中学校や高校になると、理科系の授業で物理を教えます。物理学は一見難しい学問に感じますが、世の中の現象を捉えるのにとても役立ち、学んでゆくうちに面白くなってくるものです。物理の試験問題には苦労した、という方もいらっしゃるかもしれませんが、ポイントを抑えると案外理解が進んでゆくのも物理の側面です。
一方で、物理学には図が必需品で、物理の試験問題にもたくさんの図が使われています。本記事では、物理の問題を感覚的にわかりやすい図で解説し、そのような図の作成方法について作図ソフトEdrawMaxを用いて説明します。
- 目次 -
中学、高校でよくでる物理の問題
例題1. シーソーの問題
例えば、下の図のような問題は物理の問題の一例です。シーソーのような事例を想像していただくとよいのです。
なんとなく日常のご経験で答えもわかる方がいらっしゃるかもしれませんが、あえて物理らしくいくつかの法則を使って解答してみます。この問題に必要なのは、モーメントという概念です。
モーメントとは、何かを回転させようと作用するものです。下の図の左側の物体は倒れることなく横に進んでゆくだけの力しか働きませんが、右側の物体はそんな力と同時に倒れる方向にも力が作用します。
このように物体を倒したり曲げたり回したりする作用をモーメントといいます。
このモーメントは力とその力が作用している支点からの距離(うでの長さ)の積(掛け算)で表されます
つまり、以下のような形になります。
この考え方を利用すると、支点から見て子供側に倒れようとするモーメントは
となります。
60kgf×X m=60X kgf・m
これらが同じ値を持っていると、両方がつりあい、バランスが取れます。
つまり、60X=30
ということになり、
X=0.5m
となります。
例題2. バネの問題
もう一題やってみましょう。バネの問題です。
こちらも日常の生活の中でなんとなく答えを導き出せるかもしれませんが、あえて法則名などもご紹介して解説します。
この問題は、バネによる復元力とバネを引っ張る力(この場合はおもりの重力)がつりあっている状態です。復元力とは、バネを伸ばしたことによってバネが引っ張る力のことです。
この力は、バネを伸ばした長さに比例します。バネ定数をk、バネの伸びをxとすると、復元力F=kxとなります。
これをフックの法則といいます。
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Part 2: EdrawMaxの初期設定
ステップ1.EdrawMaxの初期設定
EdrawMaxを立ち上げ、「新規作成」で「科学と教育」→「力学」を開きましょう。
こあらかじめ、「表示」から「グリッド線」は消しておいたほうが作成しやすいです。
ステップ2.EdrawMaxで素材の使用方法
ライブラリーの中に「クリップアート」→「人物」→「家族」というカテゴリーを追加しておきます。 これはモーメントの問題で人物のイラストを使用したからですが、このような素材も豊富ですので、使用できそうなものを多く追加しておくと、より感覚的にわかりやすい問題作りができます。
最初のモーメントの問題は、デフォルトで入っている「力学」のライブラリーから「てこ」という素材を用います。
ダブルクリックして引き出してやりましょう。
次に、追加した「家族」のライブラリーから「父」と「息子2」を引き出しましょう。
ステップ3.物理の素材を配置する方法
配置や大きさを調整して、てこの両端にお父さんと息子が乗っているように見せてやります。てこが前面に出てきてしまう場合は、てこのところで右クリックし、「最背面に移動」してやりましょう。
あとは寸法の表記です。
「ホーム」の「テキスト」や「コネクタ」→「直線コネクタ」などの機能を利用すれば作れます。
直線や文字を上手く配置し、寸法線を作成します。
矢印や線の種類も「線種」からいろいろ選ぶことができます。
もう1つのバネの問題も作成法は同じような感じです。やはり「力学」のライブラリーから「バネ」を引き出して作ってやりましょう。
向きを90°にし、伸びたバネはクリック&ドラッグで拡大するだけです。
Part 3: まとめ
物理の問題は複雑な図や数式ばかりというイメージがあり、わかりやすく説明するのは難しいです。作図ソフトEdrawMaxを活用し、さまざまな素材を利用してみると、堅いイメージのある力学も少しだけカジュアルになるのではないでしょうか。少しでも多くの方が、物理に興味を持っていただければ幸いです。