Chen ERDとは

「Chen ERD」と言うIT用語を聞いたことがあるでしょうか？システムエンジニア・プログラマーのITエンジニア職でも見聞きしない用語です。「Chen」は人名です。後章で紹介していきます。「ERD」はEntity Relationship Diagramの略称で、別名「ER図」「EER図」「ERダイアグラム」「実体関係図」「エンティティ・リレーションシップ・ダイアグラム」と言い、ERモデルを表記するために記述方法、その表記されたドキュメント自体を示します。 本記事では「Chen ERD」について詳しくご紹介いたします。

プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし

Part 1: Chen ERDとは

はじめの部分で紹介しましたが「Chen」は人名です。アメリカ合衆国の計算機科学者であるピーター・ピンシャン・チェン博士（Peter Pin-Shan Chen）が、1976年に実体関連モデルを開発したことから「Chen ERD」と命名されました。ピーター・ピンシャン・チェン博士は台湾生まれで、国立台湾大学で電気工学の学士号を取得しました。その後アメリカ合衆国へ渡り、ハーバード大学で計算機科学と応用数学の博士号を取得しました。 同じくはじめの部分で紹介しましたが「ERD」はEntity Relationship Diagramの略称で、別名「ER図」「EER図」「ERダイアグラム」「実体関係図」「エンティティ・リレーションシップ・ダイアグラム」と言い、ERモデルを表記するために記述方法です。「Chen ERD」はピーター・ピンシャン・チェン博士が提唱したオリジナル表記法を示します。ピーター・ピンシャン・チェン博士は、CASE（Computer Aided Software Engineering）の基礎を築きました。

Part 2: Chen ERDの作図方法を詳しく紹介する

2.1 無料ダウンロード作図ソフトEdrawMaxの操作方法

EdrawMaxはインターネットWebサイトからDLして使用することができます。無償～有償のアプリケーションが用意されています。今回は無償のChen ERD図の作成を紹介します。

1.「EdrawMax」を開始すると、「新規作成」のウィンドウ画面が開きます。

2.「新規作成」をクリックするとウィンドウ画面に「データベース」で利用可能なすべてのテンプレートが表示されます

3.「Chen ERD」のアイコンをダブルクリックして、作図画面が出てきます。

4.また「Chen ERD」のテンプレートをオープンすると、テンプレートで自由に編集することができます。

上図：EdrawMaxでのChen ERDのテンプレート

☞☞無料ダンロードテンプレートこちらへ☜☜

5.ファイルのタブに移動して名前を付けて保存をクリックします。Visio形式・PDF形式・HTML形式・画像形式などの保存するファイル形式を選択して保存します。

上図：EdrawMaxからエクスポートしたChen ERDの図

2.2 Chen ERDのシンボル一覧表

Chen ERDのシンボル
名前	Chen ERD 記号	説明
属性		実体と関連はどちらも属性を持つこと
集合		オブジェクトに構成する特別な種類の集合
多対多		多対多リレーションシップ
一対多		最も普通のリレーションシップの種類

☞☞Chen ERDのシンボルについて詳しくこちらへクリック☜☜

プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし

Part 3: Chen ERDの運用実例をご紹介する

大手事務機器販社の大塚商会はeラーニングで「ERD図」の講座を提供しています。リレーショナルデータベース構築をする上で「ERD図」を用いることで、リレーション定義を容易に習得できるカリキュラムを用意しています。

Part 4: まとめ：Chen ERDの発展現状

今まで説明したように「Chen ERD」は、ソフトウェア工学の先駆者であるピーター・ピンシャン・チェン博士（Peter Pin-Shan Chen）が開発した「ER図」のことです。ピーター・ピンシャン・チェン博士（Peter Pin-Shan Chen）は、1970年代に「Chen ERD」を発表しています。現在のオブジェクト指向によるソフトウエア開発技法とは乖離があるようです。
しかし、システム開発においてリレーショナルデータベースの構成図は重要な資料です。資料はペーパーからデータやファイル化していますが、「ER図」「EER図」を整理・整備しておくことで、ユーザーインターフェースからデータベースの更新先がわかるようになります。ソフトウエア開発技法がオブジェクト指向に移行してもリレーショナルデータベースの設計図・構成図（ER図/EER図）は重要なドキュメントに位置付けられています。