「述べて作らず、信じて古典を好む」という孔子の残した言葉があります。新しいものを創作するより古典を解釈して自分の知識にする方が良いという意味です。アイデアは突然沸いてくるものではなくフレームワークがあります。アイデアを立てる5段階の基礎を具体的にご紹介しながら、テクニックの7選を使用し、最終時に本格志向のマインドマッピングチールEdrawMindとビジネス作図ツールEdrawMaxを使用し自分だけの思考を社会と共有し組織だけでなく全体の改善につながるようなアイデアの考案方法を提案します。
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- 目次 -
Part 1: アイデアを立てる五段階
元々コピーライターでありアメリカの広告代理店トムプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会の会長などを歴任したジェームス・W・ヤングが出版した著書「アイデアのつくり方」には、アイデアを「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と定義しています。
つまり、アイデアには一定の考える順序と法則があるのです。その創作過程に慣れれば、短時間でアイデアを考案することができるのです。具体的にどのようなステップを踏むのかを「アイデア創作の5段階」を順にご紹介しましょう。
1.1 資料を収集する
【一般資料収集例:外部環境分析PESTLE分析】
【特殊資料収集例:ペルソナ設定の要求分析例】
上図:マインドマッピングツールEdrawMindでの一般情報収集例
まずは、資料(データ)を収集しましょう。この段階で集めるべき資料には2つの種類があります。それは、特殊資料と一般資料です。特殊資料とは、製品と消費者に関する資料を指します。また、一般資料とは世の中の出来事に関する資料を指します。アイデアは、製品と消費者に関する「特殊知識」とこの世の様々な出来事についての「一般知識」との新しい組み合わせから生まれます。特殊資料を作成するためには顧客がどのようにしてその企業と関係をもったのかを知るためにもカスタマージャーニーマップの作成をしましょう。
1.2 資料を解釈する(組み合わせを考える)
次に「材料の組み合わせ」を行います。この解釈は後述するKJ法やシックスハット法を使用して発散された情報を収束させていきましょう。詳細は後述します。
1.3 待つ(他の情報収集をする)
情報の発散と収束を行った後は「待つ」という時間を必要とすることを忘れずにいましょう。つまり、その事柄は一旦置いておいて、他の情報収集を行うということです。具体例をあげれば、PASTLE分析で外部環境分析を行い一般資料となる情報を手には入れることができるものの、特殊資料との関連性に落とし込むまでにはかなりの空白があります。つまり、文脈に乏しいのです。それを埋めるためにも違う情報の収集を行うのです。
1.4 アイデアが誕生する
アイデアの誕生には一般資料と特殊資料の文脈を埋める必要があることがわかりました。この文脈を埋める過程にアイデアが誕生するのです。アイデアを確かなものにするには「登場人物全員を肯定する」ことが秘訣です。
1.5 アイデアを具体化し、展開させる
最終段階は生まれたアイデアをについてスキャンパー法を用いて効果測定まで行い展開していきます。このアイデアを発想するに至った土台となる環境と登場人物についての経緯を再度考え直してみるのも発想の転換になり良いでしょう。
Part 2: アイデアを案出する方法
2.1 ブレインストーミング
ブレインストーミング(BS)のもたらす効果は、想定外のアイデアやクリエイティブな発想を創造できることです。ブレインストーミングでは複数人がアイデアを出し合うため、他者の考えを共有し一つのアイデアから連鎖反応が期待できます。一人では考えつかないアイデアを効率的に提案できるのがブレインストーミングの大きなメリットと言えそうです。
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2.2 マインドマッピング
マインドマップとは、中央に議題となるメインテーマを配置しテーマから連想されるアイデアや情報を線で繋げながら、分岐させるように放射状に展開していく思考方法です。全体像が把握しやすく比較的柔軟な考えを整理するのに優れている方法になります。
2.3 KJ 法
KJ法とは、BS(ブレインストーミング)により出されたアイデアをベースに情報を分類、分析する手法です。ブレインストーミングで出たアイデアを一つずつカードに記して、同じカテゴリーでまとめ「見出しを」付けます。見出しをもとに関係性を図式化し、文章に落とし込むことでアイデアを効果的にまとめたり課題の本質を明確にしたりといった効果が期待できます。
2.4 マンダラート
マンダラートは、仏教に登場する曼荼羅模様に由来するもので、曼荼羅模様に似たマス目にアイデアを書き込んでいく技法のことです。曼荼羅+アートという造語としてマンダラートと名づけられました。テーマがあれば一番取り掛かりやすい手法であるので何から手をつけていいのかわからない場合はこのマンダラートから取り掛かりましょう。
2.5 シックスハット法
水平思考 (ラテラルシンキング/パラレルシンキング)をベースとしており、意思決定ツールの1つとして使われることが多い手法です。参加メンバーがステップごとに6種類の色の帽子を、ステップ (色) ごとに視点や思考を切替えてブレストする発想法です。シックスハット法では、各ステップ (色) ごとに視点や思考を切替え、全員が一致して同じ方向を向いてアイディアや意見を出し合うことがメリットです。
2.6 希望点、欠点列挙法
希望点列挙法とは「もっとこうだったらいいのに」という「希望点」をあげて、実現する方法を考える手法です。欠点列挙法とは「ここが不満だ」「もっとこうならないのか」といった「欠点」を書き出して改善するためのアイデアを考える手法です。
2.7 スキャンパー法
希望点列挙法とは「もっとこうだったらいいのに」という「希望点」をあげて、実現する方法を考える手法です。欠点列挙法とは「ここが不満だ」「もっとこうならないのか」といった「欠点」を書き出して改善するためのアイデアを考える手法です。
Part 3: フリーマインドマップツールEdrawMind
これまでご紹介したアイデアの法則とそのテクニックのサイクルを図式化してみました。思考の発散ではマンダラートの資料集めは比較的しやすく形式もわかりやすいので一番始めに取りかかるのをオススメします。具体的には与えられたテーマの共起語を調べるツールで情報を収集しましょう。その後、その単語に関わる同士、形容詞からマンダラートを発展させてみましょう。このマンダラートを行った上で、自分の考えを発散するテクニック法であるBS法、マインドマッピング法、希望点、欠点列挙法を行います。そうすれば、自分の考えに世論という根拠が生まれ、思考の発散に説得力が増すでしょう。その後、組織内で決定権のある人物を含めてのKJ法、シックスハット法で方針を決め、その効果測定、改善をスキャンパー法で行い、次のサイクルへと進み継続した改善を行っていきましょう。
Part 4: まとめ
アイデアを出す法則とテクニックについてご紹介してまいりました。最近では、「共感」や「同調」を良しとした著作などが人気の傾向にありますが、この「共に分かち合うという」ことを先走るあまり自分の思考の発散が正しく行えて行われていない傾向にあります。外部環境の分析を行った上で、自分ができる範囲の目的達成のためには、まずはマインドマッピングツールでの「思考の発散」が不可欠です。ぜひ、本格志向のマインドマッピングツールEdrawMindで社会の動向を怠らずに分析し、その中で自分ができる事を適切なポジションを見極め、社会の中で自分ができる目的達成を目指しましょう。