作成以外の機能: フローチャート、マインドマップ、ワイヤーフレーム、プロジェクト管理など幅広い図が作成可能です。

おススメの人: プロジェクト管理やチームコラボレーションを重視するユーザー。

2.5 Gliffy

Gliffy

公式サイト: https://www.gliffy.com
特徴: シンプルで直感的なインターフェースを持ち、図の作成が容易です。JIRAやConfluenceなどのツールとの統合も可能。
無料機能: 14日間の無料トライアルが提供されており、その後は有料プランが必要。
UML図作成以外の機能: フローチャート、ネットワーク図、オーガニゼーションチャート、ワイヤーフレームなどが作成可能。
おススメの人: JIRAやConfluenceなどのツールを使っているエンタープライズユーザー。

2.6 Cacoo

Cacoo

公式サイト: https://cacoo.com/ja/
特徴: リアルタイムでのコラボレーション機能が充実しており、複数のユーザーが同時に作業できます。使いやすいテンプレートも多数提供。
無料機能: 無料プランでは、6つの図と数百のアイテムまで使用可能。
UML図作成以外の機能: フローチャート、ネットワーク図、ワイヤーフレーム、スケッチ図など多くの図を作成可能。
おススメの人: チームでのコラボレーションを重視するユーザー。

3.UML図作成サイトを選ぶポイント

UML図作成サイトを選ぶにあたり、いくつかのポイントを押さえておくと、より効率的かつ効果的に利用することができます。以下に、その重要なポイントをご紹介します。

まず、ユーザーインターフェースの使いやすさは重要な要素です。特に初めてUML図を作成する方には、直感的に操作できるインターフェースが必要です。例えば、draw.ioのようなツールはシンプルで使いやすく、多くの人に利用されています。

次に考慮すべきは、機能の充実度です。UML図の種類はシーケンス図、ユースケース図、クラス図、オブジェクト図、アクティビティ図、コンポーネント図、状態遷移図、タイミング図など多数あります。これらすべてに対応しているツールが望ましいです。

また、コラボレーション機能も重要です。特にチームで開発を行う場合、リアルタイムでの共有や編集が可能な機能があると効率的です。Webベースのツールであるdiagrams.net(draw.io)は、複数人での同時作業がしやすく、非常に便利です。

さらに、コストについても考慮する必要があります。多くのツールは無料版が提供されていますが、より高度な機能を利用する場合は有料版が必要となるケースもあります。例えば、EdrawMax Onlineは無料で基本的な機能が使えますが、プレミアム機能を利用するには有料プランが必要です。

最後に、オープンソースの利点についても触れておきましょう。オープンソースのUMLエディタは、カスタマイズが可能で、自分のニーズに合わせて機能を追加できるというメリットがあります。

以上のポイントを踏まえて、自分に合ったUML図作成サイトを選ぶことが重要です。これにより、より効果的にシステム開発やプロジェクト管理を行うことができるでしょう。

まとめ

今回は、インストール不要で利用できる「UML図作成サイト6選」をご紹介しました。各サイトにはそれぞれの特色があり、ユーザーのニーズに応じた選択が可能です。オンラインで手軽にUML図を作成できるため、システム開発者だけでなくプロジェクト関係者全体がUMLの利便性を享受できます。

特に注目すべきなのは、EdrawMax Onlineのような機能豊富なツールです。EdrawMax Onlineは視覚的にUML図を作成でき、初心者にも優しい設計となっています。一方、PlantUMLはテキストベースでのUML図作成が可能で、エディタ不要でUMLを描画できるため、高度なカスタマイズに対応します。

また、diagrams.net(draw.io)などのオープンソースツールも、無料で高度な図を作成したい方にとって強力な選択肢です。これらのツールを利用することで、手軽に非エンジニアのプロジェクト関係者もシステム内容を理解しやすくなります。

UML図を効率的に作成するためには、自分の使用目的やチームのニーズに合致したツールを選ぶことが重要です。今回紹介した「UML図作成サイト6選【インストール不要】」を参考に、最適なツールを見つけてください。その結果、プロジェクトがスムーズに進行し、効果的なシステム開発が実現できるでしょう。

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