基本図 知識

箱ひげ図とは?見方も作り方も紹介

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編集者: Edraw

あなたは箱ひげ図について知っていますか?箱ひげ図(Box-and-Whisker Plot)は、統計学やデータ分析において、データセットの要約と可視化に広く使用される貴重なツールです。この図は、データの分布と中央値、四分位数、外れ値などの統計的な情報を視覚的に表現します。

1.箱ひげ図とは?活用シーンを紹介

箱ひげ図は、データセットの中心傾向とばらつきを理解しやすくする役割を果たします。一つの箱ひげ図には、データの最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値が示され、時には外れ値も視覚的に表示されます。これにより、データセット内の異常値や分布の特性を素早く把握できます。箱ひげ図は異なるデータセットの比較や、異なるカテゴリ間でのデータの違いを明確に示すのに役立ち、データ駆動型の意思決定や洞察のために不可欠なツールです。図1に、箱ひげ図の例を示します。

箱ひげ図の例

図1. 箱ひげ図の例

1.1 箱ひげ図の歴史

箱ひげ図(Box-and-Whisker Plot)は、1977年にアメリカの統計学者であるジョン・W・チューキー(John W. Tukey)によって考案されました。ジョン・チューキーは統計学の分野で多くの革新的なアイデアを生み出し、データ分析の手法に多大な貢献をしました。

箱ひげ図は、大量のデータを視覚的に要約し、分布の特徴を理解するためのツールとして設計されました。その名前は、図の外観が箱とそれから伸びる「ひげ」に似ていることから派生しています。この図は、データセットの中央値、四分位数、最小値、最大値、外れ値などの統計情報を表示し、異なるデータセットの比較や分布の特性の理解に役立ちます。

ジョン・チューキーは統計学への貢献だけでなく、多くのデータ解析手法や可視化技術を導入し、統計学の発展に寄与しました。その中で、箱ひげ図はデータ分析の基本ツールの一つとして幅広く採用されています。

1.2 箱ひげ図の活用シーン

箱ひげ図はデータの分布を視覚的に表現するための有用なツールで、さまざまな分野で幅広く活用されます。以下は、箱ひげ図の活用シーンの例です:

統計学とデータ分析:

データの中央値、四分位数、外れ値などを表示し、データセットの分布を理解するために使用されます。統計的な特性を比較・評価する際に役立ちます。

医療統計学:

医療分野では、患者の診断データや治療効果の比較に箱ひげ図が利用され、異常値やデータのばらつきを視覚化します。

ビジネス分析:

売上データ、市場調査結果、競合分析などで使用し、データセット内の変動やトレンドを理解します。価格帯別の売上比較などに適しています。

教育:

学生のテストスコアや評価データを分析し、成績の分布や生徒の進歩を可視化します。

環境科学:

環境データの解析や気象データの比較など、さまざまな環境科学の分野で活用されます。

資産管理:

資産のリスク分析や収益性の比較に使用し、ポートフォリオのパフォーマンスを評価します。

製造業:

製品の品質管理や製造プロセスの効率改善において、異常値や品質の一貫性を監視するのに役立ちます。

スポーツ統計:

スポーツの成績や記録を可視化し、選手の能力や競技の傾向を分析します。

ソーシャルサイエンス:

アンケートデータや社会調査結果の可視化に使用し、社会現象や傾向の理解を支援します。箱ひげ図はデータの要約と可視化において優れたツールであり、データ駆動型の意思決定や問題解決に不可欠な役割を果たしています。

2. 箱ひげ図の見方

箱ひげ図は統計的なデータ可視化手法で、データセットの中央値、四分位範囲、外れ値などの要約統計情報を表示します。以下は箱ひげ図の主要な要素とその見方です:

最大値(Maximum):

箱ひげ図の上部にある横線は、データセットの最大値を示します。

最小値(Minimum):

箱ひげ図の下部にある横線は、データセットの最小値を示します。

中央値(Median):

箱ひげ図の中央にある線(箱の中央に引かれた線)は、データセットの中央値を示します。中央値はデータを中央で分割する値です。

箱(Box):

箱はデータの第一四分位数(Q1)から第三四分位数(Q3)までの範囲を表します。箱の上部と下部はQ3とQ1を示し、この範囲内にデータの50%が含まれます。箱の高さは四分位範囲(IQR = Q3 - Q1)を表します。

ひげ(Whiskers):

箱ひげ図の上部および下部から伸びる線は、外れ値を除いたデータの範囲を示します。通常、ひげは最小値からQ1の1.5倍IQR、およびQ3から最大値まで伸びます。外れ値はひげの範囲外のデータ点です。

外れ値(Outliers):

ひげの範囲外にあるデータ点は外れ値として表示されます。外れ値はデータの異常値を示し、データセットの分布を理解するのに役立ちます。

箱ひげ図はデータの中央傾向、ばらつき、外れ値の有無を視覚的に理解するのに役立ちます。箱の高さが狭い場合、データが中央に集中していることを示し、箱が高い場合、データが広く分散していることを示します。外れ値の存在はデータの異常を示すかもしれません。箱ひげ図は統計的な要約情報を提供し、異なるデータセットの比較やパターンの発見に役立ちます。図2に箱ひげ図の見方を示します。 

箱ひげ図の見方

図2. 箱ひげ図の見方

3.箱ひげ図平均値の求め方

箱ひげ図(Box Plot)は、データセットの中央傾向と分布を視覚化するための方法で、通常、平均値は直接表示されません。箱ひげ図は中央値(Median)、四分位範囲(Interquartile Range, IQR)、外れ値を重視します。平均値を箱ひげ図に表示したい場合、以下の方法で計算し、グラフに追加することができます:

A.データセットの平均値を計算します。

B.平均値を箱ひげ図の描画領域に追加します。これは、箱ひげ図の中央に直線や点として表示されることが一般的です。

ただし、平均値は箱ひげ図の本質的な要素ではないため、追加するかどうかはデータの特性と可視化の目的に依存します。平均値を表示することで、データの中央傾向の別の指標を提供できますが、箱ひげ図の本来の目的である四分位範囲と中央値に焦点を当てることが一般的です。

平均値を箱ひげ図に追加する場合、それがデータセットの中央傾向をより詳細に理解するのに役立つかどうかを考慮し、可視化をクリアに保つことが重要です。データセットの特性に合わせて平均値を表示または非表示にすることが一般的です。

4.箱ひげ図の作り方

前述のように箱ひげ図はデータの分布を視覚的に表現するための有用なツールです。では、この図を作成するにはどうすればよいでしょうか?非常にポピュラーでよく使われるツールであるExcelとEdrawmaxそれぞれの場合について、いかに解説します。

4.1 Excel

Excelを使用して箱ひげ図(Box-and-Whisker Plot)を作成するには、以下の手順に従うことができます。Excelは箱ひげ図の作成には少し手間がかかります。

注意: Excelのバージョンによって手順が異なることがあるため、あなたのExcelバージョンに応じて調整が必要かもしれません。

データを整理: まず、箱ひげ図を作成するためのデータを整理します。Excelのワークシートにデータを配置し、列ごとに異なるデータセットを用意します。一般的には、一つのデータセットごとに一つの箱ひげ図を作成します。

箱ひげ図の作成: データを整理したら、次の手順に従い箱ひげ図を作成します。

a. データを選択します。

b. "挿入" タブをクリックします。

c. "統計図"(Excel 2013以降)または "箱ひげ図"(Excel 2010)を選択します。これにより、箱ひげ図が挿入されます。

箱ひげ図のカスタマイズ: 作成した箱ひげ図をカスタマイズできます。これには、軸のラベル、図のタイトル、色などを設定できます。また、必要に応じて異なるデータセットの箱ひげ図を重ねて表示することもできます。

外れ値の表示: Excelの箱ひげ図は通常、外れ値を表示しません。外れ値を含めて表示したい場合は、データに対して外れ値を特定し、それをグラフに追加する必要があります。外れ値をマークするための別の列を作成し、それを箱ひげ図に追加します。

4.2 EdrawMax

Wondershare EdrawMax は非常に多くの図の作成に対応しています。しかも機能に制限はついていますが無料でダウンロードできるという点も非常に魅力的です。箱ひげ図にも対応しているので作成することができます。

ためしに、EdrawMaxで作成してみましょう。メニューから挿入→プラグイン→Apache EChartsを選択してください。

箱ひげ図の作り方

次に、グラフを選択します。メニューから箱ひげ図をクリックするとテンプレートとして3種類の箱ひげ図が表示されます。

箱ひげ図の作り方

この例では、一番左の「基本的な箱ひげ図」を選択してみましょう。

サンプルデータが入った箱ひげ図が表示されます。「キャンパスに挿入」をクリックすると描画キャンパスに、箱ひげ図が挿入されます。データの編集も可能です。作成された箱ひげ図は、コピーアンドペーストで他のアプリケーションに貼り付けることもできるので非常に便利です。

箱ひげ図の作り方

まとめ

箱ひげ図は、統計学やデータ分析においてデータセットの要約と可視化に用いられるツールで、中央値、四分位数、外れ値などの情報を視覚的に表現します。ジョン・チューキーによって1977年に考案され、統計学の発展に貢献しました。箱ひげ図はデータセットの特性を理解し、異なるデータセットの比較や傾向の発見に役立ちます。

箱ひげ図の主要要素には最小値、最大値、中央値、四分位数、外れ値が含まれ、データの中央傾向と分布を示します。平均値は箱ひげ図には通常含まれませんが、必要に応じて追加できます。

Excelを使用して箱ひげ図を作成する場合、データの整理、図の挿入、カスタマイズ、および外れ値の表示が必要です。また、EdrawMaxを利用して箱ひげ図を作成することも可能で、無料でダウンロードできるソフトウェアが提供されています。箱ひげ図は統計データの視覚化に役立つ重要なツールであり、異なる分野で幅広く活用されています。

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