ユースケース図の書き方を解説【テンプレート付き】

ユースケース図は、システムのユーザー（アクター）とシステムとの相互作用を視覚化するための図表です。主にUML（統一モデリング言語）で表現され、システムの要件を明確にし、開発チームや利害関係者との共通理解を促進します。新しいシステムの設計や既存システムの改善、プロジェクトの初期段階での要件定義などで使用され、システムの全体像を可視化し、アクターやユースケースの関係を明確にすることで、議論や表現をサポートします。

この記事では、ユースケース図の書き方を中心に、ユースケース図の要素と記述方法を紹介します。クリックすれば編集可能なユースケース図のテンプレートも配布しますので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

1.ユースケース図とは

ユースケース図とは、システムのユーザー（アクター）とそのシステムとの相互作用を視覚化するために使用される図表です。主にUML（統一モデリング言語）で表現され、システムが人や他のシステムとどのように関わるかを示します。この図を作成することで、システムの要件を明確にし、開発チームや利害関係者との共通理解を促進することができます。

ユースケース図が使われる場面としては、新しいシステムの設計や既存システムの改善、プロジェクトの初期段階での要件定義などがあります。これらの場面でユースケース図を用いることで、システムの全体像を可視化し、アクターやユースケースの関係を明確にすることができ、議論や表現をサポートします。

ユースケース図のメリットは多岐にわたります。まず、視覚的な表現によって、システム要件や相互作用を簡単に理解できるようになります。また、チーム全体や利害関係者との共通認識を図りやすくするため、コミュニケーションが円滑になります。さらに、要件の曖昧さを減らし、変更時のリスク管理にも役立つため、システム開発の効率を高めることができます。

2.ユースケース図の要素と記述方法

ユースケース図を理解するためには、まずその主要な要素を知ることが重要です。主な要素には、アクターとユースケースがあります。

アクターはシステムと相互作用する人物、組織、または外部システムを指します。アクターはシステム外部の存在であり、システムに対する要求や操作を行います。アクターは通常、人間のアイコンや役割名で表現されます。

ユースケースは、アクターがシステムと相互作用して達成する特定の目的や機能を示すものです。ユースケースはラベル付きの楕円形で表現され、具体的な名前が付けられます。たとえば、「注文を作成する」や「レポートを生成する」などがユースケースになります。

ユースケース図では、アクターとユースケースの間に線を引いて関係性を示します。これにより、どのアクターがどのユースケースに関与するかを明確にすることができます。また、ユースケース間での関係性（例えば、「include」や「extend」）も示すことができます。これにより、多層的なシステムの動作を視覚的に理解しやすくなります。

記述方法としては、まずアクターを特定し、それからユースケースを洗い出します。次に、アクターとユースケースの関係性を図示し、必要に応じて追加情報を記入します。この段階で、ユースケース間の関係性も整理すると、より詳細な相互作用モデルが作成できます。

3.ユースケース図を書く時の手順

ユースケース図はシステムとそのユーザーとの相互作用を視覚的に表すための強力なツールです。具体的なユースケース図の書き方を分かりやすく解説します。以下の手順に従ってユースケース図を作成することで、そのプロセスが整理され、明確になります。

Step 1：システム境界の定義

まず、システムの範囲を明確にします。システムがどこからどこまでをカバーするのかを決定し、図の中にシステム境界を描きます。これにより、システムと外部環境とのインターフェースが明確になります。

Step 2：アクターの洗い出し

次に、システムと相互作用するすべてのユーザー又は外部システム（アクター）を特定します。アクターには、人間のユーザーだけでなく、外部のシステムや組織も含まれます。

Step 3：ユースケースの特定

システムが提供するすべての機能、すなわちユースケースを洗い出します。ユースケースはシステムがアクターに対してどのようなサービスを提供するかを示します。

Step 4：アクターとユースケースの関連付け

アクターとユースケースを線でつないで、どのアクターがどのユースケースを使用するのかを明確にします。これにより、システム内の相互作用が視覚的に理解できます。

Step 5：ユースケース間の関係を追加

ユースケース間の関係性（包括、拡張など）を示します。これによって、ユースケース同士の関連性や依存関係が明確になります。

4. Order Systemのユースケース図を書く例

具体的な例として、Order Systemのユースケース図を書いてみましょう。このOrder Systemは、顧客が製品を注文し、注文内容を確認し、支払いを行うシステムとします。

Step 1：システム境界の定義

Order Systemのシステム境界を描きます。このシステム境界内にすべてのユースケースとアクターが含まれます。

Step 2：アクターの洗い出し

このシステムの主要なアクターは「顧客」「販売管理者」の2つとします。

Step 3：ユースケースの特定

Order Systemが提供するユースケースとして、「製品の検索」「製品の注文」「注文の確認」「支払いの処理」「注文のキャンセル」があります。

Step 4：アクターとユースケースの関連付け

「顧客」は「製品の検索」「製品の注文」「注文の確認」「支払いの処理」「注文のキャンセル」に関連し、「販売管理者」は「支払いの処理」と「注文のキャンセル」に関連します。

Step 5：ユースケース間の関係を追加

「製品の注文」は「支払いの処理」を包含し、「注文の確認」は「注文のキャンセル」を拡張する形で関連付けられます。

5.ユースケース図のテンプレート3選

ユースケース図を簡単に作成したいとき、利用可能なテンプレートは非常に便利です。ここでは、「EdrawMax」で利用可能なユースケース図のテンプレートを3つ紹介します。

 5.1基本ユースケース図

（画像をクリックして編集することが可能です）

このテンプレートは基本的なユースケース図を作成するのに適しています。システム境界、アクター、主なユースケース、ならびにそれらの間の関係を簡単に示すことができます。エントリーレベルでユースケース図を学ぶための良い出発点です。

5.2 拡張ユースケース図

もう一つのテンプレートは、包括関係や拡張関係を含む詳細なユースケース図です。これにより、複雑なシステムでのユースケース間の依存関係や関係性を視覚化することができます。プロジェクトが進行し、要件が増えるときにも対応可能です。

5.3ビジネスユースケース図

（画像をクリックして編集することが可能です）

ビジネスプロセスを視覚的に表現するのに特化したテンプレートです。企業や組織のビジネスプロセスのユースケースを詳細に示すことができ、利害関係者とのコミュニケーションをスムーズにします。特に、プロジェクトマネージャーやビジネスアナリストにおすすめです。

これらのテンプレートはすべて「EdrawMax」で簡単にダウンロードして利用することができます。EdrawMaxは多機能でありながら使い方が簡単なため、初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。EdrawMaxを活用することで、ユースケース図の作成がさらに効率的になります。

ユースケース図の作り方を分かりやすく解説する際、テンプレートを使用することで一層効率的に学べる方法があります。特に「EdrawMax」というソフトを利用すると、豊富なユースケース図のテンプレートが手に入ります。「EdrawMax」内で「use case」と検索すると、すぐに目的のテンプレートが見つかりますので非常に便利です。

このようなテンプレートを使用することで、ユースケース図の書き方やその要素を簡単かつ明確に理解することができます。例えば、ダウンロードしたeddxファイルを見ながら、実際のユースケース図を作成する手順を学べるため、初心者でもすぐに使えるノウハウが身に付きます。

EdrawMaxのユースケース図テンプレートを利用することで、UMLユースケース図を効果的に作りあげることができ、システムの相互作用や要件を視覚的に確認することができます。これにより、プロジェクトチーム内でのコミュニケーションが円滑になり、より具体的な議論を行うことが可能となります。また、テンプレートを使うことで、一から図を作成する手間を省き、効率よく作業を進めることができます。

6.おススメのユースケース図作成ツール「EdrawMax」

 「EdrawMax」を使ってユースケース図を書いた感想ですが、非常に使いやすくて驚きました。操作が簡単で、初めてのユーザーでも迷わずに図を作成することができます。特にテンプレートの豊富さが魅力で、どんなシナリオにでも対応できる選択肢があります。ユースケース図作成の際に、「EdrawMax」が提供するガイドやテンプレートを利用することで、非常に効率的に作業を進められると感じました。結果として作成した図は見やすく、チーム内のコミュニケーションも円滑になりました。システム要件やアクタ間の関係を視覚的に明確にすることで、プロジェクトの進行もスムーズに行えました。全体的に「EdrawMax」を利用することで、ユースケース図の書き方に関する理解も深まり、より高度な図を作成する自信がつきました。