物理の基礎範囲では光についての問題が出題され、中学1年生の理科でも光について学習します。理科を苦手としている学生には、中学生範囲の知識が不十分という可能性が大きいです。
今回は光について用いられる凸レンズのしくみ、光によって見える実像や虚像について理解していただき、作図方法を身につけるポイントを紹介します。
- 目次 -
Part 1: 凸レンズとは
中学・高校で学ぶ物理では実験器具の仕組みや使い方を覚えることも大切です。光について学ぶ場合には、凸レンズが一般的な道具になります。凸レンズは、レンズの中心部分が膨らんでいることが特徴です。
まずは教科書でも説明されている基礎知識を確認していきましょう。
● 実像
● 虚像
上記の4つを進んで、3本の光が交差している場所が実像が映る場所です。
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1.1 凸レンズのしくみ
☝☝上図はEdrawMaxで作成した凸レンズのイメージ☝☝
凸レンズは、 光を1点(焦点)に集める ことができます。虫眼鏡で火をおこしたり、ソーラークッカーという調理器具で、火を使わずに調理が出来たりするのも、光が集められて同時に熱が発生するからです。
また光を集めるということは、光によって見えている情報も詳しく集めることが出来ます。そのため凸レンズで物を見ると、見え方が実際より大きいです。このしくみを利用して虫眼鏡や、生物の実験で用いられる顕微鏡が作られています。
最後に理科で重要となる凸レンズのしくみに、集めた光を利用して映像を映すというものがあります。プロジェクターや映画館の映写機は、このしくみを利用している機械です。
1.2 実像
理科の実験では、光をレンズに通してスクリーンに映像を映します。このスクリーンに映る映像が実像です。レンズや光の屈折などで集まった光が映像を作り、周囲にあるどの位置からでも実像は目にすることが出来ます。
1.3 虚像
実像と対比して用いられる映像に、虚像があります。スクリーンに映るわけではなく、レンズ越しに映像は見えるけど、実際には目にすることが出来ないことが特徴です。
物理の基礎である光では、実像と虚像をしっかり区別して覚える必要があります。実験時における特徴としては、レンズによって光があつまる焦点より外側の位置に物体を置くことで見える像が実像、内側の位置に置くことで見える像を実像という認識も重要です。
Part 2: 像の作図方法について
中学の理科や、高校の物理基礎では作図をして問題を取りたり、考えたりすることも多くあります。そのため光に関する基礎知識と図の作図方法を把握しておくことが不可欠です。作図ソフトであるEdrawMaxを用いて、2つの像を作図してみました。
2.1 作図をする前に知っておくべき基礎知識
- 焦点
複数の光が、一つに集まっている場所のこと
- 焦点距離
レンズの中心部分から、焦点までの距離のこと
- 光の直進
光は基本的には、まっすぐに進むという性質がある
- 光の屈折
光が水やレンズを通過する際、屈折して向きを変えること
- 凸レンズでの光の動き
光が水やレンズを通過する際、屈折して向きを変えること
またレンズのはじを通過する光は屈折して、光の焦点を通過する。
2.2 作図方法①ー実像
実像を作図する時のポイントは、レンズの左右に設けられている焦点距離を意識することです。通常は左に物体、右側に物体の像を表すことになります。
1. 焦点距離より外側に物体をおく。(焦点距離の上や、内側だと像が出ない)
2. 物体の先端とレンズの中央部分を直線で結ぶ。
3. 物体の上部を通る光は、床に対して平行に直進した後、レンズに触れて屈折し、焦点を通過する直線になる。
4. 物体からレンズ手前の焦点を通る光はレンズに触れて、床に対して平行な直線にする。
上記の4つを進んで、3本の光が交差している場所が実像が映る場所です。
2.3 作図方法②ー虚像
虚像はレンズ越しに見える像で、物体が焦点より内側、つまりレンズよりあることが特徴です光の進み方や、直線の引き方は実像で行う作図方法と違いはありません。ただし、光が交差する場所が実像とは異なり、物体がある方に像ができます。
1. 焦点距離より内側に物体をおく。
2. 物体の上部を通る光は、床に対して平行に直進した後、レンズに触れて屈折し、焦点を通過する直線になる。
3. 物体からレンズ中心部を通る光はそのまま直進させる。
4. 2、3の光は交差するように、実際にはない光を点線をつかって表す。
実像と虚像それぞれに、物体とレンズの位置関係で見える像の大きさが変わってきます。目安としては、焦点距離の2倍の位置に物体を置くと像の大きさがもとの物体と同じになり、2倍より近づくと大きく、2倍よりはなれると小さくなる特徴を覚えましょう
Part 3: まとめ
今回は物理範囲である光と凸レンズの特徴について紹介しました。実像や虚像という言葉は実際に作図してみて理解できることが多いです。また作図そのものが出題されることも多いため、しっかりと用語や性質を理解することをおすすめします。
作図するのに優れた機能をもつEdrawMaxであれば、保存して見直しに便利な資料を簡単に作ることが可能です。またEdrawMaxは大量な理科イラストを利用できます。ぜひダンロードして試してみてください。