建築デザイン-間取り図例

階段図面のテンプレートと書き方

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編集者: Edraw

建築物において、高低差のある階への移動に必要な階段は重要な役割を果たすものです。

階段があることで、安全な上下階への移動が可能となっています。そんな階段にも種類や、歩く部分の寸法、高さなどの目安が存在します。安全性や利便性の高い階段の設置を行うために必要なことであり、正しい階段図面作成に必要なものです。

そこで今回の記事では、階段の種類や寸法の目安、平面図における階段記号や階段の書き方について解説していきます。今回の記事を参考に階段の知識を深め、正しい階段図面作成を行いましょう。

1. 階段の種類

階段にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット、デメリットが存在します。そんなよくある階段の種類について詳しく解説していきます。

階段図面の素材

EdrawMaxでは、階段の図面記号についてテンプレートとして多くの種類がそろっています。テンプレートの中から、設置したい階段を選んで、ドラッグして設置したい場所に移動すれば簡単に階段を設置できます。設置後にサイズの変更なども可能であるため、自由度の高い階段が簡単に設置できます。

・直線階段

直線階段

こちらは最も一般的な階段で、一直線に上がっていく形の階段のことをいいます。

間取りの検討をする際に、直線であるため配置がしやすく、狭いスペースの場所などにも設置しやすい特徴があります。設置部材も最小で済むため、他の階段に比べて安い傾向にあります。

しかし足を踏み外した場合、下まで一気に落ちてしまう危険性があるため、注意が必要です。

・L字階段

L字階段

こちらは、階段の途中で90度に折れ曲がるL字型の階段のことをいいます。

部屋の角に設置することが可能であるため、設置スペースの検討がしやすい特徴があります。

さらに、踊り場部分があるため、足を踏み外しても途中で止まり怪我のリスク軽減につながります。

・折り返し階段

折り返し階段は、階段の途中で180°に折れ曲がったコの字型の階段のことをいいます。

特徴としては、L字階段同様に、踊り場があるため、落下時のリスク軽減があります。

さらに踊り場があることにより、階段の勾配が比較的緩くなるため、階段の移動が楽に行えます。

・らせん階段

折り返し階段

らせん階段は、1本の柱を中心にして、踏板をらせん状に設置してある階段のことをいいます。

デザイン性に優れており、一般的な階段と比べて省スペースで設置が可能となっています。

しかし蹴込部分がスケルトンで無いデザインのタイプもあるため、物の落下や足を踏み外したりすることがないように注意が必要です。

・曲がり階段

曲がり階段

曲がり階段は、デザイン性の高さが特徴の階段です。

住宅で採用されることは少なく、ホテルや公共施設などで採用されることが多いです。

そのデザイン性の高さから施工面やコスト面については他の階段と比べてデメリットとなってきます。

上記がよくある階段の種類となっています。

それぞれの特長や、安全性、利便性や空間との相性などを理解していきましょう。

2.図面に反映された階段の記号

平面図において、階段を表す記号は階段の種類や仕様を示すために重要な役割を果たします。階段を表す要素が線だけでは、正しく階段の情報を表現できません。

そこで階段を正しく表記するための記号について紹介していきます。

・矢印

矢印は階段の上がり方向や下がり方向を示すために使用します。

矢印の先端がその方向示します。

・切断線

階段の途中で切断される部分を明確にするための線です。

二重線やジグザグの線で表現されます。

・段数の表記

階段の踏板部分に数字を表記していき、階段の段数を示します。

これにより、階段が何段で上がりきるのかなどが明確になってきます。

・手すりや壁の表記

階段設置に必要となってくる、手すりや壁も正確に書いていきます。

これにより、階段を構成する部材が明確になってきます。上記のように、階段を書く際にはさまざまな追加記号を表記する必要があるため、階段の種類に合わせて追加記号を足していきましょう。

3.階段寸法の目安

階段の設計、設置を行うためには、建築基準法で定められた寸法で実施する必要があります。

階段の高さや踏板の幅などさまざまな部分が定められています。

そんな建築基準法で定められている階段の各種寸法は以下のとおりです。

・階段の幅

階段の歩く部分の幅の寸法は、住宅の場合、公共施設の場合と分けられます。

住宅の階段の場合は、最小幅75㎝以上、劇場や映画館などの公共施設の場合は最小幅140㎝以上と定められています。

・蹴上

蹴上は階段の1段の高さを表します。

高すぎたり、低すぎると不便に感じられます。

住宅の階段の場合は、最大23㎝以下、公共施設の場合は最大18㎝以上と定められています。

・踏面

踏面は階段の足を乗せる部分を表します。

こちらが狭いと階段を使用する時に落下の危険性が高くなってしまいます。

住宅の階段の場合は、最小15㎝以上、公共施設の場合は最大26㎝以上と定められています。

上記が建築基準法で定められている寸法です。

建築基準法で定められている階段寸法は、最低限の寸法であるため、快適に使用するためには、余裕をもった寸法で計画することがおすすめです。

建築基準法以外にも階段寸法の目安となる基準があります。

ユニバーサルデザインと呼ばれる、誰でも安全かつ快適に利用できることを目的とした基準が存在します。このユニバーサルデザインによる階段の寸法は以下のとおりです。

・階段の幅

最小幅は140㎝以上とされています。

・蹴上

蹴上については、最大16㎝以下とされています。

・踏面

踏面については、最小30㎝以上とされています。

・踊り場

踊り場の設置高さは、高さ75㎝以内ごとに設置することを定めています。

上記のように建築基準法に比べて、ゆとりのある階段の寸法となっています。ユニバーサルデザインは、特に高齢者や障害者の移動を快適なものとするために、設計されています。建築基準法のように法的な拘束力はないので、必ずこの寸法で設置しないといけないわけではありません。

住宅などの比較的規模の小さな建物では、ユニバーサルデザインの寸法では、スペースを圧迫する可能性もあるため、階段寸法の目安として活用することがおすすめです。

4.平面図で階段の書き方

ここからは、平面図での階段の書き方について解説していきます。

階段図面を書くためには、いくつかの手順にしたがって書いていくことが必要となってきます。

・階段の位置決定

まず階段を設置する位置を決めて、階段の始まりと終わりの位置を決めます。

一般的に階段は建物の端や中心に設置されることが多いです。

・階段の幅や段数を決定

階段には建築基準法などで定められた寸法があります。

それらに即した寸法で階段の幅や段数の決定を行います。

階段の幅は建物のモジュールによって決定されることが多いですが、段数についてはさまざまな要素を考慮する必要があります。

階高と蹴上げの高さを考慮して段数も決定していきます。

階段の幅や段数を決定

・階段の形を書いていく

位置や寸法が決まってきたら、階段の形を書いていきます。

階段の種類には、直線階段やL字型の階段などがあるため、適した形の階段の形を書いていきます。

・階段の踏板を書いていく

階段の踏板を書いていく

階段の段数に合わせて踏板の線を記入していきます。

これによって階段の形状はきまっていきます。

・手すりや矢印のを追記していく

手すりや矢印のを追記していく

階段の形状が書けたら、手すりなど追加部材をかいていきます。

その他には、階段の始点や上がり方向を示す矢印を書いていきます。

この矢印の表記がないと、どちらから上がっていくのかがわかりづらくなってしまうのでしっかり書きましょう。

その他にも階段の段数のなど記入しておくと、一目段数もわかり、照明器具設置の際の高さ検討がしやすくなってきます。

さらに切断線なども表記して図面の精度を上げていきましょう。

上記が一般的な平面図での階段図面の書き方の例となってきます。

階段には種類がいくつかあります。

その階段の種類によって書き方も変わってくるため、基本事項をしっかり整理してどんな階段図面でも書けるようになっていきましょう。

まとめ

今回の記事では、階段の種類や階段の寸法目安、階段図面の書き方について解説していきました。

住宅であれば毎日使用する部分であり、公共施設であれば、不特定多数の人が利用するのが階段です。

安全性や利便性を考慮して、適切な階段の設置が求められます。そのため、必要最低限の階段寸法を理解し、設置場所に余裕がある場合には、ユニバーサルデザインの寸法を参考にするのもおすすめです。階段の知識を正しく理解して、適切な場所に適切な種類の階段の設置を行うための参考にしてくだい。

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