レポート、手紙、報告書……私たちは思ったよりたくさんの文章を日々書いています。その反面、小説などは読むばかりで自分が書くことなんて想像もしない人が多いのではないでしょうか。
小説を書くためには、「キャラクター設定」「プロット」の設定に加えて魅力的なストーリーや詳細な場面描写が必要で、何もないところから書くのはこれまで難しいことでした。しかし「ChatGPT」の登場から起きたAIブームにより、今やAIの力で完成に近い文章を生成し、人間が軽く手直しするだけでシチュエーションに合わせた文章が短時間で作成可能です。
一般的な文章だけでなく、AIの学習能力によって小説の生成まで可能になっています。そのクオリティはAIで作った小説が文学賞を取ったことでも話題となりました。
今回は、文章や小説が作成できるツール6つを紹介します。それぞれの特徴がありますので、自分のニーズに合わせて試してみましょう!本記事を読むとAIを活用して小説を作る方法がわかりますのでぜひ参考にしてください。
PART 1 : AI小説・文章作成ツール6選
AIツールを使って実際に小説や文章作りを試してみましょう。ここでは6つのツールについて紹介します。
ツール①:AIのべりすと-小説生成向けに訓練された文章作成AI
AI小説ツールで有名なのが、「AIのべりすと」です。文庫本に換算すると約174万冊分(※重複あり)のコーパス(文章や使い方を収集したデータベース)を持ち、小説生成向けに訓練された文章作成AIです。
使い方は簡単です。(※以下本文中の画像はAIのべりすとより引用)
モードを選び書き出しの文章を入力するだけで、続きの文章を生成してくれます。(青字がAI生成部分)
モードによって文章は変わり、再生成や元に戻すのも可能です。また、禁止ワードやストーリーの前提となる設定の保存など細かい設定もできるのが特徴です。
さらに小説生成に特化しているAIのべりすとではストーリーだけでなく、キャラクターのプロフィール作成も可能です。プロフィールジェネレーターがあり、名前や性別など簡単な設定でキャラクターのプロフィールを作成してくれます。
無料会員や有料会員のランクによって文字の認識量や出力文字数が変わりますが、登録せずに利用もできるのでまずは試してみるのもよいでしょう。作成した文章は商用利用も可能です。
ツール②:EdrawMind-無料お試し・小説/イラスト/記事構成を自動生成するAI
ソフトのダウンロード回数は3,500万回以上、世界中のユーザーが利用するEdrawSoftが提供する「EdrawMind」。EdrawMindはマインドマップソフトですがAI機能「EdrawAI」があり、AI小説や文章も生成可能です。
「記事の生成」モードから、プロンプトを入力すると小説や文章が生成されます。
(文章生成のイメージ)
EdrawMindの特徴は、「AI描画」でイラストも生成できる点です。
(画像生成のイメージ)
プロンプトを入力して画像とスタイルの設定をおこなえば、キャラクターや挿絵の作成も簡単にできます。AI画像生成にはAIトークンが必要ですが、SDサイズの生成に必要なのが1枚50 AIトークンなのに対して50,000 AIトークンで820円~とリーズナブルです。
さらに、EdrawMindのメイン機能であるマインドマップも、小説や記事づくりの際の構成作成に役立ちます。
(EdrawMind作成例:記事の構成)
EdrawMindにはトピックを自由に追加・移動でき、自動的に再配置される「スマートレイアウト機能」、アイデアを自由に出せる「ブレインストーミングモード」があるため、構成のアイデア出しにも便利です。
それだけでなく、リーズナブルに気に入った画像が生成できるEdrawMindならマインドマップと組み合わせれば小説に欠かせない人物相関図も作成可能です。
EdrawMindは無料版と有料版があり、無料版でも500トークン分のAI機能が試せます。マインドマップは無料版でも利用できるので、ぜひ一度試してみてはどうでしょうか。
ツール③:ChatGPT-汎用型AI・小説自動生成も可能
(引用:ChatGPT)
AIブームの火付け役である、アメリカの人工知能研究所「OpenAI」が公開した人工知能チャットボット「ChatGPT」。もちろんChatGPTも文章だけでなくAI小説を書くことが可能です。
ChatGPTによると、AI小説の書き方のポイントは以下のとおりです。(※以下画像はChatGPTより引用)
実際に、ChatGPTの提示したポイントに従ってプロンプトを入力してみます。
実際にSF風の小説が書けています。
ChatGPT は少し前の設定は忘れてしまうためAIのべりすとのようにキャラクター設定をした上での小説生成は難しいですが、気軽な小説作りならばChatGPTでも十分に楽しめます。
ChatGPTのメリットは以下の3つです。
- 細かい設定をしなくても小説が作れる
- チャットをしながら修正指示を加えて完成度を上げられる
- 無料でも利用できる
ChatGPTの利用にはアカウントの登録が必要ですが、規約に従った利用の範囲内ならば商用利用も可能です。
ツール④:SAKUBUN-さまざまなテンプレートで幅広い用途の文章が作成できる
(引用:SAKUBUN)
小説だけでなく、文章作成に幅広く使えるのが「SAKUBUN」です。
SAKUBUNの特徴は、シーンに合わせた100種類以上のテンプレートです。
(引用:SAKUBUN)
テンプレートには「小説」もあり、概要やジャンルなどを設定すると小説が生成されます。
SAKUBUNのメリットは以下の3つです。
- 無料でも長文が出てくる
- さまざまなジャンルのテンプレートがあり、幅広い用途の文章が作成できる
- 記事や事業に合わせたペルソナも登録でき、ターゲットに合った文章が作成できる
有料版があり、月額9,800円のスタンダードプランにするとGPT-4も利用できます。しかしクレジットカードの登録不要で、毎月5000文字まで無料で使うことができる(※会員登録は必要)ので、まずは無料で試してみてはどうでしょうか。
ツール⑤:AI BunCho-小説や漫画に特化したAIツール
「AI BunCho」は、小説や漫画に特化したAIツールです。
メインジャンルとサブジャンルが選べ、いくつかキーワードを入力するとキーワードを基に小説作成に必要な「タイトル」「あらすじ」「プロット」を作成できます。
さらに、「AIリレー小説」では設定や文章を入力すると、物語の続きを生成してくれます。
AI BunChoの大きな特徴は、漫画も作画できる点です。ト書(描写)とキャラクター容姿の詳細を入力すると、キャラクターの作画ができるため漫画の原案や小説の挿絵にも使えます。
フリートライアルのほかに4つの有料プランがあり、商用利用も可能です。
ツール⑥:NovelAI-好きな作家のスタイルを模倣できる小説生成AI
(引用 NovelAI)
NovelAIは、AIによる執筆活動、ストーリーテリングを活用したサンドボックスのためのサービスです。
ユーザーが書いた文章を基に、人間が書くかのような文学作品を作成します。NovelAIは実際の文献を基にトレーニングされた独自のAIモデルを使用し、好きな作家のスタイルを模倣したり、特定のテーマに基づいて執筆を進めたりすることができます。
(引用 NovelAI)
ユーザーの視点とスタイルを保ちながら、入力された内容にシームレスに対応します。
また、サーバーに保管されているすべての作品は、XSalsa20により暗号化されていますので、作品を他の人が読むことはできません。
無料体験プランから$25/月 (USドル) まで四つのプランが用意されています。無料版の場合、100回分の無料文章生成を体験できます。
ここまで六つのAIで小説・文章が作成できるツールを紹介しました。ほかにも短編小説の作成から投稿までできる「tanpenAI」などさまざまなツールが出ているので色々試してみましょう。
PART 2 : AI小説を二次創作するときの作り方のコツ
AIを利用して自分で1から物語をつくるほかに、すでに発表されている創作物をベースに作品を作る「二次創作」という方法もあります。気に入っていたけれど完結したお気に入りの物語の後日談や、アナザーエンディングを自分で作るのも楽しいのではないでしょうか。
AI小説を二次創作するときのポイントは以下の5つです。
- 結末を決めておく
- 原作のどのタイミングでのストーリーかを決める
- 原作のキャラ設定をぶれさせない
- 原作で拾っていない伏線の回収や、語られていないバッググラウンドについてのストーリーにする
- 場所や時間を変える
お気に入りの作品のキャラクターを、AIの力を借りて自分の手で動かしてみましょう。
PART 3: AI小説・文章の著作権は?
AIで書いた小説や文章に著作権はあるのでしょうか?
文化庁によると、著作権を含む「知的財産権」とは、「知的な創作活動によって何かを創り出した『人』に対して付与される「他人に無断で利用されない」といった権利」のことです。
ではAIで文章を作り出したのは誰でしょうか?もちろんAIです。そのため、文化庁の見解では、「AIが自律的に生成したものは、 「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではなく、著作物に該当しない(=著作権は発生しない)と考えられる」としています。
(引用:文化庁 令和5年度著作権セミナー AIと著作権)
しかし、その一方で「人が思想感情を創作的に表現するための「道具」 としてAIを使用したものと認められれば、著作物に該当し、 AI利用者が著作者となると考えられる」ともしています。
しかし人が創作意図を持ってAIを道具として利用したかどうかの基準を明確に定めるのは難しく、現段階では「個々の事例について引き続き検討する」といった方向性になっています。
PART 4 : AI小説の投稿サイトまとめ
AI小説が書けたら、投稿してほかの人にも見てもらいましょう。
以下にAI小説が投稿できる主なサイト6つをリストにまとめました。
アルファポリス | https://www.alphapolis.co.jp/ |
AIピクターズ | https://www.aipictors.com/ |
tanpenAI | https://tanpen.ai/ |
note | https://note.com/ |
ノベルアップ+ | https://novelup.plus/ |
Pixiv | https://www.pixiv.net/ |
AI小説を投稿する際には、「AIカテゴリを指定する」「AI作品であることを明記する」など、サイトごとに規定があります。投稿サイトのルールに従ったうえで投稿して、AI小説を楽しみましょう。
まとめ
設定だけ練ってAIが紡ぐストーリーを楽しむ、AIが作った文章を叩き台としてアイデアを広げるなど、AI文章作成ツールを活用すれば自分で考えるより物語の可能性も広がります。
構想を練るところから文章作りまで、アイデアを広げるために活用いただきたいのが「EdrawMind」です。
(テンプレートの一例)
EdrawMindの豊富なテンプレートと多彩な機能を利用すれば、文章作成の効率がアップします。ぜひ一度無料版を体験してみてください。