中国の作家・劉慈欣氏による長編SF小説『三体』。3部構成の全5冊にわたり、壮大な時間軸とスケールで驚きの展開が続くストーリーは世界的にも人気となり、「Netflix」で実写化され日本でも2024年3月からSeason1が配信開始しています。
『三体』は非常に面白い小説ですが、ネックとなるのが長編であるがゆえの登場人物の多さです。そこで本記事では、実写化で注目される小説版『三体』の簡単なあらすじと相関図について紹介します。
1. 『三体』第一部の登場人物と相関図
上記の相関図をemmxファイル(EdrawMindで開く)として保存する
『三体』第一部の主な登場人物
- 葉文潔(イエ・ウェンジエ):優秀な天文物理学者。文化大革命で父を失った結果、のちに地球の存亡に大きな影響を及ぼす
- 葉哲泰(イエ・ジョータイ):理論物理学者で葉文潔の父。文化大革命の折に妻から密告を受け集会で糾弾され、暴行により公開処刑される
- 楊衛寧(ヤン・ウェイニン):葉哲泰の元教え子で、その後紅岸基地の最高技術責任者となった。葉文潔を紅岸基地に引き抜き、のちに葉文潔との間に娘の楊冬をもうける
- 汪淼(ワン・ミャオ):ナノマテリアル研究者。謎の現象に巻き込まれる第一部の主人公で「三体世界」の謎を解き明かしていく
- 史強(シー・チャン):テロ対策のエキスパートである刑事。謎解きに協力するうちに徐々に汪淼と親しくなり心の支えとなる
- 楊冬(ヤン・ドン):葉文潔と楊衛寧の娘で、宇宙理論研究者。三体人の陰謀により信じていた物理学が存在しなかったと思い込み自殺を選ぶ。汪淼が思いを寄せていた
- 申玉菲(シェン・ユーフェイ)…科学フロンティアの中枢人物。汪淼を勧誘
1960年代の中国。「文化大革命」の最中、第一部主人公の葉文潔が「母である紹琳の密告により父、葉哲泰が処刑される場面を目の当たりにする」というショッキングな場面から第一部の物語は始まります。
葉文潔が、「人類の愚かさに絶望したこと」「楊衛寧に「紅岸基地」へ連れて行かれたこと」の2つがのちの物語を大きく動かすことになります。
紅岸基地には巨大なパラボラアンテナがそびえ立ち、厳重な警備が施されるなか極秘の計画が進められていました。
その後舞台は数十年後の現代に移り、第一部の新たな主人公、汪淼が登場します。汪淼はナノマテリアルを研究する研究者でしたが、それゆえに優秀な物理学者が次々自殺するという不可解な事件に巻き込まれます。
研究者の連続死事件に深くかかわっているのが学術団体「科学フロンティア」と中枢人物の申玉菲がプレイしていたVRゲーム「三体」でした。
汪淼は現代の科学では考えられない現象に見舞われ恐怖に襲われながらも、楊冬の婚約者であった研究者丁儀や刑事の史強らのサポートを受けつつVRゲーム「三体」の謎を解き明かしていきます。
2. 『三体』第二部の登場人物と相関図
上記の相関図をemmxファイル(EdrawMindで開く)として保存する
『三体』第二部の主な登場人物
- 羅輯(ルオ・ジー):社会学者、ある日突然世界の命運がかかった「面壁者」の一人に選ばれる
- 荘顔(ジュアン・イエン):中国画を専攻する学生で、のちに羅輯の妻となり子をもうける
- 史強(シー・チャン):刑事。第二部でも中心的な活躍をし、羅輯の命を何度となく救う
- 葉文潔(イエ・ウェンジェ):宇宙学者で「地球三体協会」の指導者。羅輯に地球を救う重大なヒントを授ける
- 章北海(チャン・ベイハイ):宇宙軍の将校で人類防衛計画の中心人物。宇宙艦「自然選択」の艦長代行となる
VRゲームの「三体」の世界は宇宙に実在する太陽が3つある「三体世界」の歴史そのものでした。物理学において「互いに引力を及ぼし合う3つの物体の運動法則」はいまだ解明されておらず、「三体問題」として知られます。
太陽が3つあるために運動法則が見いだせない三体世界は不規則で過酷な環境に滅亡と復興を続け、やがて高度な科学文明を持つ三体人は地球の侵略を企てます。研究者を次々と追い詰める三体人の狙いは地球の物理学を停滞させ反撃を防ぐためでした。
反撃に際して障壁となったのが三体文明の高度な科学技術により地球側の全ての行動が筒抜けな点でした。そこで国連は「面壁者」と呼ばれる4人の個人が周囲に秘匿しながら立案する作戦に人類の運命を委ねる計画を立てます。その一人、社会学者の羅輯を中心に第二部は進んでいきます。
三体側は対抗策として面壁者の作戦を看破する役目を持った「破壁人」を立て、三体文明との本格的な攻防が始まりました。
第二部では舞台が宇宙に広がり面白さが増す反面、概念の理解が難しくなります。キーワードとなるのが「暗黒森林理論」という宇宙文明間の関係性についての仮説です。この仮説は「地球外に知的生命体は存在しているが、地球人には見つけられないのは自分たちが安全な存在であることを証明できないため存在を隠しているからだ」というものです。
もう一つのキーワードが「射撃手仮説」と「農場主仮説」です。いずれも「高次元生物の行動は低次元の生物からは『不変の宇宙の法則』に見える」、つまり「我々が不変の法則と思っているものは、実は自分たちより高次元の生物の気まぐれなのではないか」という仮説と考えられます。
ほかの面壁者が破壁人に看破されていくなか、これらの仮説を基に羅輯は予想外の作戦を立てて人類に希望をもたらします。
3.『三体』第三部の登場人物と相関図
上記の相関図をemmxファイル(EdrawMindで開く)として保存する
『三体』第三部の主な登場人物
- 程心(チェン・シン):航空宇宙エンジニア。階梯計画のメンバーとなり雲天明を任務執行者に推薦する
- 艾AA(アイ・エイエイ):天文学を学ぶ大学院生、程心のアシスタントとなりのちに程心と共同で設立した宇宙建設企業のCEOとなる
- 雲天明(ユン・ティエンミン):程心の大学時代の同級生で程心に恋心を寄せていた。階梯計画の任務執行者となり、三体世界へと旅立つ
- 関一帆(グァン・イーファン):宇宙科学研究者で地球戦艦「万有引力」に研究員として搭乗
- 羅輯(ルオ・ジー):元・面壁者でその後執剣者となる
- 智子(ソフォン/ともこ):三体文明の女性型AIロボット。
第二部の裏でひっそりと始まった第三部は、想像を超える壮大な舞台に進みます。そのきっかけとなるのが三体文明に直接地球人を送り込み、貴重な地球人のサンプルをエサに三体世界の情報を得るスパイの役目をさせるという「階梯計画」でした。
しかし地球の技術で三体文明の艦隊に追いつく速度にするためには人1人乗せることができません。そこで驚きの方法が考え出され実行されます。計画の結果を見届けるために程心はコールドスリープに入り、目覚めたとき世界は三体文明のAIロボット「智子」の監視のもとに三体文明と地球が共存していました。
「執剣者」として三体文明と地球が「暗黒森林理論」でお互いを攻撃するのを抑止する役目を負ったのがかつて地球を救った面壁者、羅輯でした。しかし平和は長くは続かず、地球は宇宙全体からの攻撃に怯えることになります。太陽系が存続の危機を迎えるなか、程心は艾AAとともに太陽系を脱出し地球艦隊の生き残りである関一帆と出会いさらに旅を続けます。
4.『三体』のタイムライン
『三体』は1960年代から途方もない西暦の時代まで続く壮大な物語です。以下に簡単なタイムラインを示します。
記事で紹介した相関図やタイムラインの作成におすすめのツールが「EdrawMind」です。
EdrawMindは、『三体』のような複雑な物語の人物相関図やタイムラインを作成するのに最適なツールです。EdrawMindには以下の特徴があり、物語分析や情報発信に役立ちます。
1.初心者でも簡単に操作できる直感的なインターフェース
2.すぐに作成を始められる!人物相関図やタイムラインもある豊富なテンプレート
3.関係性を示す線の色や太さなど、思い通りに調整できるデザイン機能
4.移動や配置も簡単なスマートレイアウトと作図支援機能
5.ほかのファンとも共同で作業ができる共有機能
6.完成した図をさまざまな形式で出力でき、SNSやブログのコンテンツ作成にも役立つエクスポート機能
まとめ
「EdrawMind」を使えば、『三体』のような複雑で壮大な世界観をビジュアル化し、物語の理解を深められます。
EdrawMindには無料版も用意されているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。小説や映画の備忘録として、あるいはSNSやブログで発信するコンテンツ作成に役立つツールとして、EdrawMindをダウンロードしてぜひお試しください。