建築図面では、多くの情報を1枚の図面で表現ずるため、記号を使ってわかりやすく図面の情報を示します。
今回の記事では、建築図面で使用される、さまざまな記号についてわかりやすく解説していきます。記号の意味を理解して、建築図面作成時に活用できるようにしていきましょう。
1.建築図面の記号一覧
建築図面では、多くの記号を使用してさまざま部材の表現を行っていきます。
その中でもよく使用される記号について、EdrawMax(エドラマックス)に登録されている記号をもとに紹介していきます。
・窓とドア
建築図面の中で特に平面図で使用する窓とドアの記号には下記のような記号があります。
窓とドアは建築図面では、必ず必要となってくる図面記号です。
窓とドアにはそれぞれ種類があり、開閉の仕方などによって記号の表現が変わってきます。設置する開口部分の幅によって窓も建具も変わってくるため図面に落とし込む場合には注意が必要です。
窓とドアは、既製品と呼ばれるサイズの決まった商品があり、一般的のその中から選択していきます。既製品のサイズ外のものは特注品となってしまいコストアップになるため、既製品の使用が一般的です。
この既製品のサイズを覚えておくと作図をスムーズに行うことが可能です。
・住宅設備
お風呂や洗面化粧台、トイレなどの住宅設備も記号を表現されます。
住宅設備を上から見下ろした状態を表現した記号となっています。
住宅設備は、流線形の形状などが多く、一から作図するには時間や手間がかかります。そのためこれらを記号で簡単に図面に落とし込めることは、作図時間の短縮が可能となってきます。
住宅設備記号を使用する場合には、サイズには特に注意しましょう。サイズを誤って設置していると、図面上では設置可能だが、実際に工事を進めていくと入らない、設置出来ないというトラブルが発生します。
イメージ図として使用する場合は問題ないですが、詳細図として細かい寸法が必要な場面では、形状だけでなく、実際の製品寸法で正しく表記していきましょう。
・テーブルと椅子
建築図面は、イメージも大事な要素であり、空間のイメージを明確にするため、テーブルや椅子などの家具の配置も重要です。
図面に家具の記号を示すことで、家具配置時の有効スペースなどが明確なり、イメージを明確にできます。
種類に豊富にあるため、さまざまなスペースに合わせることが可能です。
登録されている記号については一般的なサイズのものとなるため、製品が決まっている場合には、サイズ変更を行い設置することがおすすめです。
・ソファー、ベッドルーム
ソファーやベッドルームで使用する家具についても豊富な種類がそろっています。テーブルと椅子とも組み合わせることで、リビング、ダイニング、寝室の表現をより密度の濃いものとなっていきます。
こちらもソファーやベッドルーム同様に一般的なサイズのもとなっているため、参考イメージとして使用することがおすすめです。
・電気関連記号
建築図面の中には電気配線図という電気関係の情報を示した図面があります。
そんな電気配線図で使用できる電気関係の記号も使用可能です。
電気配線図でスイッチ、コンセントの種類や分電盤など位置などを示します。より多くの情報が必要であるため、記号と簡単な数字で細かな表現を簡単に行えます。
照明器具についても、天井に直接設置するシーリングライト、天井に埋め込むダウンライトなどの記号もあります。
これにより、照明設置のために穴を開ける必要があるのか、さらにそのサイズなどもわかるようになってきます。多くの情報が必要な図面であるからこそ、記号を適切に使用して、わかりやすい電気図面作成が可能となってきます。
このように、EdrawMax(エドラマックス)では多くの種類の図面記号が登録されています。
これだけ多くの種類があれば、さまざまな建築図面作成に役立つことでしょう。記号の意味や用途を正しく理解して、適切に記号を使用していきましょう。
2.建築図面の記号を使う方法
建築図面では、図面の上方をわかりやすく伝えるために、さまざまな図面記号を使用します。特にCADソフトでは、図面記号をテンプレートとして登録してあるものが多いため、簡単な操作で図面記号を使用できます。
ここからは、EdrawMax(エドラマックス)を使用した建築図面の記号を使う方法について紹介していきます。
まずEdrawMax(エドラマックス)で図面を開いて左のライブラリ部分を順番に選択していきます。その中から適切な項目を選択していきます。
種類が豊富にあるため、選択するのが難しいかもしれませんが、「検索」によって必要な記号を探すことも可能です。
例えば、窓とドアを選択すると登録されている、窓とドアの図面記号が出てきます。
この中から必要な図面記号を選択します。窓とドアの種類ごとにさまざまな記号がでてきます。
名称が表記されているため、使いたい記号も簡単に見つけることが可能です。
使用したい図面記号をドラッグして設置したい所へ移動することで、記号の設置が行えます。
壁の中に移動させると、自動で中心にくるため設置も簡単に行えます。
設置の向きについても、壁の作図がしてあれば自動で縦向きに設置をしてくれます。
細かい設置の調整が必要なく、自動で設置くれるので簡単な操作で全てを行うことが可能です。
図面上に設置あと、サイズを変更したい場合には、記号をダブルクリックして好きな寸法を入力することで、記号のサイズが変更していきます。
細かく寸法の変更が可能であるため、自由にサイズを決めることが可能ですが、既製品など寸法が決まっている製品などには注意して寸法の変更を行いましょう。
上記のような形で簡単な操作で図面記号を使用することが可能となっています。
豊富な種類と簡単な操作、サイズ変更も可能であることから、誰でも図面記号を使いこなしていけるでしょう。
3.建築図面記号の基準・規格
建築図面は不特定多数の人が見る図面であるため、自由に作図すればいいというものではありません。
一定の基準や規格によって統一化された図面であることが求められます。
建築記号についても同様であり、基準や規則に即したものでなければいけません。
そんな建築記号における、基準や規則にはいくつかのものがあります。
〇JIS A 0150 建築製図通則
JIS A 0150 建築製図通則は、建築図面製図に共通する基本事項を規定している日本産業規格のことをいいます。
建築図面の図面配置や組み合わせ、表現などの一般原則が定められており、建築図面で使用する記号についても規定されています。
図面内で使用する作図記号をまとめて示し、図面の縮尺についても規定しています。
こちらで規定されている表示記号は以下のとおりです。
・平面表示記号
(出典:JISA0150:1999 建築製図通則 - 日本産業規格の簡易閲覧より)
出入口で使用する建具、窓の開閉方法の違いによって、簡易的に記号で示されています。
・材料構造表示記号
(出典:JISA0150:1999 建築製図通則 - 日本産業規格の簡易閲覧より)
各構造体別に図面上での表現や記号を示しており、さらに尺度の違いによって使い分けることについても示されています。
〇建築工事設計図書作成基準
建築工事設計図書作成基準は、建築図面などを作成する際の基本的な事項、書式や表示を定めて、業務効率化を目的につくられたものです。
こちらの基準では、基本製図のルールとしてさまざまな内容を定めています。
・用紙
図面のサイズはJIS規格によるA1~A3サイズのものを使用する、長辺を横方向として使用し、表題欄を設ける、図の上方を北とするなどの規定を定めている。
・文字
文字の種類、フォント、文字の大きさについての規定を定めている。
一般的に使用する文字、タイトルで使用する文字、それぞれに大きさや幅の指定が行われている。
例えば一般で使用する文字の場合、文字高さ4.0以上、文字幅3.5以上、フォントはゴシック体という形で定めています。
・線
使用する線種は、実線、破線、点線、一点鎖線、二点鎖線の5種類と定められています。
さらに用紙サイズに合わせて線の太さは、極太線、太線、細線の3種類が規定されています。
その他にも、ハッチングの間隔、線の太さについても規定されています。
・尺度
尺度については、代表的な1/50、1/100、1/200などを含む13種類として尺度の記入箇所を定めています。
詳しくは国土交通省の公式サイトhttps://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk2_000017.htmlを参考にしてください。
・寸法等の表示
寸法表示の単位にはミリメートルを使用して、寸法線、切断線の書き方を定めています。
その他に基準線の線種についても決められています。
・表示記号
尺度によって使用する表示記号の分類を行っており、大きくわけて3つの表示記号を定めています。
平面表示記号、材料構造表示記号、建具開閉表示記号の3つです。
その他にも一般事項として、建築製図の基本的なルールや図面への記載事項などが、定められています。
図面の名称や順序、記載事項な細かく定められています。建築図面記号を使用する場合には、これらの基準を意識しながら使用するようにしましょう。