データ分析を行うときは、データをグラフや図に整えることで、より視覚的に把握しやすくなります。グラフと一言でいっても、様々なタイプのものがあるため、適切な情報を得るためにデータ量や用途によって使い分けて行かなければなりません。今回紹介するのは、データの相関を調べるために用いられ、ひとつの図で多くの情報を掲載し、視認性を高めるバブル図とバブルチャートです。バブル図とバブルチャートにはどのような違いがあるのか、作図方法や実際に使われている事例などについてまとめます。
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Part 1: バブル図とバブルチャートとは
バブル図とバブルチャートは定義を紐解くと、データ名だけを記して表示する場合と数値の大きさも第三データとして扱う場合とで違いがあるようです。
1.1 バブル図とは
バブル図はデータポイントの代わりに、円形のバブル型の図形を使ってデータを表示するグラフのことを指します。マインドマップにおいては、円形のトピックを放射線状に広げる階層構造で、項目ごとやカテゴリーごとに分けて、アイディアや考え方をまとめる形のものを表します。
また、マインドマップの場合は、バブル図とバブルチャートが同じ意味で使われることもあるようです。点や折れ線でグラフを作成するのと同じように、円形の図形で表示されるのがバブル図だという認識で問題ありません。
1.2 バブルチャートとは
バブルチャートは、一般的にバブル図にX軸(横軸)、y軸(縦軸)を加えて、3つ目のデータをバブルの大きさで表すことを言います。
バブルチャートは、一つのグラフで複数の情報量を表示できると共に、一目でデータを把握しやすいことから、2軸で表すチャート図にデータを加える分析や、をするときなどに役立ちます。
しかし、データが多すぎるとバブルが見えづらくなることもあるため、大量なデータを扱う必要がある際には、あまりおすすめできません。
もし、バブルチャートを活用するのであれば、比較をしたいデータが3項目あり、同じチャート内で分析を行いたい時に有効な手段となります。
Part 2: バブル図やバブルチャート向き専用ソフト
マインドマップは手書きで行うことも多いですが、ビジネス資料作成に役立てることを考えるとソフトが重宝します。 その中でもバブル図、バブルチャートの作図作成ソフトとしてEdrawMaxとErawMind(旧名:EdrawMind)の2つが評価が高いです。その詳細について説明します。
2.1 EdrawMindを用いたバブル図の作図方法
マインドマスターでバブル図の作図を行う場合は、
- 空白のテンプレートからバブル図を選択すれば、そのまま作成に進んでいけます。
- バブル図は画面中央に中心トピックが設置されているため、自分がまとめたい内容のタイトルを決定します。
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タイトルを決めた後は、放射線状に思いつく限りのアウトプットを行い、トピック追加していきます。
エンターキーもしくは、右クリックを押して、トピックを選べば一個ずつの作成が、複数トピックを選べば一回で多くのトピックが追加して行けます。 - エンターキーもしくは、右クリックを押して、トピックを選べば一個ずつの作成が、複数トピックを選べば一回で多くのトピックが追加して行けます。
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ひとしきりアウトプットが終わった後は、削除などを行いながらカテゴリごとに分けていくだけです。
項目ごとに分けたい時は、メインとなるトピックに、つなげたいトピックをドラッグして近づけるだけで、サブトピックとしてくっつけることができます。
どのようにチャートが広がっていくかは、テンプレートでデザインを選ぶことができるため、自分が気に入ったものをご自由に選んでください。
上図:EdrawMindで作成したバブル図の図例
2.2 EdrawMaxを用いたバブルチャートの作図方法
EdrawMaxを使ったバブルチャートを作成する場合は
- ライブラリーからバブル図形をドラッグすることで、ショートメニューが表示され、左のアイコンを選ぶと、図形に対応するチャートが現れます。
- 後は、項目と数値を入力していけば、バブルチャートはその結果に合わせて変化していきます。
- テンプレートなども用意されているので、項目の名前を変えたり、数値を変えたりしていくだけで、バブルチャートを作成することも可能です。
- 比較したい数値のファイルがあれば、ライブラリーからバブル図形をドラッグした後に、直接ファイルを導入すれば、簡単にグラフが作成されます。
- データのエクスポートなどにも対応しているので、誰でも簡単にバブルチャートの作図ができるでしょう。
上図:EdrawMaxで作成したバブルチャートの図例
Part 3: ビジネスやデータ分析への運用実例を紹介
実際にバブル図あるいはバブルチャートを運用して、ビジネスやデータ分析に役立てている例をいくつか紹介します。マインドマップとグラフで使用される際の共通点は、バブル形の図形を使って、視覚化してわかりやすくすることを目的にしている点です。
3.1 バブル図の運用実例
マインドマップで使われるバブルズ図は、頭の中のアイディアをアウトプットすることで整理ができるため、新しい事業などのメリットや問題性を整理する際に用いられます。他にも、研修や旅行などの工程を考えたり、数学や英語の問題の解き方をまとめたりと、ビジネスから勉強、プライベートなシーンまで、様々な思考を整理するのに使われます。バブル図の用途はマインドマップだけではありません。データの分析においては、より直感的に物事を把握するためにバブル図は使用されています。
3.2 バブルチャートの運用実例
バブルチャートは主に、PPM分析を行うときに使われます。
PPM分析とは、市場成長率と市場占有率の2軸から事業や製品を座標上で分類して、経営資源の投資配分を決める際に用いられます。
マーケットシェアの一番高い「花形」、 市場占有率が高く安定した収入を見込める「金のなる木」、競争率が激しいにもかかわらず利益が出にくい「問題児」、成長率が低く収入を見込めない「負け犬」、の4項目に分けて分析していきます。
バブルチャートはそれぞれのサービスや製品がどの項目に当てはまるのか、成長率と利益率がどれぐらいのところにあるのか、バブルの重なり具合で比較しやすいため、 PPM分析に最適だといえるでしょう。
Part 4: まとめ
バブルチャートは、バブル図により詳しいデータを取り入れて分析する方法です。マインドマップにおいては、バブル図とバブルチャートは同じものとして扱われる場合もあります。
バブルチャートの作成はエクセルを使って行うこともできますが、EdrawMaxやEdrawMindなどのソフトを使えば、テンプレートや様々なデザインを使って、より簡単に作成することができます。PPMなどのデータの分析から、マインドマップでアイディアや思考の分析までできる、バブルチャートとバブル図を試してみてはいかがでしょうか。