和楽器は、日本で古来から演奏されてきた伝統的な楽器をさします。和楽器には、どのような環境でどのような人が演奏していたかを知ることで日本人の美意識を垣間見ることができます、この和楽器について、EdrawMindで時代別に変遷を見える化してみます。それによって、どんな時代背景であったのかを思い返す一助にもなります。
- 目次 -
Part 1: 歴史
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① 弥生・古墳
弥生時代は紀元前300年から西暦250年を指します。この時代は書物などがないため、推測でしか考えられませんが、楽器の起源のようなものとして銅鐸が出土されています。銅鐸とは、釣鐘型の青銅器です。権力の象徴として保持されていたと考えられていますが定かではありません。
古墳時代は西暦250年から西暦538年を指します。この時代には古墳から出土された埴輪から楽器があったことが推測されます。というのも、埴輪が鼓(つづみ)、琴、笛のようなものを持って出土されていたことにあります。
② 飛鳥・奈良
飛鳥時代から奈良時代は、西暦592年から794年までを指します。この時代は、中国や朝鮮半島から多様な文化が渡ってきます。この時代に伝わった楽器で奏でられる音楽が雅楽の始まりとされています。具体的な楽器として、尺八、琵琶、笙(しょう)があります。これらは、この時代の宝物を納めている正倉院に保管されています。雅楽は、それまで日本にあった踊りや歌と融合して、寺社仏閣で演奏されました。
③ 室町
室町時代は、西暦1336年から1573年を指します。この時代は、観阿弥、世阿弥親子により能楽が大成しましました。能楽は、奈良時代に海を渡って伝えられた舞と、日本での舞や宗教行事が組み合わさり作られました。この能楽で演奏されていた楽器は、締太鼓、大鼓、小鼓、笛の四拍子と呼ばれるものです。
④ 江戸
江戸時代には、京都、大阪、江戸で町人文化が発展します。町人や武家の間では、女性の趣味として琴を習うことが流行します。また、中国から渡ってきた三弦が三味線となり普及します。この三味線と能楽、また流行していた踊りが結びつき歌舞伎が生まれることになります。
⑤ 近代
明治時代になると、西洋文化の影響を受けた音楽が伝わります。学校教育の下広まった唱歌や童謡、昭和に流行した歌謡曲があります。楽器は西洋楽器がよく使われるようになりました。昭和中期には、地域と共に発展してきた文化を取り入れた楽器が生まれます。具体的には、津軽三味線や和太鼓合奏などです。平成になると、和楽器が海外から称賛されるようになります。そのことから、ロックと和楽器を組み合わせたグループが人気になることもありました。
Part 2: 特徴
和楽器の特徴は、雑音が認められているという点です。雑音とは、揺らぎやかすれを表現することを美とすることです。
三味線や琵琶の揺らぎある音、または尺八や笛のかすれた息の音は偶然だてしまっているものではないのです。自然の中に音が還るという日本人特有の美意識によるものかもしれません。それは水の芸術美である鹿威(ししおど)しにも、西洋の噴水と比較すると差異が際立っているのと似ているように感じます。
また、和楽器はわかりやすく簡素な構造でできています。音の儚さと構造の簡潔の中にも日本人特有の美意識があります。
Part 3: 種類
和楽器は、大きく3つに大別されます。
- 打ちもの(打楽器)
- 吹きもの(管楽器)
- 弾きもの(弦楽器)
舞台の違いや、用途、時代に適した楽器への変遷が繰り返されました。同じ楽器のようにみえても、様々な音階の表現、音量、素材の変化がありました。
① 打ちもの(打楽器)
和楽器の打楽器は、体鳴(たいめい)楽器と膜鳴(まくめい)楽器の大きく2つに分類されます。体鳴(たいめい)楽器は木や金属をたたいて音を出します。具体的には、拍子木(ひょうしぎ)、鉦鼓(しょうこ)、摺(すり)鉦(がね)があります。拍子木は相撲や火の用心で使われています。膜鳴(まくめい)楽器は、幕が張られている部分を叩いて音を出します。具体的には、和太鼓、鼓(つづみ)などがあります。
② 吹きもの(菅楽器)
和楽器の管楽器は、唇簧(しんこう)、複簧(ふくこう)、無簧(むこう)、自由簧(じゆうこう)の大きく4つに分類されます。唇簧は唇を上下に振動させて音を出します。例としては、法螺貝があげられます。複簧は乾燥させた簧(した)を薄く削り2枚重ねます。それを、吹き口に取り付けて息を吹き込み、振動を与えて音を出します。具体的な和楽器として、篳篥(ひちりき)があげられます。無簧は簧を使わず、楽器の形状に息の流れが通ることで音が鳴る仕組みになっています。尺八などがその仲間になります。自由簧は楽器内にある簧が自由に振動するものを指します。笙と呼ばれるお正月や神式の結婚式などで聞き覚えのある楽器がそれにあたります。
③ 吹きもの(菅楽器)
和楽器の弦楽器は、胡弓、琵琶や三味線、琴、の大きく3つに分類されます。胡弓は、棹と胴に分かれている本体に張ってある弦を擦ることで音をだします。同じく、琵琶や三味線も棹と胴にわかれている本体に弦が張ってあるのですが、こちらはその弦を弾くことで音を出します。琴は共鳴箱と呼ばれる本体の上に張ってある弦を弾くことで音をだします。
まとめ
今回は見える化第13弾として、魅力ある和楽器ついてEdrawMindで見える化を行いました。日本人の自然美に対する美意識を形にした魅力ある楽器であることがわかります。儚い木製のものが多く、構造が簡潔であるのも特徴です。音色にもかすれや揺らぎを良しとする美意識も特有のものです。