年中行事は、祖先を想い自然に目を向け祈るような心で感謝と祈願をする、日本で継承されている行事のことです。中国から伝わった暦がなじむまで、日本人は太陽や月の動きを通して自然の移り変わりを、家庭内で共有することに重きを置き楽しんでいました。地域性の高い年中行事もありますが、今回は全国的に親しみのある年中行事をEdrawMindで一覧にしてみました。
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Part 1: 日本の季節の年中行事
日本の年中行事は、感謝の気持ちを季節の代表であるものに託して神様にお供えすることを起源にしています。カレンダーでは1月を始まりにしますが、農作業などで四季を正しく知る必要があったことから、太陽の動きを軸にした二十四節気が中国で考案されました。全体を4つの季節、さらに1年の長さを12の節季、12の中気に分類し、交互に配置するという暦です。この暦は江戸時代から使用されています。
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① 春の年中行事
春は、暦でいう立春の2月3日から立夏の前日5月4日までを指します。(2021年現在)主な行事は、「節分」「雛祭り」「春のお彼岸」「お花見」があげられます。節分とひな祭りには共通して、季節の変わり目の邪気を払うという厄払いのために行われていました。昔日本では、疫病や災害は疫神や鬼の仕業とされていたためです。春のお彼岸は、「春分の日」と国民の休日にされています。この春分の日を中日として、前後3日間の合計7日間が「春のお彼岸」になります。春分の日は、自然をたたえ生物をいつくしむ祝日とされ、秋分の日と同様先祖供養を行います。
② 夏の年中行事
夏は、暦でいう立夏の5月5日から立秋の前日8月6日までを指します、(2021年現在)主な行事は、「端午の節句」「夏祭り」「夏の土用」があげられます。端午の節句、夏祭りについても春の年中行事と同様、疫病や厄除けの行事でした。昔は、気温が上がることで疫病が発生しやすかったためです。また、夏の土用はウナギを食べて夏バテ対策に備えるというイメージがありますが、「土用干し」と言われる虫干しをすします。この虫干しを行うことで、本や洋服などを長く使えるようにするのです。
③ 秋の年中行事
秋は、暦の上で立秋の8月7日から立冬の前日11月6日までを指します。(2021年現在)主な行事は、「七夕」「お盆」「お月見」があげられます。七夕は7月7日ですが旧暦では8月20日ごろとされており暦上は秋の行事です。古代中国の神話が奈良時代に日本に伝わり現在に至っています。七夕は、先祖の霊を迎えるお盆のための清めの時期ともされており、水浴びや笹船を流したりする地域もあるようです。「お盆」は先祖の好物をお供えしたり、霊を盆踊りで歓待したりして、霊とともに過ごすとされています。お月見の中秋の名月は、平安時代の貴族文化の歴史もありますが、庶民の間では江戸時代から収穫祭や初穂祭の役割が強くあったようです。
④ 冬の年中行事
冬は、暦の上で立冬の11月7日から立春の前日2月3日までを指します。(2021年現在)主な行事は、「酉の市」「事始め」「正月」があげられます。酉の市は収穫祭を起源にしているため、農具であった熊手が縁起物として売り出されます。事始めも、主に農作業の開始日と設定されています。新しく物事を始めるには魔物が現れるという伝承から柊や唐辛子を玄関に飾る魔除けを行っていたとされています。正月は年神様を迎える日として今でも色濃く残っています。新しい年が、豊作になるように祈願する正月は昔から今まで大切な日として受け継がれています。
Part 2: 人生儀礼
① 生育
戌の日参り
妊娠5カ月の戌の日に行われる安産祈願です。神社で実際に安産祈願をしてもらったり、ご祈祷してもらった腹帯(岩田帯)を巻いたりします。
お七夜
出産7日目の産神様がお帰りになる日に行われる儀礼です。新生児に名前をつけ、健やかな成育を祈願する日です。
お宮参り
生後1カ月に行う風習になります。その土地の氏神様に新しく生まれた子を氏子として認定してもらうための風習です。将来の加護をお願いします。
七五三
毎年11月15日に神社に参拝する行事です。男子は3歳と5歳の時に、女子は3歳と7歳の時に行います。医療の発達がしていなかった頃、子は病気などで簡単に命を落としていた背景がありました。そのため、節目の年まで成育できたことへの感謝を神様に伝え、今後の加護もお祈りしました。
② 成人
20歳になる1月第2月曜日の祝日に行われる成人と認定される儀式です。尚、2022年令和4年からは18歳で成人となります。
③ 婚姻
婚姻を結ぶと、多くの家庭では結納が行われます。結納とは、婿方が嫁方の家族に親族になることを祝う行事です。昔は、スルメ、昆布、帯、着物などの縁起物を贈っていました。現在は、結納金や結婚指輪など記念品を贈ることが一般的です。
④ 長寿の祝い
長寿のお祝いは61歳の還暦から100歳以上に渡って段階的に行われます。また、その大祝い事に色が決まっておりその色の贈り物をするのが良いとされています。
まとめ
今回は見える化第12弾として、日本の年中行事についてEdrawMindで見える化を行いました。年中行事は未来への祈願や感謝の気持ちを表す儀式や行事として受け継がれています。根拠となる24節気を基準に、EdrawMindで見える化すると理解しやすく覚えやすくなります。