AWS構成図は、AWSを利用して稼働しているサービスの仕組みを説明する重要なドキュメント・ダイアログの1つです。AWSを利用したサービスの設計図として、クライアントへの説明資料として、さまざまな場面で活用できます。
この記事では、AWS構成図とは何かについて解説します。また、AWS構成図に書く内容、書き方、わかりやすく書くポイントなどについて分かりやすく解説します。
さらに、AWS構成図を作るのに適した作図ソフト「EdrawMax」の紹介、AWS構成図を自動生成する方法についてもあわせて紹介しますので、実践的な知識を得られるでしょう。ぜひ参考にしてください。
1.AWS構成図とは?
AWS構成図は、クラウドサービス「Amazon Web Service(AWS)」を使って稼働しているサービスの仕組みを、視覚的に分かりやすく表現したダイアグラムであり、ドキュメントです。AWSアーキテクチャ図と呼ぶ場合もあります。
一般的なシステム構成図に類するもので、AWSで構築されたシステムやアプリケーションのアーキテクチャだけでなく、それぞれの関係、通信経路、データの流れなどを分かりやすく示します。
システムの設計書としてプロジェクトメンバーで共有するために作ったり、クライアントなどステークホルダーへサービス・システムの概要を説明するために作ったり、作る目的はさまざまです。
2.AWS構成図にはどんな内容を書く?
AWS構成図の書き方に厳格なルールはありません。ここからは一般的にAWS構成図に書く内容を挙げます。目的や粒度にあわせて、必要な内容を選んで書いてください。
AWSサービスとリソース
AWSのサービスやリソースを、アイコンや記号で書きます。
EC2(Elastic Compute Cloud)、S3(Simple Storage Service)、RDS(Relational Database Service)など、AWSの具体的なサービスを書くことが多いです。
また、ファイアウォール、ロードバランサー、データベース、ネットワーク、アプリケーション、インスタンス、仮想マシン、などをリソースとして書くこともあります。
相互の関係と接続
サービスやリソースを直線や矢印でつなぎ、それぞれの間の関係や接続を書きます。
例えば、EC2インスタンスからS3バケットへのデータの転送や、ロードバランサーからEC2インスタンスへのトラフィックの分配など、目的と粒度に合わせて書きましょう。
ネットワーク構成
VPC(Virtual Private Cloud)やサブネットなどのネットワーク構成を書きます。パブリックサブネットとプライベートサブネットの関係や、WAF(Web Application Firewall)を含むファイアウォール、ネットワークゲートウェイを書くこともあります。
セキュリティ構成
書く機会は少ないですが、IAM(Identity and Access Management)、ロールやポリシー、暗号化設定など、セキュリティに関する機能や構成を書く場合もあります
可用性と耐障害性
複数のリージョンやアベイラビリティゾーンにおけるリソースの配置、オートスケーリングやデータバックアップなど、可用性と耐障害性に関する設定や構成を書くことがあります。
3.AWS構成図の書き方
ここまででも説明しましたが、AWS構成図の書き方に厳格なルールはありません。ただ、何の参考もなく、いきなりAWS構成図を書くのは難しいかもしれません。
ここからは、AWSを使った架空のWebサービスを例に、実際にEdrawMaxを使ってAWS構成図を書いていきます。ぜひ参考にしてください。
Step1.Webサーバーとデータベースを書く
EC2とRDBのアイコンを使って、Webサーバーとデータベースを書きます。アイコンだけでは分からない部分があれば、テキストで補足しておきます。
Step2.サブネットを書く
Step3.冗長構成を表現する
プライマリー・バックアップの冗長な構成としたいため、すでに書き終えたサブネットコピーして貼り付けます。
Step4.ロードバランサーを書く
ロードバランサーをPublic Subsetに配置します。
Step5.VPC、アベイラビリティゾーン、リージョンなどを追加
Step6.ユーザーを書く
インターネット経由でアクセスするユーザーを追加します。
Step7.接続や関係性を矢印・線でつなぐ
Step8.エクスポート
作った図を、見栄えが良いように整えて、画像としてエクスポートします。
Step9.完成
4.分かりやすいAWS構成図を書くポイント
AWS構成図は、プロジェクトメンバーやクライアントなど、関係者と共有することで価値を生みます。そのためには、分かりやすいAWS構成図が不可欠です。分かりやすいAWS構成図を書くためには、いくつかポイントがありますので、具体的に見てみましょう。
思考と作図を分ける
AWS構成図に限ったことではありませんが、良いドキュメントやダイアグラムを書くには、いきなり図を書くのではなく、どのような目的で、どのような図を書けばよいのか、まずは考えることをおすすめします。
はじめはツールを使わず、紙とペンで手書きしても良いでしょう。
目的に応じた粒度で書く
- AWS構成図を作る目的は何でしょう?
- システム担当が使う設計図でしょうか?クライアントに説明するための資料でしょうか?
- 稼働中もしくは構築するAWS サービスをできるだけ細かく描きたい?
- 可用性が高い構成にしていることを伝えたい?
- 勉強会などで事例紹介のため、サービスの概要を伝えたい?
それぞれの目的で、作図する粒度が違うと思います。目的に合わせた粒度で作図しましょう。
シンプルに書く
AWS構成図は分かりやすさが重要です。できるだけシンプルな図にしましょう。
不要な情報や複雑なデザインを排除し、要素が詰め込まれすぎないように配置します。視覚的に整理された図は理解しやすく、読み手の混乱を避けることができます。
また、要素同士の間隔を広めにとり、適度な余白を確保することも重要です。
一貫性を持つ
記号や色に一貫性を持たすことで、AWS構成図全体の統一感が出てきます。フォント、アイコン、線のスタイルなど、同じタイプの要素は同じスタイルで表現するなど工夫しましょう。
見やすいレイアウトにする
情報が整然と配置されるように、レイアウトを工夫しましょう。上から下へ、左から右へ、それぞれ表現すると視覚的にわかりやすくなります。
テキストで補う
各要素には名前を付け、適宜、注釈や注釈をつけましょう。アイコンやシンボルなどの視覚的な分かりやすさだけでは不足する部分を補うことが大切です。
5.aws構成図のテンプレートを搭載するEdrawMax
wondershare社の「EdrawMax」は、全世界で2,500万人以上のユーザーに愛されている作図ソフトです。
アイコンやシンボルが豊富
AWS構成図を書くのに利用できるアイコンやシンボルが豊富で、見栄えが良く、実用的な作図が可能です。
テンプレートも豊富
AWS構成図として利用できるテンプレートも豊富です。 EdrawMaxには、AWS構成図だけではなく、UML図、ER図、ネットワーク図、フローチャートなど、Webサイト構築・IT開発で使われるテンプレートが豊富に用意されていて、200種類以上のダイヤグラムが作成可能です。
インポート・エクスポート
EdrawMaxでは、Visioファイル、CADファイル(DWG/DXF)、SVGファイルを読み込み、EdrawMaxへインポートすることが可能です。
作成した図は、Word、Excel、PowerPoint(ppt)、PDFなど、多くの人が使えるファイル形式にエクスポートできます。
資料として利用しやすい画像としてもエクスポート可能です。画像としてエクスポートする場合は、jpg、png、bmp、tiffから形式を選べます。EdrawMaxは一度使うと、きっと手放せなくなる作図ソフトです。無料試用ができるので、ぜひ使ってみてください!
なお、マインドマップソフト「EdrawMind」、インフォグラフィックソフト「EdrawInfo」という姉妹品もありますので、ニーズに合わせてご利用ください。
6.AWS構成図を自動生成する方法
「AWSでのワークロード検出(workload discovery on AWS)」という機能はご存じでしょうか?稼働しているAWSのWEBアプリから、自動でAWS構成図を生成してくれる機能なんです。
Step1.AWSアカウントにソリューションCFn(AWS CloudFormation)をデプロイする
Step2.AWS構成図を生成したい対象があるAWSアカウントとリージョンに、追加CFnをデプロイする
1時間弱待てば、AWS構成図が生成されます。すごく便利な機能なのですが、デメリットがあるので注意しましょう!
最大のデメリットは、AWS構成図を生成するときだけではなく、CFnが起動している間継続して課金される点です。頻繁にAWS構成図を生成するケースは少ないと思いますので、注意が必要です。
また、生成されるAWS構成図は、ある程度の手動調整が必要です。特に、複雑な構成のサービスの場合は、負担が大きいでしょう。
まとめ
AWS構成図は設計図として、説明資料として、さまざまな目的で活用されます。
aws構成図を書くには、EdrawMaxがおすすめです。無料でダウンロードして使用できるので、aws構成図を作成するツールをお探しの方は、ぜひ試してみてください。