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【保存版】QC工程表とは?基礎知識と作り方を紹介

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編集者: Edraw

    各職場では、品質月間に向けて、あらためて品質管理(QC)を見直すことも多いでしょう。QC工程表は、品質を管理・確保するための計画と手順を記録したもので、品質管理につながる最も重要な文書の一つです。
 ここではQC工程表とは何か、作業指示書とはどう違うのか、どういう場面で活用されるのか等を説明し、その作成方法を解説します。品質管理月間に向けて、QC工程表の作成方法を再度確認しておきましょう。

QC工程表サンプル(excel)

1.QC工程表とは?

 それではQC工程表について説明します。

1.1 QC工程表の基本的な定義と概要

 QC工程表は、製造業やプロジェクト管理などの分野で使用される重要な文書で、製品やプロジェクトの品質を管理・確保するための計画と手順を記録したものです。
 これには品質基準、テスト手法、検査項目、品質保証プロセスなどが含まれ、製品やプロジェクトが所定の基準や仕様を満たしていることを確認するために使用されます。その概要は以下のとおりです。
 ①目的:製品やプロジェクトが所定の基準や仕様を満たし、顧客の要求を満たすために、品質基準や品質保証プロセスを明確に示すことを目的としています。
 ②利点:QC工程表を使用することで、以下のような利点が得られます。
  ・製品やプロジェクトの品質を一貫して高めることができる。
  ・ 品質基準や検査手順が明確になり、組織内で共通の理解が得られる。
  ・問題が発生した際に迅速に対応するための指針が提供される。
  ・顧客や関係者とのコミュニケーションが改善され、期待値に合致する成果物を提供できる。

1.2 QC工程表と作業指示書の相違点

 QC工程表と作業指示書は、両方とも製造業やプロジェクト管理などの分野で使用される重要な文書ですが、それぞれ異なる役割と目的を持っています。以下に主な相違点を説明します。
 ①目的と焦点:
       ・ QC工程表::QC工程表の主な目的は、品質を確保・維持するための指針や手順を提供することです。品質基準や検査プロセス、品質保証プロセスなどに焦点を当てており、製品やプロジェクトが所定の品質基準を満たすことを保証するためのガイドです。
       ・ 作業指示書: 作業指示書の主な目的は、特定のタスクや作業を実行するための具体的な手順や指示を提供することです。作業の進行手順、必要な材料や道具、作業者への指導などに焦点を当てており、実際の作業を効果的かつ正確に遂行するためのガイドです。
 ②内容:
      ・ QC工程表:QC工程表には品質基準、検査計画、品質保証プロセスなどが含まれます。これにより、製品やプロジェクトの品質を確保するための指針が提供されます。
        ・作業指示書::作業指示書は、特定の作業やタスクの手順や方法が記載されます。必要なステップ、手持ちの材料やツール、安全上の注意事項などが含まれ、作業を効率的に行うための情報が提供されます。
    ③対象:
        ・QC工程表: 主に品質管理や品質保証部門、プロジェクトマネージャー、品質監査員などが利用し、品質基準の遵守や品質向上のための指針を提供するための文書です。
       ・作業指示書: 主に作業者や技術者が利用し、具体的な作業やタスクを実行する際の手順を示すための文書で、作業の実施者が適切に作業を行えるようにするための指示書です。

1.3 QC工程表の活用シーン

 QC工程表は、さまざまな業界やプロジェクトにおいて多くのシーンで活用されています。以下に、QC工程表の一般的な活用シーンの例をいくつか挙げてみます。
 ①作業標準書の作成のたたき台として
  QC工程表の管理基準、項目を満たすために、それぞれの工程において「作業標準書」を作成します。作業標準書は、実際に作業者が行う手順や注意点などを具体的に記したもので、この作業標準書を作成するためには、まず基準となるQC工程表が必要となります。
 ②不良の原因究明
  工程や作業のどの部分で基準を満たさなかったのか、その手順に誤りははなかったのかなど、QC工程表を使用して、品質の特性や管理基準を調べます。
 ③作業者の教育資料
  工程に従事する新規作業者には、品質管理の観点からの教育が必要になります。どの工程でどのような管理のもとで作業を行うかをわかりやすく教育するために、QC工程表は役に立ちます。
 ④顧客への品質管理の説明資料として
  顧客に対して品質管理の基準を説明する際に、説明資料として使用します。

1.4 QC工程表の主要項目

 QC工程表には、以下のような項目が含まれることがあります。
 ①製品情報:
  材質、製品名称、機能・性能、製品コード、製品の重量、製品の形状・寸法、製品の物理特性や化学的特性、電気的特性 等
 ②工程情報:
  ・工程:設備、機会、部署、工程名、工程番号、工程記号、治工具名 等
  ・管理点:管理項目、品質特性
  ・管理方法: 担当者、責任者、 帳票類、 検査方法、システム、異常処理、関連文書、使用機器、検査時期・頻度 等
 ③文書管理情報:
  ・作成日、改正日、作成者、承認者、文書番号 等

2. QC工程表の作成方法

 以下に、ソフトを利用したQC工程表の作成方法について説明します。

2.1 QC工程表の作成手順とポイント

 ここでは、例として、汎用表作成ソフトExcelを使った、木造柱建方のQC工程表を作成する手順とそのポイントを説明します。QC工程表のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトのテンプレートを活用しました。
 ①テンプレートの選択とフォーマット編集:
  ・ダウンロードしたテンプレートを、意図に合うように書き換えます。

クリックしてQC工程表のテンプレートをダウンロード>>>

テンプレートの選択とフォーマット編集
 ②工程名を記載:
  ・まず、工程名を記載します。工JISに定められている工程記号を描くこともありますが、無くても構いません。
 ③管理項目(管理特性、管理基準)を記載:
  ・管理特性には、外観や寸法の検査規格、工具類などを記載し、管理基準には、それぞれの管理範囲を記載します。管理範囲には管理中心値だけでなく、上下限の範囲の規定があるものはその範囲を記載します。何事も誤差なく処理するのは不可能なので、あらかじめ許容範囲を明確にしておくことが必要です。
 ④管理方法を記載:
  ・検査方法や検査時期、頻度などを記載します。
 ⑤管理者:
  ・各特性に関する施工責任者、現場責任者、施行者等の役割を明確にします。表形式にするとわかりやすいです。
 ⑥記録、異常時の処置、関連文書を記載:
  ・その他、各工程での記録様式や、異常時の対応のマニュアル、関連文書類を記載します。

記録、異常時の処置、関連文書を記載
 

2.2  QC工程表を作成する時の注意点

 ①QC工程表の枚数を無駄に増やさない
  製品の仕様を細分化していくと、キリがありません。管理コストを考えて、管理できる範囲に抑えることが必要です。QC工程表の枚数が無駄に多いと、以下のようなデメリットがあります。
    ・不具合が発生する確率が高くなる
    ・検査方式や設計を変更する際、適切な改定ができず、形骸化してしまう
そのため加工経路が同じものなどはグループ化してまとめ、ひとつのQC工程表にしましょう。
 ②簡潔に記載する
  QC工程表の記載スペースは限られているので、具体的な作業内容まで記載できません。内容を理解できない場合には、下記の懸念があります。
   ・ 作業漏れが発生してしまい、品質管理が不十分になる
    ・確認するの手間が増え、QC工程表の利用価値がなくなる
そのためQC工程表には、重要項目や参照文書名のみを簡潔に記載するようにしましょう。
 ③徐々に精度を上げていく
  QC工程表は、最初から完成形を目指さすのではなく、徐々に精度を上げていきます。修正を繰り返してその精度を上げることによって、管理基準の間違いや過剰な品質などにも気づくことができます。

3.QC工程表以外のQCツール

 QCで使うツールには、QC工程表以外に、統計的な観点でデータを分析する、いわゆる「QC7つ道具」というものがあります。具体的にはパレート図、ヒストグラム、散布図、特性要因図、チェックシート、グラフ、管理図ですが、オールインワン・ドローイングソフトEdrawMaxを使えば、これらを簡単に作成することができます。以下ではそのうち特性要因図、散布図、グラフについて説明します。

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①特性要因図
 特性(結果)に至った要因を書き出して、どの要因が特性の変化に大きく作用するのかをわかりやすく可視化した図で、その形が魚の骨に似ていることから、フィッシュボーン図、またはフィッシュボーンチャートとも呼ばれています。
  EdrawMaxでは、「新規作成」→「ベーシック」→「グラフとチャート」→「特性要因図」を選択します。

特性要因図

qc-4.jpg
②散布図
 品質管理を行う際、結果と要因の2つの項目に関係性があるかを調べたいときがあります。このときに使われるのが「散布図」です。散布図では、2つの項目をそれぞれ縦軸・横軸にとり、2つの項目の交点を打点し、この点の分布形状により相関関係を確認します。関係があることがわかれば、その要因や特性を掘り下げることができて、対策を立てやすくなります。
 EdrawMaxでは、「新規作成」→「ベーシック」→「グラフとチャート」→「散布図」を選択します。

散布図

散布図

③グラフ
 グラフは、データを視覚的に整理・表現したもので、数値の比較や変化を把握するために使用されます。EdrawMaxでは、「新規作成」→「ベーシック」→「グラフとチャート」を選択すれば、「縦棒グラフ」、「横棒グラフ」、「円グラフ」、「ドーナツグラフ」、「折れ線グラフ」、「面グラフ」など、様々なグラフを描くことができます。

グラフ
 

まとめ

 ここではQC工程表とは何か、作業指示書とはどう違うのか、どういう場面で活用されるのか等を説明し、その具体的な事例と作成方法、さらにはQC工程表以外のQCツールについてご説明しました。
 QC工程表に関しては、表計算ソフトのExcelや文書作成ソフトのWordを使用するのが一般的で、そのテンプレートを無料でダウンロードできるサイトもあります。
 QC工程表以外でQCに用いるQC7つ道具に関しては、Wondershare EdrawMax を使えば、誰でも簡単にビジュアルに作成することができます。無料試用版はエクスポートしたファイルに透かしが入るという制限がありますが、15日間試用が可能です。是非一度お試しください。

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