現代のビジネスはますます複雑になってきています。
以前は顧客と1対1でコミュニケーションをとれば多くのことが成立してきましたが、今は意思決定者が何人もおり、2014年は平均で5.4人だったにもかかわらず、2018年には10.2人と、わずか4年で2倍に増えました。
対応すべき部門やステークホルダーが増えるのはチャンスである反面、販売サイクルが長く複雑になります。
この複雑化する過程を正確に把握するため、CRMが必要になってきますが、CRMは貴重なデータを提供してくれるものの、これだけでは十分とはいえません。
CRMだけでは取引の成否を左右する複雑な関係性を示せず、ステークホルダーを囲いこむことができないのです。
そこで登場するのが「アカウントマップ」です。
アカウントマップは営業サイクル全体のギャップを埋めて、点と点を結ぶことにより、データを最大限に活用できるようになります。
この記事を読んでいただくと、アカウントマップとはどういうものかが理解でき、ビジネスで利用できるようになります。ぜひ最後までお読みください。
Part 1: アカウントマップとは何ですか
アカウントマップはアカウント情報を目に見えるかたちで整理した、シンプルな図のことです。
営業に必要な複雑な情報を整理、共有するのに役立ちます。
CRMのデータは非常に膨大で、それだけを使って営業に活かすのは極めて困難です。
アカウントマップを使えば、CRMのデータを読み込むことなく、取引全体を見える化し、営業に必要な最も適した道筋を見いだすことができます。
情報を見える化することでだれが、どのような影響力を持っているのか簡単に特定でき、顧客から信頼が得られます。
また、人事異動等で関係性が変わっても、すぐアカウントマップを更新することで、チーム内で迅速に理解、共有することができるのです。
Part 2: アカウントマップの作成方法
営業部門全体で簡単に情報を共有できるよう、ここからはアカウントマップの作成方法について詳しく解説します。
2.1 情報を収集する
顧客へのアプローチを開始したら、営業チームはすぐにアカウントマップの作成にとりかかりましょう。
アカウントマップで最初に必要なことは、顧客でアクセスすべき人たちの連絡先の収集です。
組織内の各連絡先を表すボックスを作成していきます。
2.2 関連情報を添付する
連絡先を表すマップが作成できましたら、次はそれぞれの詳細を追加していきましょう。
営業のためのアカウントマップには、重要となる相手の連絡先を記載し、どの人物かどのような立場の人なのかをシンプルにすることですばやく把握し、必要に応じてその都度、連絡がとれるようにします。
まだラベル貼りができていない場合は、アカウントを明記してください。
各連絡先には名前と役職、電話番号、メールアドレス等を追加します。
このような情報をすべて手作業でするととても大変ですが、「EdrawMax」を使用すると簡単にまとめらますので、ぜひ使ってみてください。
2.3 組織図をつくる
ここまで作成してきたアカウントマップですと、多くの情報を持っているものの、マップ全体としてはまだ構造化されていません。
そのため、作成した連絡先を整理し、階層に応じて線で結んでいきます。
アカウントマップが真価を発揮するのはここからです。
例えば顧客と会話しているとき、相手が上長に話を通す必要があると言ったとします。
そのとき、アカウントマップを確認すれば、上長の名前がだれかがすぐにわかります。
顧客はこちらがしっかり下調べをし、自分の組織をよく理解している相手であると認識することでしょう。
このような細かい対応がアカウント情報の取得を前に進めるのです。
また、顧客が追加で話したい人を指名した場合、簡単にすばやくアカウントマップに追加できます。
アカウントマップの存在により、だれが会社のどの階層に位置し、だれと関係があり、取引にどうかかわっているのかをすぐに理解できることでしょう。
2.4 主要な役割にラベルを付ける
アカウントマップで相手の役割に応じてラベルを付けていきましょう。
ここでもEdrawMaxを使用すると、すばやく作成することができます。
- 社内で影響力のある人が購入を検討する際、影響を与える職務や考え方を持っている人
- 通常は接触するのが難しかったり、変化を嫌うために取引を進める際に障害になったりする人
- 製品やサービスを使用して支持する人、意思決定の過程に関する情報を提供してくれる人
- 企業が製品やサービスを購入するべきかどうかを最終的に決める人
これらの役割をラベル付けしていきますが、このステップを完了させるためには、それぞれが製品やサービスをどのように感じているか、購入過程でどのような役割を果たすかを判断しなければなりません。
そのためチームがすぐに理解できるよう、色をつけたりするなど、視覚的にわかりやすくしてください。
2.5 販売への最善な道を見つける
多くの営業担当者が取引成立のために、上層部に働きかける必要があると思っています。
しかし今の時代の営業は、この考え方では通用しません。
例えば顧客が競合他社の製品を使用しており、それを変更する必要はないと判断した場合、壁を感じてそれ以上売り込んでも無駄だと思ってしまいます。
しかしアカウントマップを使用することにより、このような壁を回避して、階層を超えた関係に基づいて営業を進めることができます。
アカウントマップ上では個人間の関係をわかりやすくするため、連絡先を結ぶ線の色を変更していきましょう。
このステップにより、取引成立に必要となるのはどのような関係性なのかがすぐに理解できます。
各担当者の状態を決めていくと、組織図だけではわからない関係を示す、新しい行を追加できるところが見つかるかもしれません。
2.6 営業組織のリーダーや他のメンバーと共有する
営業において、リーダーや他のメンバーと情報共有することはとても重要です。
もしリーダーが状況を正しく把握していない場合、効率よく営業を進めるのが難しくなるでしょう。
アカウントマップを使うと、リーダーに対して必要な情報をすばやく提供できるため、リーダーの理解と協力を得やすくなります。
他のメンバーについても同様で、アカウントマップで情報を共有できていると、協力を得る際にもスムーズに進めやすくなることでしょう。
また、アカウントマップを表示することで、だれと話ができていて、今はどのような状況にあるかを正確に示すことができます。
2.7 維持すること!
アカウントマップの作成は終わることのない、継続的におこなうべき作業です。
なぜならアカウントが発展していくにつれて、連絡先やメモを追加していく必要があるからです。
営業においては、アカウントが変わるたび、担当者は取引先について理解するためにCRMを調べなければなりません。
しかし、アカウントマップを常に更新しておくと、その都度CRMにアクセスしなくてもよくなります。
アカウントマップを用いることで、CRMよりももっと簡単に、わかりやすいかたちですぐに確認できるため、別の重要な仕事に注力することが可能なのです。
Part 3: アカウントマップのまとめ
ここまで説明してきたとおり、アカウントマップを使うことで、顧客の情報が瞬時にわかり、異動などで担当者が入れ替わっても情報の共有がしやすくなります。
アカウントマップは営業チームにとって重宝すべきツールです。
アカウントマップ作成はEdrawMaxがおすすめです。
豊富なテンプレートのなかから好きなものを選べますので、一からつくる必要がなく、非常に簡単にまとめられます。
ぜひEdrawMaxでアカウントマップを作成してみてください。